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2017年10月

2017年10月10日 日本代表 対 ハイチ代表

2017/10/13(金)

2017/10/10(火) 19:30 神奈川/日産スタジアム
日本代表 3-3(1-2) ハイチ代表

――杉本、倉田、小林祐希、浅野、乾、昌子、酒井高、遠藤、東口が先発し、6日のニュージーランド戦からスタメンが9人入れ替わりました

賀川:ハイチはFIFAランク48位で日本(同40位)よりも少し下のチームでしたが、力はありました。ロシアW杯予選ですでに敗退している国といっても、やはりいつも出ている手慣れたベストに近いメンバーが最初から出ないと優勢に戦えないというのが、今の日本の力ということかもしれません。ハリルホジッチ監督は本番を見据えて、すでに16人ほどメンバーを選んでいるでしょう。それ以外のメンバーを選ぶために、入れ替わり立ち替わり選手を出しましたが、このクラスを相手にやれるかといえば、そうではなかった。それが国際試合というもの。監督は少々点は取られてもいいから、どの選手がどれぐらいできるか、見たかったんじゃないでしょうか。

――前半は倉田、杉本がゴールを決めました。倉田の先制点は賀川さんが常々攻撃の原則とおっしゃるサイド攻撃から。Jリーグで得点ランク2位(16得点)と結果を出している杉本はうれしい代表初ゴールでした

賀川:左サイドの深い位置からの長友のクロスを倉田がニアサイドで合わせました。あれだけ深い位置まで攻め込むと、相手のゴール前に隙が生まれます。クロスというものはニアサイドかGKを越して逆サイドに蹴るか、どちらに上げた方が得点になりやすいかの判断が大切になります。長友、倉田の息が合った先制点でした。杉本は自ら中央に攻め込んだ後、倉田に横パスを出した。その倉田の1対1のシュートがこぼれてきて、左足で押し込みました。ジャストミートしなかったので、少々不格好に見えたかもしれませんが、シュートはゴールの枠内にきちんと入りましたね。杉本はどこかで隙を作って、1対1で自分が優位な場面を作って、シュートまで持ち込むシーンを作り出せたら、得点以上の自信になったでしょう。相手の嫌がるところに入っていけるか。そういう気概があるか、ないかというところはFWにとって大切なことです。

――日本が2-0とリードしながら、ハイチが反撃に出て、一時は2-3になりました。サッカーでは2-0は安全圏ではない、まだまだ危ない点差だとよく聞きます。相手が1点取ると、あと1点で同点だと勢いづき、そのまま逆転されることもある

賀川:勝つためには3点差にしないといけないということはよくいわれますが、1-0であっても、2-0であっても、強い国、チームはそのまま勝ち切る力があるものですよ。日本の場合はそこまで守備の力があるとは言い切れない。だから2点目、そして3点目を取らないと危なっかしい試合になってしまうこともある。Jリーグでディフェンスの選手が1対1で粘る力をつけていかないといけませんね。

――ハイチは攻撃力があった

賀川:体も強いし、何よりスピードがありました。足の速い浅野が仕掛けても、振り切れませんでした。1点目は右サイドからのカウンターを受け、中央の対応が遅れたところに、クロスが入り、簡単にやられてしまった。同点の2点目は予想外のFKのリスタートに選手が反応できず、これもサイドから決められました。一時勝ち越された3点目はペナルティーエリア左の外から昌子の寄せが甘いところを思い切って、右足を振り抜かれました。しっかりとコースを狙ったキックでした。相手のプレッシャーがあまりなかったので、決めた選手からすれば、プレースキックのようだったかもしれません。3点はちょっと取られすぎですね。

――小林祐希はたくさんボールを触っていましたが、いかがでしたか

賀川:よくやっていたと思います。ボールを拾ってから出すのがうまい選手ですね。ただ、相手の攻撃のボールを奪ってから展開したいときに、キープを第一に考えていたんでしょうか、安全にボールを運ぶときがありました。自陣のハーフラインの手前で横パスを受けてから、思い切ったタテパスを出せれば、早い攻撃がもっと増えたでしょう。相手のペナルティーエリアに近いところまでつないでいって、少々詰まっているところへのパスが多かった印象もあります。その付近でボールを持ったときは、パスの構えと同時にシュートの態勢も作って入っていってほしい。そうした方が相手は怖い。力のある選手だから、今よりも早くシュートの仕掛けに入ることはできると思います。

――香川が途中出場して、終了間際に酒井高のシュートのコースを変えて、同点ゴール。後半25分過ぎからは攻撃の主導権を握って、細かくパスをつないで攻めました

賀川:あれだけ味方と相手が狭いエリアに密集していると、どんな名選手でもこじ開けていくのは難しいでしょう。日本はパスを細かくつないで、ディフェンスラインの裏を狙っていましたが、強引にでもシュートを打ちにいって、誰かが前でつぶれた後に、チャンスを見出すやり方の方が、現実的かもしれません。日本の攻撃には香川はやはり必要でしょう。彼がプレーメーカーになるのか、ゴール前で決める選手にならないといけないのか。これからも注目していきます。

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2017年10月6日 日本代表 対 ニュージーランド代表

2017/10/08(日)

キリンチャレンジカップ2017

2017/10/6(金) 19:20 愛知/豊田スタジアム
日本代表 2-1(0-0) ニュージーランド代表

――来年のロシアW杯本番を見据え、メンバー選考スタートの試合。立ち上がりから、日本が攻勢に出たので、何点取るかと思っていましたが、前半は0―0で折り返しました

賀川:これまでのW杯アジア予選でもそうでしたが、ボールのキープ率が高くても、必ずしもたくさん得点を取れるというものではない…というのが日本というチーム。前半はもう少し、両サイドに広がって攻めた方がよかったですね。サイドからの攻撃がなかったわけではないのですが、現実的にはペナルティーエリアの幅の間でサッカーをしていました。横から攻めて、相手のゴール前に隙間を作った方が点になりやすいのは、サッカーの原則。もちろん選手も分かっているのでしょうが、しばらく代表チームとして活動しないと、思いだすまで少々時間がかかりますね。

――サイド攻撃の有効性は普遍的なものですね

賀川:サイドでボールを持ったとき、中に入っていった方がボールを持ちやすいんです。でも、そうすれば、中へ中に入ってしまって、人が密集しているペナルティーエリアに近い場所から攻めることになります。混雑しているところをこじ開けるのは、どんな相手であっても難しい。この試合では前半からボールを支配できたため、まっすぐ相手のゴールに向かっていってしまいましたね。自分たちの攻撃に必要な幅というものを常に頭に入れてプレーできれば、得点のチャンスは増えるでしょう。

――前半8分、いつも気にかけておられる香川の惜しいシュートがありました

賀川:後方からの高いボールにまず大迫が競りました。落下地点に飛び込んだ武藤がつぶれて、ボールが香川の前にこぼれてきた。判断よく、右に切り返して、DFを交わして右足でシュートを打ちましたが、ポストに当たりました。香川はトップ下での出場でしたが、前にいく機会を減らして、もっと後ろでプレーした方がいいかもしれません。本当に膝を打ちたくなるようなパスを後方から出すのがうまい選手。彼がゴール前で得点に絡むよりも、後ろから決定的なパスを出す回数を増やす方が、ゴールにつながる可能性が高まるような気がします。

――先制点は大迫のPKでした

賀川:先制点はPKでしたが、得点がPKだから攻撃はダメだというものではありません。山口のミドルシュートを相手が手と胸で挟んで止めました。止めざるを得なかったので、ハンドになった。あれだけ攻め込んでいれば、どこかでそういう瞬間が出てくるものです。
――大迫は落ち着いていました

賀川:完全にGKの逆をついて、しかもポストに近いぎりぎりのところに決めた。PKは決めて当たり前と思われがちですが、簡単なものではありません。お手本になるシュートでした。

――常々サイド攻撃の重要性を唱える賀川さんの言葉が届いたのか、後半42分、左のサイド攻撃から倉田が決勝ゴールを決めました

賀川:乾というボールを持てる選手が後半途中から入って、落ち着きました。左サイドのぎりぎりまで開いた後、ドリブルでタテに進むから、おのずと幅が広がります。左からの乾のクロスをゴール右にいた酒井宏が折り返して、倉田が大事に頭で押し込みました。あれだけゴール前で左右に振って、ボールがつながってくると隙間ができます。足でなく最初から頭で押し込もうとした倉田の判断は正解でした。足でいくと浮かしてしまう可能性がある。一瞬でも判断が遅れるとおでこでなく、頭頂部にボールを当てて浮かしてしまったかもしれません。

――倉田は代表初ゴール。中盤の争いが激しくなりそうです

賀川:後ろの方のメンバーはだいたい見えてきましたが、前線と中盤にはいい選手がたくさんいます。ハリルホジッチ監督がどういう組み合わせを考えているのか、気になります。来年6月の本番まで、まだ時間はありますが、このコンビならこういうプレーができる…という形がまだ見えてきません。まだ時間はあるので、一番いい組み合わせを探し続けるのでしょうが、監督の頭の中にはイメージはあるはずです。いつごろ固定するのか、注目していきたいですね。

――来月大陸間プレーオフで南米5位とW杯出場権をホーム&アウェー方式で争うニュージーランドは非常にモチベーションが高く、後半は猛攻を仕掛けてきました

賀川:今回のキリンチャレンジ杯にニュージーランドが来てもらえたことは、代表チームにとっても非常によかったですね。点を取られても、ひとつひとつのプレーをしっかりやってくれた。特に先制された後は、雨が強まったこともあり、どんどん長いボールを蹴って攻め込んでくるキックアンドラッシュという戦法できました。日本が苦手にする戦い方です。8月31日のW杯最終予選で対戦したオーストラリアはポゼッションを重視する戦術を最後まで貫きましたが、フィジカルで劣る日本としては単純に蹴ってこられる方がつらい。この戦い方でこられたら、簡単な試合にはならなかったでしょう。ニュージーランドが最後まであきらめず戦ってくれたことで、日本は最後まで気が抜けない試合になりました。

――ニュージーランドではラグビーはオールブラックス、サッカーはオールホワイツと呼ぶそうです

賀川:ニュージーランドはオーストラリアと一緒でラグビーが国技。大柄で子供のころから、走ったり、ボールを奪い合って体をぶつけることには慣れている。そのラグビー王国でもサッカーは盛んで、6大会連続でW杯に出場する日本を相手にこれぐらいやれるということがわかりました。改めて世界の進歩を感じましたね。10日に対戦するハイチもどんなサッカーをしてくるか、楽しみです。

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