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2015年3月27日 日本代表 対チュニジア代表

2015/04/01(水)

キリンチャレンジカップ2015
3月27日 大分
日本代表 2(0-0、2-0)0 チュニジア

――キリンチャレンジカップを27日大分で取材観戦したあと、いつものようにこのブログへのレポート掲載を催促したら、今度は第2戦とあわせて眺めてみたい、という話でした

賀川:昔から点が2つになると、2点を結ぶことで線ができる、そこで方向が見える――と言います。新しいハリルホジッチ監督が何を提唱し、どういうスタイルのチーム作りをはじめるのかと見るのにも1試合より2試合でと考えたのです。

それで、一口に言うと、キリンチャレンジカップ、つまり対チュニジア戦で申し合わせ試合規定の交代6人枠をすべて使いました。第2戦でも同様でピッチに立った時間は選手によってそれぞれ違ったが、招集した全選手を自分の目で確かめると言っていた監督の方針通りでした。

――フィールドプレイヤーは全員試合に出場しました。ゴールキーパー4人のうち2人がプレーしました。権田と川島でした。東口順昭と西川周作は試合に出ませんでした。対チュニジアのスターティングラインアップはGK権田修一、DFの右サイドの酒井宏樹、左が藤春廣輝、CDF(セントラルディフェンダー)は吉田麻也と槙野智章、MFが長谷部誠、清武弘嗣、山口蛍、FWが永井謙佑、川又堅碁、武藤嘉紀でした

賀川:日本代表の攻撃といえば本田圭佑、香川真司、岡崎慎司が欠かせないことになっていたのだが、ハリルホジッチ監督は、あえて先発メンバーから外したでしょう。

――少し驚きましたが

賀川:第2戦の先発メンバーと、後半に交代した6人の合計17人。第1戦の17人の交代の手順などを見てもチームとして試合をして行く上での、それぞれ組み合わせもよく考えてあるように見えました。そして何より、監督が掲げる縦へのテンポの良いパス攻撃や選手ひとりひとりの運動量、動きの早さなどがチーム全体に浸透し始めているように見えました
――別に目新しいことでもないことを監督さんが言っているようにも見えます。

賀川:1930年ごろに日本代表が身につけた日本のサッカー。それは外国選手には体の大きさや骨組みの強さでは劣るところもあるが、「敏捷さ」と技術を生かして対抗しよう、短いパスをつなぎスルーパスを背後に送り込んでチャンスをつくり決める。そのためには相手以上に走る、ということでした。

――ブログでも言い、書き物にもよく書きましたね

賀川:ここしばらくの日本代表はボールテクニックの向上とともにチームでボールを保持する「ボールポゼッション」を重視するようになった。それは悪くはないのだが、ゴールを奪うためには、速攻――相手の守りが手薄なときには手数(てかず)をかけないで攻め込むことも大切なのだが、ここしばらくそういうプレーは遠のいていた。

――ユーゴスラビアの選手で、ヨーロッパやアフリカのチームを指導して国際的にも知られた監督に来てもらって日本式のサッカーに戻るとは…

賀川:監督さんも、日本の多くのコーチも、昔の先輩たちがそのようなサッカーをしていたとは知らないのでしょう。しかし、国際的な視点からみれば、自ずから日本代表のやり方は決まってきます。

――賀川さんはサッカーはいろいろなプレーの組み合わせが面白いと言っています

賀川:ハリルホジッチ監督の目標はアジア予選を突破して、2018年ロシアでのワールドカップでいい成績、少なくとも1次リーグを突破して、ノックアウトシステムのステージへ進むことになります。時間的に言えば、3年しかありません。

――うーん、高校生のチームを作るようなものですね

賀川:まずアジア予選までの短い間にチームの考えをひとつにすること、そして予選を戦いつつ、チームの熟成を図っていかなければなりません。

――だから

賀川:今回は、まず2試合にフィールドプレイヤーとして自分が選んだ選手を全員ピッチに送り込みました。

――その結果が、チュニジア戦の2-0、ウズベキスタン戦での5-1という勝ち試合になった。日本よりFIFAランキングの上のチュニジアから点を取ったこと、また第2戦では大量5点を取ったのでサポーターが大喜びです。ただし、チュニジアの2点も後半、ウズベキスタン戦も4点が後半でした。

賀川:遠くからやってくるアウェイチームにとって、後半に動きが鈍るのはよくあること。相手にも6人交代のルールはあってもホーム有利は当然です。ただし新しい監督がハリルホジッチ流の厳しさを打ち出し、選手に前への指向、早い動き、運動量を要求し、それに選手たちが応えようとしたことは見ていて良かった。

――個人的には

賀川:岡崎慎司が相変わらず意欲満々でゴールを狙う姿勢を続けていて、さらに進化していることを示してくれたこと。チュニジア戦の後半の1点はジャンプヘディングでもいいボールであったが、相手のDFがまともに向かってくるジャンプをしてきている中でしっかりヘディングゴールを決めています。

私にとってはガンバの宇佐美貴史がチュニジア戦でも後半に投入されて、本田や香川、岡崎たちのなかでパス交換やボールキープなどを正確にこなしていたこと、香川にスルーパスを要求して出してもらい、ノーマークシュートをして決まらなかったが、第2戦はゴール前の密集で大迫からのパスを受けてドリブルで抜け出してシュートを決めました。第1戦のシュートのボールが弱かったのに気付いたのでしょう。しっかり叩いていましたからね。

――彼には代表初ゴールですね

賀川:もともとボールタッチという点では少年期から有名だったが、それがいま体もしっかりしてJのレギュラーから代表で仕事できるまでになっているのです。もちろんまだ不満もありますが…彼の成長ぶりが見られただけでも、今度のキリンチャレンジカップを含む強化シリーズはとてもうれしいものでした。

――柴崎も第2戦でいいプレーを見せました

賀川:柴崎のクレバーさにはいつも膝を打つ思いがします。あのGKの上を抜く40メートルのシュートは大したものですが、それを追ってゴール下まで走り、相手にカバーリングさせなかった岡崎には拍手をしましたよ。

――若い選手には一応及第点?

賀川:もちろんアウェー条件下の相手(こちらが走って疲れさせた事情も加わって)の状態もあって、手放しで喜べないけれど昔からの日本流を思い出したこと、いつも27人の代表のレベルかつてないレベルでそろっていること、それを新監督がハードワークによって効果を高め、さらなる進化をしてゆこうという、代表の姿勢は誠にうれしいものでした。

――体格の劣る75年前の神戸一中にいてハードワークを強調して朝鮮地方代表や2歳年長の師範学校と渡りあった賀川さんですが、つい最近も取材にこられたベテラン記者が昔の技術の話を聞く前に体力強化のことを聞かされたのには驚いたと言っていました

賀川:90歳にして新しい監督さんのおかげで古きを思い出しました。温故知新、だからサッカーは面白い。

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