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2019年3月26日 日本代表 対 ボリビア代表

2019/03/27(水)

2019/3/26(火)日本/兵庫県神戸市・ノエビアスタジアム
日本代表 1-0(0-0) ボリビア代表


――ボリビア戦は賀川さんのお住まいがあり、生まれ育った神戸での開催。久々に会場で取材されました


賀川:スタジアムで日本代表を取材するのは、2014年ブラジルW杯以来ですから、5年ぶりになります。テレビでは欠かさず日本代表の試合は見ています。最近のテレビは画質がよくなっているので、試合の隅々までよく見えますが、スタジアムはやはりいいものですね。試合の全体像が見えるし、お客さんの反応もダイレクトに伝わってきます。このノエビアスタジアムはかつての神戸中央球技場で、当時は少なかった陸上トラックのない球技専用のスタジアムでした。芝生の手入れが行き届いていました。大阪万博があった1970年にエウゼビオがベンフィカの一員として来日し、日本代表に3-0で勝ちました。当時のエウゼビオの個人プレーはまるでマジックのようでした。


――森保監督はコロンビア戦から先発11人を入れ替えました


賀川:代表選手や代表候補クラスの選手のレベルは上がっているので、ガラッとメンバーを入れ替えても、大きな戸惑いや混乱はなかったようです。経験が豊富な香川がキャプテンマークを巻き、前線で多くボールに絡んでいました。ボリビアの守りが堅かったので、大きな見せ場はなかったですが、森保監督が試合後の記者会見で「相手を間延びさせたり、疲労させたり、嫌なところをついていくことはできていた」とコメントしたように、彼の特徴がよく出ていました。彼はペナルティーエリアの外でボールをもらって、チャンスをつくるのが非常に上手な選手です。さらに誰よりも速いタイミングでペナルティーエリア内に入ってきて、ゴールを奪うことができる選手でもあります。前半は香川がもう1人ピッチにいれば…と感じるシーンもありました。今回代表に復帰した香川を中心としたチームを作っていくのであれば、周囲との連係などを監督も含めて事前に話し合っていくことが大切になるでしょう。


――前半からボールは支配していましたが、決定機は作れませんでした


賀川:確かに最後のシュートをどうするかというのが、なかなか見えませんでしたね。相手のサイドに入ったら、少々無理をしないと、しっかりと守っている相手を打ち破るのは非常に困難です。狭いところからでも、強引に1人で抜きにかかって、ドリブルを仕掛けるとか、突然スピードアップするとか、ダイレクトのパスを2、3本通すとか、敵陣で摩擦を起こさないことには、変化は生まれません。日本の選手は技術が上がり、ボールの扱いが達者になりました。しかし、サッカーは足でボールを扱う競技。手でボールを扱うようにきれいに時間をかけて攻めると、その分、相手も時間と人数をかけて守ることができるわけです。GKは心構えもできます。足でボールを扱う競技なんですから、ある程度のところまで来たら、エエ加減にエイッと蹴ってもいいわけですよ。欧州の選手なんて結構そういう形でゴールを決めています。


――中島、堂安、南野を投入し、試合が動きました


賀川:森保監督の起用が当たりましたね。ボリビアも複数のメンバーを代えてきたので、日本が優位だった試合の流れが一時的に止まり、チャンスと見たボリビアが攻勢に出て、試合の流れが変わりました。この試合初めてといっていいカウンターから後半31分の中島の先制点になりました。ペナルティーエリア左でボールを受け、右に切り返してもマークを外せませんでしたが、そのまま強引に打って、相手のまたの間を抜けていきました。こういった思い切りのよさは、こう着状態を打ち破る有効な手段になります。不十分な形であってもチャンスと見たら仕掛ける、今という時をつかむ…ということが、ゲームのどの段階においても大事なことになります。これはサッカーのうまいへたとは別の感覚で、そういう気構えで試合をしないと勝てません。


――サッカーはいくらパスをつないでも、ゴールにはなりません


賀川:だから、ある程度のところまで攻め込んだら、強引さも要ります。ボールを失っても、すぐに取り返せばいいわけで、敵陣で奪い返せば、相手は前がかりになっているので再びチャンスになりやすいわけですから。相手も防ごうと必死なわけで、パスをつないでいるうちに、いつかスキができるというものでもありません。


――お疲れが出ていませんか


賀川:少々寒かったですが、大丈夫です。楽しかった。日本サッカー協会の関係者や懐かしいライター仲間に久々に会って話をすることができました。後輩の若い記者やライターさんにもたくさんあいさつしてもらいました。記者会見が終わると、森保監督からは花束をいただきました。取材にきて花束もらうなんて不思議な感じでしたが、お心遣いに感謝しています。広島は東洋工業(サンフレッチェ広島の前身)のころから、代表選手がいなくても、勝つためにチームでしっかりと守って点を取るサッカーをして、日本代表の選手が半分ぐらいいる東京や大阪のチームと張り合ってきました。いい選手や指導者が出てきた土地柄でもあります。その広島から生まれた代表監督なんですから、大いに期待しています。サッカーは地球のどこでもやっていて、世界で一番人気があるスポーツ。それがおもしろくないはずがない。そのおもしろさをどうやって伝えるか。それがこの仕事もおもしろみであり、難しさでもあります。

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