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2022年6月2日 日本代表 対 パラグアイ代表

2022/06/04(土)

2022/6/2(木)日本/北海道・札幌ドーム
日本代表 4-1(2-0) パラグアイ代表

――今秋のカタールW杯に向けて、メンバー選考が本格化します。6月シリーズの第1戦でした。パラグアイはカタールW杯出場を逃していますが、2010年の南アフリカW杯、ラウンドオブ16で対戦しPK戦で敗れた実力国です

賀川:日本の選手は本当にうまくなっていますね。南米のこのクラスを相手にしても、自信をもってプレーしていた。ほとんどの代表選手が海外でプレーしているので、うまい選手とやり慣れている。若い時から欧州にいっているので、レベルの高い相手と試合をすることが当たり前になっていますからね。とにかく彼らは相当なスピードでボールを扱いながら、正確に味方に渡したり、受け取ったりするのにミスがない。1964年の東京五輪前の日本代表と比べればまるで違います。

ーー先制点はカウンターで裏に抜け出した浅野がうまくボールを浮かせて決めました。2点目は堂安の左足で鋭く曲がってくるクロスに鎌田が頭で合わせました

賀川:どちらのゴールも個人の技術が高いですよね。外国の同年齢の代表選手と比べても引けを取ることはないでしょう。子供のときからうまい選手同士で競争してきていますから。手を抜けませんよね。18―22歳ぐらいになるまでのトップクラスに入ってくる日本の選手の練習量やボールを蹴ってきた数が違いますからね、この年代の選手の練習量は相当なものがあります。初めてみるような選手も多いですが、みんなうまいですね。吉田麻也がスタメンにいるとホッとしますが。今の選手は子供のころから競争のレベルが違う。ちょっと下手なことをしたら、置いていかれます。一昔前なら南米のパラグアイが来日するとなったら、国は豊かではないが、サッカーが盛んなところで、子供たちは小さいころからやっているので、一人一人個人的には日本の選手に比べればうまいということになっていましたが、この試合をみてそう思いますか? パラグアイの選手は、どこが日本の選手より勝っていますか? と聞いてみたいぐらい、日本の選手はうまくなりました。選手も自信があるから、これだけの試合ができるわけです。ここまで来るのに時間がかかりましたが、ここまでくれば日本のサッカーもさらに高いレベルまで積み上げていくことができます。

――右サイドに張り出していた堂安がヒールパスを織り交ぜたり、アイデアも遊び心もありました

賀川:日本の選手のいいところは、ほとんど自然体でやっていたところでしたね。堂安はヒールパスでも当たり前のようにやります。子供の時の遊び心がプレーに入っています。立ち上げた当時の神戸フットボールクラブでも同じようなプレーをやっていました。古い先輩方や若い連中に練習を観てもらったとき、「そんなに遊んでばっかりでええんですか」と言われましたが、遊びながら練習しているから、だんだんうまくなるわけです。日本代表が高いレベルを保つことになると子供たちはJFAのユニホームを着ることに憧れます。願わくは、この日本代表レベルのプレーをするJクラブが出てきてくれれば。そうすればJリーグがさらに魅力的になると思います。

――選手の力強さも目につきました

賀川:谷口なんかはいい身体つきをしていますね。みんな胸板が厚くなって、フィジカルで海外勢と見劣りしない。計画的にトレーニングできているのでしょう。突破力のある堂安、三笘に対してパラグアイの選手は手を使って止めにいってましたが、2人とも簡単に倒れず、ボールをもったまま、どんどんゴールに向かっていった。ファウルをもらいにいく気配すらない。頼もしい限りです。これだけうまくなったら倒れてファウルをもらう必要がないわけですよ。

――言い忘れたことないですか

賀川:後半途中から出てきた久保にリーダーの資質を感じました。年齢的には一番若いのに周りに堂々と指示を出している。いいチームになってきましたね。W杯本番に向けては超ノッポ対策ができるか。長身選手に対してどう対応するか、パラグアイはそこまで大きな選手がいませんでした。背の高さで脅しをかけられることもありますから。チーム全体の能力も高いし、運動量もありますし、こぼれ球へのアプローチもしっかりしています。うまくプレーするだけでなく、球際の争いにも強くなってきました。6日のブラジル戦が楽しみですね。楽しい試合を見ることができました。

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