« 2014年6月 | トップページ | 2014年10月 »

2014年9月

2014年9月9日 日本代表 vs ベネズエラ代表(下)

2014/09/14(日)

賀川:2-1とした後、後半25分に本田圭佑にFKのチャンスがあった。エリア外、6メートル、中央やや左よりの位置だった。相手の壁は日本側が3人入った。本田の左足シュートは壁の左外を通ってカーブし、ワンバウンドして左ポストに当たってゴール前を右へ転がり、相手DFがキックで右タッチラインへ逃げた。

――試合後の記者会見でアギーレ監督が運が悪いと残念がっていた

賀川:本田も悔しそうだった。ここしばらくFKを決めていないからね。

――その直後、もう一度本田がドリブルシュートするチャンスがあり、これがDFに当たって、このボールから相手のカウンターが始まった。本田が相手のパスを蹴り返し、これをつないでガブリエル・シチェロが走りあがって中央左より35メートルあたりから左足の強いシュート。そのボールをGK川島が腕でキャッチしようとしたが、勢いが強くてファンブル。落ちたボールはゴールのなかへ。川島は頭をかかえて座り込んだ。

ちょっと信じられないゴールキーパーのミスでしたね。正面から来た強いシュートの勢いを読めなかったのでしょうか

賀川:強くてキャッチは難しいと判断すれば、フィスティングの手もあった。実は試合前のメンバーを見ながら、国吉さんとGK川島はばかりではなく代えてみたらどうかなどと話していた。不思議なことだね。

――第1戦同様にDF陣のミスで失点という記録が残りました

賀川:日本代表の長い歴史のなかで、繰り返してきたことでもある。私は昔からこの点に関して根本的な少年期からの指導のためでもあるといつも言ってきた。今度はこの件について話し合いをしましょう。

――今回は、ともかく2ゴールの楽しさを味わいました。アギーレ監督の2試合を見た印象は

賀川:10日の会合で、原専務理事(前強化委員長)とも話したが、アギーレさんはとてもオーソドックスな考え方で、当然のことながら、サッカーについての知識は十分。自分の知識と経験とチームをつくる腕に自信を持っているという感じでした。(プロだから当たり前ですが)プレスとのやりとりもユーモアがあり、それでいて、原則を外さないからとても楽しかった。日本のメディアも彼とのやりとりで進歩してゆくのだろうと思います。
――大型というか、日本では大きい選手を指名していた傾向があります

賀川:いまや182センチは普通ですが、日本ではやはり大きい方に入るでしょう。そういう目で日本選手を選ぶのも平均して日本代表が小柄なのを知っているからです。一般的に背が低いのは仕方ないとしても、長身選手が必要なポジションもあるし、長身だったらその利点が有効なポジションもあります。

――CDFには長身が必要。ストライカーは長身なら空中戦で得をする

賀川:その通り。そういうポジションプレーから見ての招集もあってテストしたのでしょう。私たちからみれば、ここまで伸びてきたガンバの宇佐美などは当然入ってくるはずですが、監督さんから見れば同じように上手な選手なら今は数多くいて実力も見える。しかし大型は今のうちに試しておきたいと考えているのじゃないでしょうか。なにしろ日本のCDFの2人が185センチ以上だったのは、2010年の岡田監督の時だけですからね。

――3点目を取れずに勝てなかったのは残念だったが、アギーレ監督と日本代表のこれからを楽しみにしましょう。何といってもキリンチャレンジカップのような形で代表の試合を日本中が楽しめるのはとてもありがたいことですからね。

固定リンク | 日本代表(A代表) | コメント (0) | トラックバック (0)


2014年9月9日 日本代表 vs ベネズエラ代表(前)

2014/09/12(金)

――ここのところ、サッカー漬けのようですね

賀川:9日に横浜でキリンチャレンジカップを見て、10日に東京の日本サッカー協会の創立記念日の催しのひとつで日本サッカー殿堂の掲額式とパーティに参加し、11日は大阪の帝国ホテルでの釜本邦茂旭日中綬章受賞記念のパーティに顔を出しました。

――10、11日は日本サッカーの歴史に関わる日、9日は現在と未来の大切な代表の試合でしたね。キリンチャレンジカップの収穫は

賀川:武藤嘉紀選手のすばらしいゴールシーンを見ました。柴崎岳がパスの能力と視野の広さを代表の試合で披露し、ゴールも決めてくれた。とてもうれしかった。その翌日の殿堂式典で、JFA名誉総裁の高円宮妃殿下が日本サッカーの歴史に触れられたなかで、日本代表がブラジル大会の後、ゼロからの出発などという声もあるが、ザッケローニと代表の積み重ねた流れがあってのこと、ゼロからではないと語られたことにも深い感銘を受けました。

――2人の若い22歳の攻撃の選手が加わってきのも、日本サッカーの歴史の流れということでしょうか

賀川:釜本パーティで財徳健治記者と同じテーブルでした。

――東京中日新聞のベテラン記者ですね。グランパスサポーターズマガジン「月刊グラン」にも執筆しています

賀川:彼は広島出身ですが、大学は慶応なのです。

――慶応ソッカー部なら、武藤の先輩

賀川:慶応を卒業して、東京の産経新聞の試験を受けて入社し、大阪のサンケイスポーツへ来たのです。その時に私の神戸一中の先輩であり、戦後の日本代表のキャプテン(第1回アジア競技大会代表チームの監督兼選手)であった二宮洋一(第2回サッカー殿堂入り)から私に財徳がキミのところへ入ったからよろしく頼むと言ってきました。

――東京のサンスポに転勤した後、中日に移ったのですね

賀川:その間の事情は別の機会に譲るとして、私には武藤と慶応と財徳、そして二宮洋一の記憶を呼び起こしてくれる、懐かしく楽しい日々でした。

固定リンク | 日本代表(A代表) | コメント (0) | トラックバック (0)


2014年9月9日 日本代表 vs ベネズエラ代表(上)

2014/09/12(金)

キリンチャレンジカップ2014
2014年9月9日 19:20 KickOff 神奈川/横浜国際総合競技場
日本代表 2-2(前半2-2) ベネズエラ代表

――キリンチャレンジカップでの若い選手の活躍も、JFA名誉総裁の高円宮妃殿下の「ゼロからではない」につながりますね

賀川:妃殿下のお言葉にまで及ぶのはおそれ多いことだから、その手前で止めるとしても、代表での武藤を見て、私は二宮洋一以来のストライカーが慶応大学にいたのだと知りました。

――二宮さんは、賀川さんの本「90歳の昔話ではない。 古今東西サッカークロニクル」には入っていないが、賀川さんが最後のところで、日本には戦前から釜本邦茂に至るまでストライカーの系譜があった、と記しています。その中には、二宮洋一さんが入るのでしょう。そう、手島志郎、川本泰三、二宮洋一と戦前の日本代表の系譜です。二宮さんと武藤の共通点は?

賀川:二宮さんはオールラウンドのストライカー。ゲームメーカーでもあった。タイプは違うが、スピーディーなドリブルが基礎にあったのは同じです。前触れが長くなったので、試合にゆきましょう。

――前半0-0、後半に大迫勇也に代わって岡崎慎司、柿谷曜一朗に代わって、武藤嘉紀が入りました。DF、MFはそのままでした

賀川:前半はベネズエラが優勢だった。シュート数を見ても、相手は9本、CKも3本あった。日本はシュート5本、CKは0だった。日本は前半1分に本田圭佑の左足シュートがあったが、その後は相手の激しいプレッシングにトラップミスやパスミスが多く、危ないピンチも4回くらいあった。相手がもう少しシュートが上手ければ、2点くらい取れれても不思議はなかった。

――後半に2人が交代してからよくなった

賀川:いや、後半の始めも、ベネズエラの攻勢が続いた。岡崎の競り合いのうまさの効果があらわれるのは5分たってからだった。

――得点のスタートとなったのは、攻め込まれた日本が左サイドをドリブルする大柄なサロモン・ロンドンのボールを酒井高徳と水本裕貴の2人がかりで奪い、水本がエリア左角あたりから左足で前方へロングボールを送ったところからです

賀川:ハーフウェイラインを越えてきたこのボールに反応したのが岡崎。中央やや右寄り、相手側10メートル入ったところで、CDFとヘディングを競り合った。ボールは長身のシチェロがヘディングしたが、飛距離は出ないでセンターサークルの手前で落下した。それを、武藤がとってドリブルした。右に本田圭佑が走っていた。武藤はドリブルを続け、追走した相手のスライディングタックル(後方だったから成功すればトリッピングの反則になるはず)に足をとられたが、バランスを崩さずにドリブルして、直進からやや斜め左へ方向を変え、ペナルティエリアの手前で左へ移動しつつ左足でシュートした。ボールはゴール右ポスト際に飛び込んだ。

――右に本田、左に岡崎が走っていて、ボールを受けられる態勢だったが、武藤はためらうことなく自分のシュートを選びましたね

賀川:ストライカーですね。右も左も蹴れるが、深い角度のシュートができる。国際的にはストライカーの普通の技術だが、日本では比較的少ない。直進ドリブルして横へボールを動かし、深い角度をつくるのが、彼のシュートのひとつの特色ですね。立ち足をしっかり踏み込み、左足のインパクトも強くしっかり叩いたからボールに勢いがあった。

――第1戦は後半の途中から出場して、左足のボレーシュートもあった。いいシュートでしたね。彼の左足のシュートはとてもいい

賀川:右も蹴れる、いわゆる両足でシュートできる選手で、ストライカーとしてのひとつの才能ですよ。

――岡崎の話がこの得点の最初のところでありました

賀川:相手のCDFがヘディングを取るのだが、上背のない岡崎が先にジャンプし、落下するのに体を当てたためにCDFのバランスが崩れて、強いヘディングで返せなかったのですよ。ここに岡崎の空中戦の特色があります。武藤にしてはこぼれ球を拾うという感じで、トラップしてすぐドリブルに入ったことが大きかった。

――武藤は慶応大学在学中ですが、FC東京のプロとなり、今シーズンはJリーグで8得点しています

賀川:ストライカーと言っても、トップにいて相手を背にしてボールを受けるよりは、走ってボールをもらうタイプでしょう。22節の対鹿島は前半0-2から後半2得点して、2-2の引き分けになったが、1点目は彼が倒されたPK、2点目はゴール正面で仲間がつぶれたのを後方から走りあがってシュートしたものです。PKとなったのは、後方から送られた高いボールをトラップしたところをタックルで倒されたのです。別の試合のビデオでは、左サイドでボールをもらってドリブルする時に、相手のブロック(あるいはホールディング)を避けてタッチラインの外を走った場面を見て、これも二宮洋一ばりだな、と思ったことがある。これは足が速く、バランスに自信があり、大きな動き、スワーブする走りを厭わないのだなと思いましたよ。インタビューなどでも、走るという言葉がよく出てくるから心がけているのでしょう。シュートができて、ボール扱いがよくて、速く走れるのだから頼もしいFWと言えるでしょう。身長178センチは日本人としては大きい方で、世界のサッカーでは中肉中背というところだが、いい体ですよ。

――2点目はフルタイム出場した柴崎でした

賀川:青森山田高校で全国高校選手権の時から注目されていた。鹿島アントラーズに入って今年4年目。

――ここは小笠原満男というMFのいい先輩がいますね

賀川:周囲のよく見えている柴崎は、小笠原のようにいいプレーメーカーになるだろうと誰もがみていて、この試合ではヤバいという時にはファウルして相手を止めるところも小笠原流になってきたことを見せた。決定的なパスも、攻撃方向を変えるパスも、まずソツはない。身長175センチはバルサのシャビと同じぐらい。パスの上手なことはわかっていたから、この試合では自分でゴールするかどうかを見ていたら、後半の22分に決めた。

――攻撃のスタートも彼のパスからでした

賀川:柴崎のパスを武藤がヘディングで再び柴崎へ。今度は柴崎がまたパスを武藤へ。そこから左の岡崎につながって、岡崎がドリブルして、左からクロスをゴール前へ送ってきた。そのボールを柴崎が勢いよく走りこんで右足ボレーでうまく抑えてシュートを決めた。

――柴崎の能力が発揮されたゴールでした

賀川:岡崎がトップに入って、全体のボールの動きがよくなり、チームの勢いが出て奪ったこのゴールは、新しい世代のゴールという点でも代表の歴史のなかでも記念すべきもの。本田は第1戦でFKも決まらず、やや調子が落ちていただけに、武藤の突破とシュート力と柴崎のパスと決定力を見ることができたのはとてもよかった。

――その見事なゴールで奪った2ゴールを守りのミスから2失点して結局スコアは2-2となった

賀川:後半13分の失点は、1-0とした日本代表がガンガン攻めてゆこうとする時にミスパスが生まれます。

――ベネズエラのDFのクリアから日本が右サイドでキープしクロスを送った。ベネズエラのDFがサイドヘディングしてクリア。それを拾った水本がすぐ隣の細貝にパスしてしようとしたがミスキックとなって、相手のアレハンドロ・ゲラに奪われた

賀川:ゲラは細貝のタックルをかわし、ドリブルしハーフウェイラインを越え、ペナルティエリア内に侵入した時、水本が後方からタックルに入った。ボールに届かずゲラの足を蹴った形となり、PKとなったマリオ・ロンドンが決めて1-1となった。

――1-0の7分後に同点とされ、その11分後に柴崎のゴールが生まれた。

固定リンク | 日本代表(A代表) | コメント (0) | トラックバック (0)


2014年9月5日 日本代表 vs ウルグアイ代表

2014/09/07(日)

キリンチャレンジカップ2014
2014年9月5日 19:29 KickOff 北海道/札幌ドーム
日本代表 0-2(前半0-1) ウルグアイ代表

 

賀川:新しい日本代表の第1戦は、まずFWに皆川佑介(広島)、CDFに坂井達弥(鳥栖)が先発するという新しい顔の起用となった。それまでCDFのひとりだった森重真人を守備的MFの中央に持ってきたのも新しい。昨年のウルグアイ戦では、日本の背後を狙うスアレスへの後方からのパスに痛い目にあった日本代表だが、今度はそのスアレスの脅威はなく、ゲームはもっぱら互いにプレッシングをかけ合い、ボールを奪う奪われるの繰り返しになった。ただし、日本側は第3列、つまり最後のディフェンスラインから第1列への長いパスが多く、したがってミスパスも多かったのに比べ、ウルグアイは中盤で短いパスのやりとりによるキープのうまさが目立った。このあたりが同じように勤勉で、奪う積極性を掲げてワールドカップ1次リーグ突破のウルグアイと1勝もできなかった日本との差ということだろう。前半中ごろまで、それぞれヘディングシュートの決定機が1本ずつという地味な展開。こういう試合は、ミスした方が負けにつながるぞ、と見ていたら、日本のDFにミスが出て1点を奪われた。

――前半34分でした。右サイドの酒井宏樹のバックパスを坂井が止め損ない、身体から大きく離れたボールをカバニに奪われ、そこから相手のパスがつながり、カバニが決めました。

賀川:試合の流れとしては、互いに攻め合い、日本にも26分に田中順也のシュートがあった(相手に当たる)が、その後しばらくつぶし合いになっていた。
発端は、右サイド自陣のスローインを酒井宏が本田に投げ、本田が酒井宏にリターンパス。酒井宏は左足で止め、右足でバックパスをした。バックラインの中央にいた坂井はこれを左足でトラップしたのが大きくなり、そこをカバニに狙われた。

――酒井がバックパスをした時に、相手の前のプレーヤー3人が反応したように見えました

賀川:そう。前方のカバニとロデイロとディエゴ・ロランだったか、3人が酒井のバックパスの体勢を見て、取りにゆこうという気配を見せていた。ボールを受ける坂井は自分の左前から来るロランを気にして左足で止め、ボールを体の右前へ置こうとしたのだろうが、それが大きくなってコントロールできず、今度は自分の右前から詰めてくるカバニに取られてしまう。

――競り合って後方へこぼれたボールをロデイロが拾って右前のロランへ

賀川:坂井の右後方にいた吉田麻也が中央の危険地帯をカバーに来たときにはボールはロランに渡り、彼はこれを前方へ流し込む。そこにカバニが走りこんでいた。

――カバニは右へ流れて右足でシュート

賀川:シュートは遅れながらもスライディングタックルに入った細貝の足に当たり、飛び出したGK川島を越えてゴールへ。長友がクリアしようと走ったが届かなかった。

――日本のバックパスは狙われていると賀川さんはよく言っていましたが

賀川:98年のワールドカップフランス大会で、日本が初出場した時、第2戦でクロアチアに奪われたゴールも、バックパスを奪われて相手のチャンスとなり、スーケルに決められたもの。相手側は狙っていたと言っていた。初めて代表のCDFに起用された坂井にとってはいい教訓だが、もともと右サイドの酒井宏がボールを止めた時から、相手はバックパスだと読んでいたのでしょう。

――こちらの姿勢などで察知する

賀川:代表経験者はその危険をよく知っているはずなのにね。

――今後、気を付けるポイントのひとつ

賀川:試合中のバックパスの数とバックパスの次のパスの成功率を出してみるのも勉強のひとつでしょう。

――前半に日本のチャンスもあった。皆川のヘディングシュートがバーを越えたが、長身のセンターフォワードとして期待しただけに、左からのクロスをヘディングした彼に1点でも取らせたかった

賀川:皆川は大柄で、相手の守りの要であるCDFのゴディンを背にしてボールを止めることもあったし、それを食い止めるためにゴディンがファウルしたのも2度あったはず。背が高くヘディングが強いので、後方からパスを出すのにはターゲットとなる。選手育成の実績ある広島が送り出してきた大型CFといえるでしょう。

――大型と言えば、釜本さんと比較されますよ

賀川:1960~70年代、182センチのCFであった釜本邦茂は今の世界の大きさの感覚からゆけば、188センチクラスのCFということになるでしょう。当時は、ワールドカップ(74年)優勝チームのGKゼップ・マイヤーが182センチ、メキシコ五輪3位の日本代表GKが177センチだったのですから。
その釜本はヘディングがとても上手だった。

――このクロスでも、バーを越すことはない

賀川:まあヘディングに自信のある人たちは、それぞれこの皆川の唯一のチャンスのヘディングシュートをどうみるでしょうね。

――賀川さんの見解は

賀川:釜本選手にぼくが聞いた話では、こういうボールに対して上体を振りすぎると案外入らないことが多く、ジャンプしてボールをとらえるときに方向を変えるのは首をキュッと引き締めるという程度の感覚の方がビシッとボールをとらえ、いいシュートになるのだという。

――それで

賀川:その話を聞いてから、そういう形のヘディングを見ると、なるほど頭を振ったり、身体を振ったりするのが大きいと、ボールはゴールに入らない。たとえば、イタリアでヘディングが上手だったベッテガでも、右からのボールをダイビングして方向を変えて狙った時でも頭の振りがフォロースルーにまであらわれている時は角度が浅くて、ヘディングシュートは決まっていない。落下点へ入って、しっかりジャンプしたところまではよかったが、強く叩こうとして、上体を振る意識が強かったため、小さなバックスイングもあって、結局当たる瞬間のタイミングが少し遅れてボールが上へ上がったのではないだろうか。

――本人も決めなければいけないゴールと言っていました

賀川:私のように、ヘディングが上手くなかった者が言うのはおこがましいが、釜本をはじめ、多くの名選手(最近ではクリスティアーノ・ロナウドのヘディングがすばらしい)のプレーを見てきたおかげで、少年期に習った上体を振るヘディングは大人になっての実戦ではまた違っているように感じています。皆川選手はヘディングが得意なだけに、試合のひとつひとつのプレーを反省し、上達してゆくでしょう。そのためにも代表でのデビュー戦で惜しい場面で外したことは今後の進歩の大事なステップになるでしょう。

――その他にもいろいろあるが、本田のFKが3本とも不成功だったこと、またスルーパスもよくなかったこと

賀川:個々のプレーを取り上げれば、たくさんあるでしょうが、ともかく新しいスタートの第1戦で敗れたけれどウルグアイ相手に球ぎわの競り合いに(勝ったとは言えないが)負けないという気迫が見えたことは何よりです。サッカーはこれがなければただのボール遊びですからね。もちろん、飛んできたボールをピタリと止めるくらいの技術はつけておいてほしいものですが…

――後半にまたまた日本の守りにミスが出て、ゴールを追加され、0-2となった

賀川:25分のゴールですね。両者互角でボールを奪い、奪い返され、互いに攻め合っていました。20分過ぎに相手のFKがあり、高いボールを上がってきたのを川島がキャッチし、ロングボールを前へ送ったが、ウルグアイ側が取って左サイドでキープし、短い横パスをつないで右へ展開、右オープンスペースからクロスが入り、これをエリア内で酒井宏がヘディングしたボールは、内側、ゴール正面へ落下し、PKマーク近くでロデイロが走りこんでショートバウンドを右足シュート、川島が防いだが、弾いたボールは再びゴール正面にころがり、シュートを決められてしまいました。酒井宏のヘディングに続き、川島のリバウンドが正面に転がる不運ということになるのかもしれない。

――痛い失点ですが

賀川:酒井宏は前半にも右から来たクロスをヘディングでクリアするときに、内側へボールが落下したのを見て、危ないなと思った矢先だった。自分の左手から来るクロスを危なげなく処理するのは右DFにとってはポジションプレーのひとつであり、クリアの型になっているはずだが、いささかもったいないプレーだった。

――代表の試合は北海道でも満員。次の横浜でも入場券は完売しています

賀川:それだけ期待されているということでしょう。また第1戦を見ても、とても面白い。ゴールを奪えなくても、ひとつひとつに気合がこもっている、あるいは気迫が不足しているなどと、代表ひとりひとりのプレーを眺めることもまた、サッカーの面白みでしょう。

固定リンク | 日本代表(A代表) | コメント (0) | トラックバック (0)


« 2014年6月 | トップページ | 2014年10月 »