2016年6月7日 日本代表 対ボスニア・ヘルツェゴビナ代表(上)
キリンカップ2016
2016年6月7日 大阪/市立吹田サッカースタジアム
日本代表 1(1-1、0-1)2 ボスニア・ヘルツェゴビナ代表
――6月7日、大阪の市立吹田スタジアムでキリンカップ2016の3位決定戦と、決勝が行われ、3位決定戦でデンマークが4-0でブルガリアを破ったあと、決勝は大接戦の末、ボスニア・ヘルツェゴビナが2-1で日本を倒しました。1978年に日本で初めての本格的国際サッカー大会「ジャパンカップ」として創設されたこの大会は、5年ぶりに復活し、4か国の代表チームによるノックアウト方式によって優勝を争う新しい大会(トーナメント)となりました
賀川:4か国トーナメントのノックアウト方式だから、1回戦がいきなり準決勝になる。6月3日愛知の豊田スタジアムでまずボスニア・ヘルツェゴビナ(以下ボスニア)がデンマークにPK戦で勝利し、第2試合で日本代表が7-2でブルガリアに大勝した。日本代表の大量ゴールに、サムライブルーへの期待が大きく膨らんだのは言うまでもない。
――吹田での6月7日の試合は雨のなかだったが、35589人の観客がつめかけた。関西で神戸に次いで生まれた濡れないで観戦できるスタジアムですからね
賀川:ガンバのホームグラウンドが、ナショナルチームのホームにもなった歴史に残る日でもあった。
――3位決定戦ではデンマークが勝ちました
賀川:ブルガリアもがんばったが、力の差はあった。
――デンマークのGKシュマイケルはいかがでしたか
賀川:カスパー・シュマイケルの父親が1992年のEURO(欧州選手権)でデンマークが優勝したときのGKピーター・シュマイケルです。親子2代のデンマーク代表ゴールキーパーをナマの試合で見ることができてとてもうれしかった。父親とよく似た体つきで、大きくて、ガッシリして、ゴールキーパーというポジションでヨーロッパ勢は恵まれているという感じだった。92年のピーター・シュマイケルはデンマークの選手たちがうちには世界一のGKがいると自慢していたほど、オランダやドイツを相手に堅い守りを見せて、優勝に貢献したのを覚えています。
――まあ親子2代の活躍をナマで見せてもらえたのも、キリンカップのおかげですね
賀川:92年EUROでスウェーデンまで出かけたのは、1936年のベルリン五輪で日本がスウェーデンに勝った、その時のスウェーデンでの反響を確かめたかったこともあった。
――そのことが、「ベルリンの奇跡」(竹之内響介著)というドキュメントの監修をすることにつながりましたね。キリンカップにはたくさんの思い出がありますが、古い話はこれくらいで、試合にゆきましょう
賀川:残念な決勝でした。第1戦は本田圭佑を欠いても大勝した。第2戦は香川真司(第1戦で負傷)も欠いての試合で、本田と香川のいないこの代表には少し荷が重かったという感じだった。
――ボスニアはかつてのユーゴスラビアの一部で、ユーゴの選手は東欧のブラジルと言われたほどボールテクニックが巧みでした。今度のボスニアもそうでしたね
賀川:テレビをご覧になった多くのサッカーファンはご存知でしょう。まずどの選手もボールを持った時の形(姿勢)がいい。相当な長身でも、いい姿勢でボールを扱えるのにまず関心しました。
――日本代表は前半はその相手にジリジリと圧迫されたが、26分に先制ゴールを決めました
賀川:宇佐美が左から斜め内側へドリブルし、ペナルティエリア内に入って内側にパス。そこにいた清武が左足でダイレクトシュートを決めた。宇佐美をマークしたDFは間合いを取って並走するだけでつぶしにくることはなかった。ドリブルの途中で宇佐美が「一呼吸」遅らせた時には、「うまくなったな」と思いましたね。パスのタイミングもギリギリで、宇佐美のよさが一杯つまったゴールでしょう。
――1-0になって、チームもスタンドも喜んだが、すぐそのあとには同点にされました。それも、相手のキックオフで試合が再開してすぐのことだった。ボールを後方へまわし、最終ラインの右サイドからボスニアはロングボールを蹴ってきた。ボールは高く上がって、日本のペナルティエリアの10メートル手前に落下し、吉田麻也がホジッチと競り合いながらヘディングした。そのボールを長身のジュリッチが拾って、エリア外12メートルから丁寧にバックパス、このボールを受けたブランチッチが左足で右前方へ高いクロスを送った。ボールエリア中央右寄り手前に落ちてくるボールをホジッチがヘッドし、ボールがGK西川周作にあたってリバウンドしたのを後方からやってきたジュリッチが右足で右下に蹴り込んだ。
最初のロングボールのヘディングを拾われ、次の高いクロスのときに、最初に吉田と競ったホジッチが右ポストよりに動いたのに誰もマークにゆけなかった。
――シンプルな斜め後方からのクロスに相手の動きが先手をとっていた。
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