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2023年3月

2023年3月28日 日本代表 対 コロンビア代表

2023/03/29(水)

2023/3/28(火)日本/大阪・ヨドコウスタジアム

日本代表1-2(1-1) コロンビア代表

 

――3月24日のウルグアイ戦から先発メンバーが変わりました。1トップに町野修斗(湘南)、トップ下にウルグアイ戦でゴールを決めた西村拓真(横浜M)が名を連ねました

賀川:ずいぶんメンバーが様変わりして、新しいメンバーの名前と顔を覚えるのが大変です。どの選手をみてもずいぶん前に比べたら、ボール扱いがだいぶうまい。またうまくなった感じ。若い選手のレベルが上がっています。何度かヒールパスを繰り出す場面がありましたが、この連中がやると垢ぬけている。サラっと自然にやる。ぎこちなさがない。そこひとつを見ても、日本の選手がうまくなっているのがよくわかります。このレベルからさらに伸ばしていってほしいですね。

――前半3分、町野が踏ん張って起点となり、右サイドの守田英正が右足のインフロントでカーブをかけたクロスを入れて、三笘がジャンプ一番ヘディングシュートを決めました

賀川:打点の高いヘディングでしたね。相手のマークの選手よりも先に飛んで空中で踏ん張って、しっかりとゴールラインにたたきつけました。ヘディングで競り勝つには先にジャンプすることが大切になります。ドリブルが注目される選手ですが、ヘディングの技術も高いことがよくわかる得点シーンでした。守田のクロスも素晴らしいボールでした。

――前半33分、ハーウウエーライン付近でボールを奪われ、左サイドから崩されて同点にされました

賀川:コロンビアの14番(デュラン)は大柄な選手ですが、左足で落ち着いてGKの体が倒れた逆方向に決めました。19歳ですか。世界にはすごい選手がいるものです。

――後半、上田、遠藤が出てきました

賀川:森保監督は多くの選手にチャンスを与えようと考えているのでしょう。そのほかの選手の交代のタイミングもいつもよりも早い感じでした。

――後半16分、コロンビアに見事なオーバーヘッドを決められました

賀川:クリアボールが空中高く上がって、コロンビアの選手がチャレンジできる状況でした。なかなかあれだけ見事なオーバーヘッドシュートはお目にかかれません。遠藤も体を寄せにいってましたが、間に合いませんでした。早くボールに寄ることができ、頭でクリアしにいけば、相手がオーバーヘッドのシュートモーションに入ると、足が頭に当たりそうになるので、ファウルになることが多い。きれいにキックできたということは寄せが遅かったということになります。選手が交代したばかりで、そのスキをつかれました。

――後半33分浅野が出てきたタイミング、ベンチの森保監督から渡されてメモがピッチにいた選手に渡されました。4-4-2へのフォーメーション変更を紙で指示していたようです

賀川:あまり見たことがないシーンでしたね。慣れないシステムに変更したようです。野球のようにプレーごとにシーンが止まる競技ではありませんから、選手はアタマの中に入れておかないといけません。

――1-2で敗れました。2023年は2戦終えて1分け1敗です。

賀川:点が取れませんでしたね。ヘディングで競り勝つシーンはありましたが、脚でシュートを狙っていかないと勝てませんよね。中盤はうまい選手が出てきますが、やはりストライカーが出てこないと。それでも森保監督になってからちょっと前がみえるようにあってきました。攻撃の姿勢や点を取る形です。ここに釜本邦茂のような選手が出てくれば。今でいえば大谷翔平(大リーグ、エンゼルス)でしょうか。大谷翔平は大リーグの中に入っても体が大きいほう。サッカー界にもどんどんそういう選手が出てきたら、面白くなってきます。

――今年の秋からW杯予選が始まります

賀川:誰が中心になるのか。久保建英はカタール大会ではもうひとつで出番も少なかった。期するものはあるでしょう。サイドで起用されることがこれまで多かったですが、途中出場で中央でプレーしていました。中心になってほしい選手の一人であることには変わらないでしょう。森保監督の期待にどこまで近づけるか。見守っていきたいと思います。この2試合、非常に相手のレベルが高かった。これぐらいの相手と月2回ぐらい試合ができたら日本のレベルも上がっていくでしょうが、そうもいかないでしょうし。やはり所属チームで日々代表を意識してレベルアップを目指すしかありません。1-2で負けたのですが、お客さんは試合を通じて喜んでいる感じでしたね。なんやこれはというような声がサポーターから出るようになると、代表チームも危機感を持って、またレベルアップしていくようになるでしょう。

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2023年3月24日 日本代表 対 ウルグアイ代表

2023/03/29(水)

2023/3/24(金)日本/東京・国立競技場
日本代表1-1(0-1) ウルグアイ代表

――新しい選手を多く招集して、2026年大会に向けたスタートとなりました

賀川:チームの軸になりそうな遠藤、鎌田、堂安、浅野らはカタールW杯から引き続いて中心メンバーとしてスタメンに名前を連ねました。カタールでは切り札的存在だった三笘も先発しましたね。カタールで自信をつけた面々は堂々とプレーしていました。

――前半から効果的なカウンターがみられました

賀川:森保監督になってから、前に出たいときにはっきりと前に出るようになった。その特徴がさらに強くなった感じ。人数が少なくても頑張って前に出る。今までの日本の選手は周りに人が少なくてボールを受けたときは、あまり自信がなかったけど、この頃の日本の選手は数が少なくても、自分のところでボールを受けたらなんとかしようという気構えと技術があります。それだけ、個々のレベルアップが見てとれますね。そうでなかったら、サッカーはおもしろくない。若い選手は攻めたがるからおもしろい。昔と違って今の若い連中はずうずうしいからね(笑)

――三笘がボールを受けて、長い距離をドリブルするシーンが多くみられました

賀川:俺のところにボールをよこせと。俺のところにボールをよこしたら、これぐらいのことはやったるという自信に満ちてますね。そういうプレーを見せています。三笘に限らず前に出る意識がチーム全体にあって、勢いがある。森保監督のチームはそこが長所になっています。今の代表選手はみんなうまい上に、お互いの協力もできている。合宿などでコーチ連中がやかましく言ってるのでしょうね。チーム全体のポジションプレーもいいですよ。

――ウルグアイに先制されました

賀川:序盤から日本が攻め込んでいましたが、一瞬のスキをつかれました。20年ほど前なら、日本クラスを相手にしていれば、余裕をもってプレーしていましたが、余裕たっぷりというわけではありませんでした。日本を十分警戒していて立ち上がりから慎重に戦っていました。ウルグアイの試合に対する姿勢を見ても日本のレベルが上がっているということが、この試合をみてもよく分かります。その中でカウンターから先制点を奪ったウルグアイもさすがでした。

――後半途中出場の西村拓真(横浜M)が出てすぐに同点ゴール

賀川:後ろからゴール前まで駆け上がって左足で押し込みました。右サイドを破った伊東純也のクロスから。サイド攻撃はいつの時代も有効です。雨の中応援していたお客さんも留飲を下げたでしょう。新しい選手が結果を出して、ますます競争が激しくなります。

――森保監督の続投については

賀川:森保監督はなんといっても東洋工業の流れをくむサンフレッチェ広島育ちの監督ですから。負けるのが大嫌い。東洋工業というのは、東京や大阪に負けるのが嫌だから、勝ちを徹底してきた。練習試合でもそうだった。勝ちを目指す日本人監督は、このタイミングでは彼しかいなかったでしょう。

――ところで、野球のWBCで侍ジャパンが世界一になりました。見ていましたか? 大谷翔平はどうでした

賀川:大谷翔平ね。見てましたよ。ええねえ、彼。身体の大きさからして。大リーグの選手と比べても大谷の方が大きいでしょう。そういう意味からして、日本の野球選手も立派になったなあと思いますね。

――サッカーの日本代表がカタールW杯で国民を沸かせました。野球の日本代表には今度は俺たちが!という思いがあったようで、いい相乗効果があったように感じます

賀川:そういう気構えがないとね。やっぱり。日本のサッカー全体というよりも日本のスポーツ全体の課題で、外国人と対戦するときに、一人一人の選手で負けたらあかんわけです。個人でもチームワークとしても外国勢に対する気構えで対等にならないと。日本のスポーツ全体のレベルが上がっていますから、そのレベルに到達している選手が増えてきています。

――野球もサッカーも国際大会で結果を出して、子供たちに大きな夢を与えている

賀川:今の子供は野球にしろサッカーにしろ。外国人と対戦して負けるのが当たり前とは思っていないでしょう。それはスポーツで大事なことですよ。大谷はメジャーリーグにいっても対等、いやそれ以上にやっている。向こうでも大スターですからね、それが大きいですよ。日本のサッカーの連中も欧州で使ってもらっているというぐらいではだめですよね。向こうのリーグでそれぞれのチームで看板選手になって、大谷のようにリーグを代表する選手にならないと。いろんなスポーツで日本人が世界と対等以上に戦って、それを見た子供たちがスポーツをするきっかけになってくれたら、これ以上うれしいことはないですね。

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