« 2018年11月 | トップページ | 2019年6月 »

2019年3月

2019年3月26日 日本代表 対 ボリビア代表

2019/03/27(水)

2019/3/26(火)日本/兵庫県神戸市・ノエビアスタジアム
日本代表 1-0(0-0) ボリビア代表


――ボリビア戦は賀川さんのお住まいがあり、生まれ育った神戸での開催。久々に会場で取材されました


賀川:スタジアムで日本代表を取材するのは、2014年ブラジルW杯以来ですから、5年ぶりになります。テレビでは欠かさず日本代表の試合は見ています。最近のテレビは画質がよくなっているので、試合の隅々までよく見えますが、スタジアムはやはりいいものですね。試合の全体像が見えるし、お客さんの反応もダイレクトに伝わってきます。このノエビアスタジアムはかつての神戸中央球技場で、当時は少なかった陸上トラックのない球技専用のスタジアムでした。芝生の手入れが行き届いていました。大阪万博があった1970年にエウゼビオがベンフィカの一員として来日し、日本代表に3-0で勝ちました。当時のエウゼビオの個人プレーはまるでマジックのようでした。


――森保監督はコロンビア戦から先発11人を入れ替えました


賀川:代表選手や代表候補クラスの選手のレベルは上がっているので、ガラッとメンバーを入れ替えても、大きな戸惑いや混乱はなかったようです。経験が豊富な香川がキャプテンマークを巻き、前線で多くボールに絡んでいました。ボリビアの守りが堅かったので、大きな見せ場はなかったですが、森保監督が試合後の記者会見で「相手を間延びさせたり、疲労させたり、嫌なところをついていくことはできていた」とコメントしたように、彼の特徴がよく出ていました。彼はペナルティーエリアの外でボールをもらって、チャンスをつくるのが非常に上手な選手です。さらに誰よりも速いタイミングでペナルティーエリア内に入ってきて、ゴールを奪うことができる選手でもあります。前半は香川がもう1人ピッチにいれば…と感じるシーンもありました。今回代表に復帰した香川を中心としたチームを作っていくのであれば、周囲との連係などを監督も含めて事前に話し合っていくことが大切になるでしょう。


――前半からボールは支配していましたが、決定機は作れませんでした


賀川:確かに最後のシュートをどうするかというのが、なかなか見えませんでしたね。相手のサイドに入ったら、少々無理をしないと、しっかりと守っている相手を打ち破るのは非常に困難です。狭いところからでも、強引に1人で抜きにかかって、ドリブルを仕掛けるとか、突然スピードアップするとか、ダイレクトのパスを2、3本通すとか、敵陣で摩擦を起こさないことには、変化は生まれません。日本の選手は技術が上がり、ボールの扱いが達者になりました。しかし、サッカーは足でボールを扱う競技。手でボールを扱うようにきれいに時間をかけて攻めると、その分、相手も時間と人数をかけて守ることができるわけです。GKは心構えもできます。足でボールを扱う競技なんですから、ある程度のところまで来たら、エエ加減にエイッと蹴ってもいいわけですよ。欧州の選手なんて結構そういう形でゴールを決めています。


――中島、堂安、南野を投入し、試合が動きました


賀川:森保監督の起用が当たりましたね。ボリビアも複数のメンバーを代えてきたので、日本が優位だった試合の流れが一時的に止まり、チャンスと見たボリビアが攻勢に出て、試合の流れが変わりました。この試合初めてといっていいカウンターから後半31分の中島の先制点になりました。ペナルティーエリア左でボールを受け、右に切り返してもマークを外せませんでしたが、そのまま強引に打って、相手のまたの間を抜けていきました。こういった思い切りのよさは、こう着状態を打ち破る有効な手段になります。不十分な形であってもチャンスと見たら仕掛ける、今という時をつかむ…ということが、ゲームのどの段階においても大事なことになります。これはサッカーのうまいへたとは別の感覚で、そういう気構えで試合をしないと勝てません。


――サッカーはいくらパスをつないでも、ゴールにはなりません


賀川:だから、ある程度のところまで攻め込んだら、強引さも要ります。ボールを失っても、すぐに取り返せばいいわけで、敵陣で奪い返せば、相手は前がかりになっているので再びチャンスになりやすいわけですから。相手も防ごうと必死なわけで、パスをつないでいるうちに、いつかスキができるというものでもありません。


――お疲れが出ていませんか


賀川:少々寒かったですが、大丈夫です。楽しかった。日本サッカー協会の関係者や懐かしいライター仲間に久々に会って話をすることができました。後輩の若い記者やライターさんにもたくさんあいさつしてもらいました。記者会見が終わると、森保監督からは花束をいただきました。取材にきて花束もらうなんて不思議な感じでしたが、お心遣いに感謝しています。広島は東洋工業(サンフレッチェ広島の前身)のころから、代表選手がいなくても、勝つためにチームでしっかりと守って点を取るサッカーをして、日本代表の選手が半分ぐらいいる東京や大阪のチームと張り合ってきました。いい選手や指導者が出てきた土地柄でもあります。その広島から生まれた代表監督なんですから、大いに期待しています。サッカーは地球のどこでもやっていて、世界で一番人気があるスポーツ。それがおもしろくないはずがない。そのおもしろさをどうやって伝えるか。それがこの仕事もおもしろみであり、難しさでもあります。

固定リンク | フル代表


2019年3月22日 日本代表 対 コロンビア代表

2019/03/23(土)

2019/3/22(金)/神奈川・日産スタジアム
日本代表 0-1(0-0) コロンビア代表

――コロンビアとは昨年のロシアW杯以来の再戦。W杯で勝ったコロンビアに連勝とはいきませんでした

賀川: コロンビアも2回続けて日本には負けられんと必死だったのでしょう。南米ではブラジル、アルゼンチン、ウルグアイが1級にランクされるので、表現はあまりよくありませんが、コロンビアは必然的に2級のような位置づけになります。しかしながら、2級は2級であっても、2級なりの試合運びのうまさ、賢さがあるものです。このクラスに日本代表が勝つには、やはり最初から最後まで、それこそ死にものぐるいでやることが前提条件になります。普通に走りまわっているようでは、チャンスは少なくなります。過去のW杯の組み合わせを見ても分かるように、本番のグループステージでは、かなりの確率でこのクラスの南米勢と当たるわけですよ。そこに勝てないと、ノックアウトラウンドには進めないわけですから。

――W杯で8強に進もうと思ったら、このクラスの南米勢に勝たないといけない

賀川:南米の代表は1人1人の個人の技術があるので、日本代表はチームワークと持ち前の速い動きと豊富な運動量でかき回して勝つというのが、従来からの戦い方。森保監督も当然そのことを十分承知していたのでしょうが、ゲームを通じて動きの量も速さも期待したほどではなく、後半ファルカオにPKで1点を取られてしまいました。PKを与えた冨安はハンドを取られてはいけないと、腕を背中の後ろに回していましたが、相手のシュートに対して背を向けてしまったので、後ろに回していたはずの右肘にボールが当たってしまいました。コロンビアもどちらかというと、とらえどころのないような感じで、点を取られた後、日本は交代で選手を次々と入れましたが、知らず知らずの間に時間が過ぎて、追いつくこともできなかったという感じでしょうか。選手にとってはにおもしろくない試合でしたが、これも経験と考えるべきでしょう。

 ――コロンビアが面目を保った試合になりました

賀川:南米勢が来て試合をしてくれるというのは、あまりないことですが、事前にどれだけの予習をしていたか…ということも少々感じました。相手の予備知識を入れることによって、試合中にいろいろ思いついて修正できることもあるでしょう。たくさんのお客さんが応援にきてくれたわけですから。チームも選手個人も事前の準備がどれだけできていたか、この試合を見ているとわかりにくかった。点を取らないと勝てないわけですから、どうやって点を取るのかということが相談しておかないと損ですよね。代表チームとして集まって活動する機会は多いわけではない。W杯予選まで時間はあるようで、あまりないんですから。

――開始3分で相手のカウンターを浴び、危ういシーンがありましたが、日本は南野、堂安、中島がどんどんゴールを狙っていきました

賀川:ペナルティーエリアの外からのシュートが何本かありました。遠目のシュートが一発で入らなくてもGKの姿勢を崩して、こぼれ球を詰めて点を取るといった約束事があればよかった。それぞれ思い切ったシュートでしたが、枠に飛ばず、ボールが少々おじきしているようものもありました。ロシアW杯をみても、世界各国代表クラスのGKは腕を上げているので、ロングシュート一発では簡単に入りにくくなっている。その後、どう飛び込んでいくかというところまで、考えないといけないでしょう。前半から右サイドの室屋を起点にクロスを入れるシーンを何回かつくりましたが、相手の中央の守りが強固でなかなか合わせることができなかった。ボールを保持して攻めているけども、有効的な崩しの形を作れず、遠目から打っていくしかなかったという見方もできます。

――賀川さんがいつも気にかけておられる香川真司は途中出場でした

賀川:伸び盛りの若手が多くいる中、これから代表チームとして、真司をどういうふうに使っていくかということを、森保監督は考えることになるでしょう。彼は中盤でもっとボールを渡していろいろやらせてみれば、確実に多くのチャンスをつくる選手です。その一方でゴール前に飛び込むタイミングがずば抜けてうまく、誰よりも速く大事なところにいる選手でもあります。その長所を周りに理解させないといけないでしょうね。一度ボールを持って、いったん誰かに渡してからゴール前に入っていく、周りに目を引きつけて、隠れ忍者のように入ってくる。そうなると誰がボールを出すねんということにもなります。中島も使いたいでしょうが、同じようなタイプの選手になるので、チャンスメークか、ゴールゲッターか、彼に求める役割をある程度決めなければいけないでしょう。3月26日のボリビア戦は彼の出身地の神戸ノエビアスタジアムであります。私も取材にいきますので、先発でプレーするところをみたいですね。

固定リンク


« 2018年11月 | トップページ | 2019年6月 »