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2023年3月24日 日本代表 対 ウルグアイ代表

2023/03/29(水)

2023/3/24(金)日本/東京・国立競技場
日本代表1-1(0-1) ウルグアイ代表

――新しい選手を多く招集して、2026年大会に向けたスタートとなりました

賀川:チームの軸になりそうな遠藤、鎌田、堂安、浅野らはカタールW杯から引き続いて中心メンバーとしてスタメンに名前を連ねました。カタールでは切り札的存在だった三笘も先発しましたね。カタールで自信をつけた面々は堂々とプレーしていました。

――前半から効果的なカウンターがみられました

賀川:森保監督になってから、前に出たいときにはっきりと前に出るようになった。その特徴がさらに強くなった感じ。人数が少なくても頑張って前に出る。今までの日本の選手は周りに人が少なくてボールを受けたときは、あまり自信がなかったけど、この頃の日本の選手は数が少なくても、自分のところでボールを受けたらなんとかしようという気構えと技術があります。それだけ、個々のレベルアップが見てとれますね。そうでなかったら、サッカーはおもしろくない。若い選手は攻めたがるからおもしろい。昔と違って今の若い連中はずうずうしいからね(笑)

――三笘がボールを受けて、長い距離をドリブルするシーンが多くみられました

賀川:俺のところにボールをよこせと。俺のところにボールをよこしたら、これぐらいのことはやったるという自信に満ちてますね。そういうプレーを見せています。三笘に限らず前に出る意識がチーム全体にあって、勢いがある。森保監督のチームはそこが長所になっています。今の代表選手はみんなうまい上に、お互いの協力もできている。合宿などでコーチ連中がやかましく言ってるのでしょうね。チーム全体のポジションプレーもいいですよ。

――ウルグアイに先制されました

賀川:序盤から日本が攻め込んでいましたが、一瞬のスキをつかれました。20年ほど前なら、日本クラスを相手にしていれば、余裕をもってプレーしていましたが、余裕たっぷりというわけではありませんでした。日本を十分警戒していて立ち上がりから慎重に戦っていました。ウルグアイの試合に対する姿勢を見ても日本のレベルが上がっているということが、この試合をみてもよく分かります。その中でカウンターから先制点を奪ったウルグアイもさすがでした。

――後半途中出場の西村拓真(横浜M)が出てすぐに同点ゴール

賀川:後ろからゴール前まで駆け上がって左足で押し込みました。右サイドを破った伊東純也のクロスから。サイド攻撃はいつの時代も有効です。雨の中応援していたお客さんも留飲を下げたでしょう。新しい選手が結果を出して、ますます競争が激しくなります。

――森保監督の続投については

賀川:森保監督はなんといっても東洋工業の流れをくむサンフレッチェ広島育ちの監督ですから。負けるのが大嫌い。東洋工業というのは、東京や大阪に負けるのが嫌だから、勝ちを徹底してきた。練習試合でもそうだった。勝ちを目指す日本人監督は、このタイミングでは彼しかいなかったでしょう。

――ところで、野球のWBCで侍ジャパンが世界一になりました。見ていましたか? 大谷翔平はどうでした

賀川:大谷翔平ね。見てましたよ。ええねえ、彼。身体の大きさからして。大リーグの選手と比べても大谷の方が大きいでしょう。そういう意味からして、日本の野球選手も立派になったなあと思いますね。

――サッカーの日本代表がカタールW杯で国民を沸かせました。野球の日本代表には今度は俺たちが!という思いがあったようで、いい相乗効果があったように感じます

賀川:そういう気構えがないとね。やっぱり。日本のサッカー全体というよりも日本のスポーツ全体の課題で、外国人と対戦するときに、一人一人の選手で負けたらあかんわけです。個人でもチームワークとしても外国勢に対する気構えで対等にならないと。日本のスポーツ全体のレベルが上がっていますから、そのレベルに到達している選手が増えてきています。

――野球もサッカーも国際大会で結果を出して、子供たちに大きな夢を与えている

賀川:今の子供は野球にしろサッカーにしろ。外国人と対戦して負けるのが当たり前とは思っていないでしょう。それはスポーツで大事なことですよ。大谷はメジャーリーグにいっても対等、いやそれ以上にやっている。向こうでも大スターですからね、それが大きいですよ。日本のサッカーの連中も欧州で使ってもらっているというぐらいではだめですよね。向こうのリーグでそれぞれのチームで看板選手になって、大谷のようにリーグを代表する選手にならないと。いろんなスポーツで日本人が世界と対等以上に戦って、それを見た子供たちがスポーツをするきっかけになってくれたら、これ以上うれしいことはないですね。

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