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2016年6月29日 U-23.日本代表 対 U-23南アフリカ代表

2016/07/08(金)

キリンチャレンジカップ2016
2016年6月29日 長野/松本平広域公園総合球技場
U-23.日本代表 4(3-1、1-0)1 U-23南アフリカ代表

――相手がオリンピック予選を突破して本番に出場するチームということで、注目されましたが、日本が4-1で勝ちました。

賀川:会場に集まった人も、テレビで観戦した人も、日本のゴールのたびに声を上げたことでしょう。スピーディーな試合展開でしたね。前半にPKで1点を失ったが、3ゴールを奪って前半のうちに逆転しました。後半には1ゴールを加え、南アフリカの攻撃を防いで、結局4-1という大差になりました。相手は遠征でアウェイのハンデのあることは頭にいれておくべきでしょうが…。

――PKは日本のハンドの反則ということでした

賀川:前半28分に相手のDFからのロングボールをDFの亀川が胸でトラップした時に、ボールが右腕に触れて落下した。

――ちょっと亀川には気の毒な感じもありました

賀川:レフェリーがハンドを認めてPKになってしまった。こういうことも、本番前に経験したのはわるくない。

――GKの櫛引がどうするか見ていたら、シューターが蹴る前に動きましたね。シュートそのものは守備範囲、というより動かないでいたら正面にきたはずでした

賀川:ゴールキーパーにとって、試合中のPKを経験したのも、私はプラスになったと思います。

――37分に日本が同点にしました

賀川:35分に攻め込んで防がれた後、ハーフウェイラインからの攻めだった。

――今度も右からでした

賀川:足下へのパスを戻りながら受けた浅野が相手のDFとつぶれる形になり、そのボールが中央へ流れたのを矢島がとって、すぐ右を走り上がった大島にパスした。

――大島は一気に相手DFラインの裏へ出てボールをとり、10メートルほどドリブルしてペナルティエリア内に入り、出てきたGKを前にして、左へパスをした。このパスを受けた中島が、誰もいないゴールへ流し込みました。

賀川:この1点で勢いづいた日本が、この後、前半のうちに2点を決める。

――南アフリカも、点を取ろうと攻めに出るので、互いに攻め合う形になり、それだけにチャンスも増えたのだが、うまい攻撃からのゴールだった。

賀川:2点目は左サイドでのパス交換から長いパスを右へ送り、そこから矢島が右外を駆け上がる室屋にパス。室屋がタテにドリブルして内へパスを送ったのを矢島がダイレクトシュートで決めた。

――3点目はゴールキーパーの櫛引のキックから、相手DFが処理した後のパスを浅野が奪って、ペナルティエリア内でキープし、エリア内右寄りから中央へクロスを送り、中島がヘディングで決めた。

賀川:相手のCDFのヘディングが左DFにわたり、中央へリターンされたのを浅野が奪ってからの攻撃でした。

――前からのプレッシングの効果のひとつでしたね。3-1になりました。

賀川:この試合を見ながら私は、ロンドン五輪の代表を思い出しました。永井という足の速いFWを先頭に、前からのプレスで相手を圧迫した第一戦の対スペイン戦の勝利で、一気にチームの調子が上がったのでした。

――後半早々に、4点目が生まれました。

賀川:自陣からの植田の長いパスを相手DFが止め損ねたのを浅野が奪って、ドリブルして決めました。相手のミスという幸運もあったが、こういう「運」をつかむこともチームとしての実力ですからね。

――ゴールを奪えるチームになったとみてよいでしょうか

賀川:後半はこの1点だけだったが、多くの惜しいチャンスもありました。浅野は後半の14分に豊川と交代したが、この日の動きで、自分自身にも、チームの仲間にもこの代表の中心はストライカーになりえることを見せてくれたと言えます。

――南アフリカはゴールを奪い返そうと、後半もよく攻めました。日本にはラッキーな面もあったが、3点の点差で士気は高く、追加点を許さなかった。

賀川:手倉森監督がつくったU-23代表は、これで国内の試合を終えて、代表メンバーでの最後の合宿に入り、リオに向かいます。すでにオーバーエイジ枠のメンバーも決まっていて、次は本番用のチームを組むことになります。

――ここまでオリンピック代表の試合を見てきて、どういう評価になるのでしょうか

賀川:日本代表の伝統的な強さは、豊富な運動量と組織力ですが、サッカーの基礎である一人一人の戦いでもレベルは上がっていると見ました。サッカーはチームスポーツで、どのポジションの選手も大切ですが、オリンピックのような大会で勝ち上がってゆくためには、ゴールを奪う力がなくてはなりません。そのために浅野というストライカーが台頭してきたことはとてもよいことだと思っています。

――日本サッカーの男子のオリンピック唯一のメダルは1968年メキシコでの銅メダルでしたが、その時には大会の得点王になった釜本邦茂さんがいました

賀川:浅野という速さを基調とするストライカーの成長は、日本にとっての大きな力になるでしょう。体格や技術の上で、浅野を68年の釜本といえるかどうかは別として、持ち前のスピードと、ここ1年間の伸びを見ると、大きな期待をかけたくなります。

――チーム全体としてのレベルは

賀川:技術はしっかりしていますから、残り1か月でチームワークが高まれば、と期待しています。日本のサッカーは、選手のレベルの高さだけでなく、JFA全体の技術指導などの面でも、アジア諸国のなかで評価されています。そうした、日本サッカー全体の力を今度のブラジルでのオリンピックで見せてほしいと願っています。

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