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2017年10月10日 日本代表 対 ウクライナ代表

2018/03/29(木)

8/3/27(火)ベルギー/リエージュ
日本代表 1-2(1-1) ウクライナ代表

――23日のマリ戦から前線のメンバーを入れ替えて臨みました。マリと同様、ウクライナはロシアW杯に出ないチームですが、非常に強かった

賀川:日本が1964年の東京オリンピックを目指して強化をしている時期に、いつも相手をしてくれたのが、旧ソビエト連邦内にある代表クラスのチームでした。胸を貸してくれて、準備のためにいい対戦相手になった。ウクライナは昔からサッカーが盛んで強い地域でした。ソ連のチームは個人技がしっかりとしていて、動きの量も多い。南米のようにうまいけど、ちょいちょい手抜きがあったり、すきがあったりすることはありません。日本のように運動量が多いし、ピッチを走り回る力もある。真面目にサッカーをやるから日本としては特長を出しにくい。同じようなタイプで、しかも個人個人に力があったので、相性という意味ではいい相手ではなかった。日本よりちょっとずつうまくて強いわけだから。50年後にウクライナとやってみても、同じような感じがありましたね。

――ウクライナはカウンターが非常にうまかった

賀川:非常にオーソドックスな速攻を見せていましたね。日本から見て右サイドは非常に苦労していました。マークをちょっと離しすぎていた感がありました。

――攻撃ではなかなかチャンスをつくれなかった

賀川::日本も攻める場面はありましたが、アジア予選で戦っているのとは違って、攻め込む回数が少なかった。本田が今の日本では一番安定してボールをキープできて、攻撃の芯になったり、きっかけになったりする選手ですが、本田といえども、楽に試合ができない。ウクライナから見て、左サイドの選手はドリブルもうまくて、やられそうな場面がありましたね。欧州の平均的な国とやれば、日本がキープして攻める回数が減るのはある意味当然で、そのためには本番に備えてチャンスの数が多くなくても、それをものにする、点を取っていくことが出来ないといけません。そういう意味ではいい教訓になったと思います。

――本田は6カ月ぶりのスタメンでした

賀川::本田はいつも自分のところにくっついてくる相手を横を置きながらプレーをしていた。日本はほとんどノーマークのシュートの場面はなかなかつくれなかった。本田と香川が同時にピッチいれば、もうちょっと違う展開になっていたかもしれませんが。香川はこのタイミングで呼んでいないということは本番では使わないということでしょうか。

――本田はやはり代表メンバーに入れておいた方がいいですか

賀川::どこのポジションで出ても、ゲームを作れる選手ですから。攻撃のためのボールをひとつ持てる選手ですし、代表メンバーにいないとなれば、ちょっとしんどいでしょうね。本田という選手は周りをみながらボールをキープすることができます。彼のプレーを周りが利用しないともったいないような気がします。彼がボールに触ったときに周りが受けやすい位置にいくとか、ダイレクトでシュートを狙って、本田からのパスをもらえる位置を取るとか、やれることはもっとあると思います。そういう攻撃の形がそろそろできあがっていないといけないのですが、ハリルホジッチ監督はこの試合を経て、直前の合宿でメンバーを絞るつもりなのでしょうね。誰が攻撃の中心になるのか、リーダーなのか、見えてきませんでした。

――他に気になる点は

賀川::吉田麻也がけがで出ていない。後ろを安定させ、前方への指示などを余裕を持って出来る大ベテランが抜けているのはちょっと痛い。彼が間に合うのか、間に合わないのかで、大きく違ってくるでしょう。前の試合でよかった宇佐美をもう少し長い時間見てみたかった気がします。選手の力量、特徴は全部、監督が頭の中に入っているのでしょうが、もう1試合、ガーナ戦(5月30日)をやって、最終メンバーを組み合わせるんだと思います。

――欧州シリーズは1分け1敗でした

賀川::1対1で相手が互角かそれ以上だから、どんどんチャンスをつくれるという形にはなかなかなりません。こういう相手とやって、ぎりぎりの競り合いの中からボールをつないで、どこかで逆をとって、シュートチャンスをつくる、あるいは裏に走り込んでという形がないといかんのですが、ウクライナ戦ではペナルティーエリアの根っこまで攻め込んでいく形が少なかった。どんなに劣勢の試合でも1試合のうち3回か4回のチャンスは訪れます。そこで2点、3点と取っていかないと、なかなか世界では勝てない。ウクライナの寄せが早かったのかもしれませんが、ペナルティーエリアの外から思い切ってシュートを打っていたのは前半17分の植田ぐらいでした。それぐらいの気構えを見せないと突破口を見つけるのは難しい。

――自分たちよりも格が上の相手と対戦するときは、ミドルシュート、ロングシュートが局面打開のカギになる

賀川::ウクライナとの試合では決定的なチャンスはほとんどなかったですね。相手の引きが速いというのもありますが、引いているDFラインの前でボールを回しても、相手はさあ来いと待っているわけですから。引かれても、突っかけていきたい。理想は、引き始める前、相手が後ろ向いているときに突っかけていくこと。ウクライナの2点目がそうでした。

――マリ戦でゴールを挙げ、ウクライナ戦で後半途中出場した中島は思いきったシュートを打ちました

賀川::若い選手はシュートのタイミングが速い。小林悠の落としから中島が放った最初のシュートは前に相手がいても、打っていった。彼のようにゴールが見えたら打っていかないと損ですよ。そうすれば、何かが起こるかもしれない。相手に当たって、方向が変わるかもしれない。パンと軽く蹴るから、何も起こらない。しっかりと足首を固定して、甲にボールを乗せてガンと叩けば、強い球がいきます。GKには専門のコーチがいて、専門の練習を常にしている。それに比べて、FWはどこまで専門的な練習やシュートの数をこなしているのでしょうか。何かあったら、いつでも点を取ったるぞという気構えがある選手は、見ている方も面白いものです。日本に限らずですが、相手の裏に入り込みながら、シュートを打たないで、パスするようなシーンをよくみます。あそこまでいったら何でもいいから、エイと蹴ってほしい。蹴るところがなかったら、そのへんにいる相手の体に向かって蹴ってもいい。相手に当たって方向が変わって入るかもしれない。
――思い切りが必要

賀川::サッカーの戦術、戦略は緻密に練るものですが、攻撃で、特に得点を奪う場面はおおざっぱにやるぐらいでちょうどいいものです。釜本邦茂のようにゴールに向かって蹴ることを生き甲斐に感じている選手がいれば、得点は増えるものです。

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