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2014年9月9日 日本代表 vs ベネズエラ代表(上)

2014/09/12(金)

キリンチャレンジカップ2014
2014年9月9日 19:20 KickOff 神奈川/横浜国際総合競技場
日本代表 2-2(前半2-2) ベネズエラ代表

――キリンチャレンジカップでの若い選手の活躍も、JFA名誉総裁の高円宮妃殿下の「ゼロからではない」につながりますね

賀川:妃殿下のお言葉にまで及ぶのはおそれ多いことだから、その手前で止めるとしても、代表での武藤を見て、私は二宮洋一以来のストライカーが慶応大学にいたのだと知りました。

――二宮さんは、賀川さんの本「90歳の昔話ではない。 古今東西サッカークロニクル」には入っていないが、賀川さんが最後のところで、日本には戦前から釜本邦茂に至るまでストライカーの系譜があった、と記しています。その中には、二宮洋一さんが入るのでしょう。そう、手島志郎、川本泰三、二宮洋一と戦前の日本代表の系譜です。二宮さんと武藤の共通点は?

賀川:二宮さんはオールラウンドのストライカー。ゲームメーカーでもあった。タイプは違うが、スピーディーなドリブルが基礎にあったのは同じです。前触れが長くなったので、試合にゆきましょう。

――前半0-0、後半に大迫勇也に代わって岡崎慎司、柿谷曜一朗に代わって、武藤嘉紀が入りました。DF、MFはそのままでした

賀川:前半はベネズエラが優勢だった。シュート数を見ても、相手は9本、CKも3本あった。日本はシュート5本、CKは0だった。日本は前半1分に本田圭佑の左足シュートがあったが、その後は相手の激しいプレッシングにトラップミスやパスミスが多く、危ないピンチも4回くらいあった。相手がもう少しシュートが上手ければ、2点くらい取れれても不思議はなかった。

――後半に2人が交代してからよくなった

賀川:いや、後半の始めも、ベネズエラの攻勢が続いた。岡崎の競り合いのうまさの効果があらわれるのは5分たってからだった。

――得点のスタートとなったのは、攻め込まれた日本が左サイドをドリブルする大柄なサロモン・ロンドンのボールを酒井高徳と水本裕貴の2人がかりで奪い、水本がエリア左角あたりから左足で前方へロングボールを送ったところからです

賀川:ハーフウェイラインを越えてきたこのボールに反応したのが岡崎。中央やや右寄り、相手側10メートル入ったところで、CDFとヘディングを競り合った。ボールは長身のシチェロがヘディングしたが、飛距離は出ないでセンターサークルの手前で落下した。それを、武藤がとってドリブルした。右に本田圭佑が走っていた。武藤はドリブルを続け、追走した相手のスライディングタックル(後方だったから成功すればトリッピングの反則になるはず)に足をとられたが、バランスを崩さずにドリブルして、直進からやや斜め左へ方向を変え、ペナルティエリアの手前で左へ移動しつつ左足でシュートした。ボールはゴール右ポスト際に飛び込んだ。

――右に本田、左に岡崎が走っていて、ボールを受けられる態勢だったが、武藤はためらうことなく自分のシュートを選びましたね

賀川:ストライカーですね。右も左も蹴れるが、深い角度のシュートができる。国際的にはストライカーの普通の技術だが、日本では比較的少ない。直進ドリブルして横へボールを動かし、深い角度をつくるのが、彼のシュートのひとつの特色ですね。立ち足をしっかり踏み込み、左足のインパクトも強くしっかり叩いたからボールに勢いがあった。

――第1戦は後半の途中から出場して、左足のボレーシュートもあった。いいシュートでしたね。彼の左足のシュートはとてもいい

賀川:右も蹴れる、いわゆる両足でシュートできる選手で、ストライカーとしてのひとつの才能ですよ。

――岡崎の話がこの得点の最初のところでありました

賀川:相手のCDFがヘディングを取るのだが、上背のない岡崎が先にジャンプし、落下するのに体を当てたためにCDFのバランスが崩れて、強いヘディングで返せなかったのですよ。ここに岡崎の空中戦の特色があります。武藤にしてはこぼれ球を拾うという感じで、トラップしてすぐドリブルに入ったことが大きかった。

――武藤は慶応大学在学中ですが、FC東京のプロとなり、今シーズンはJリーグで8得点しています

賀川:ストライカーと言っても、トップにいて相手を背にしてボールを受けるよりは、走ってボールをもらうタイプでしょう。22節の対鹿島は前半0-2から後半2得点して、2-2の引き分けになったが、1点目は彼が倒されたPK、2点目はゴール正面で仲間がつぶれたのを後方から走りあがってシュートしたものです。PKとなったのは、後方から送られた高いボールをトラップしたところをタックルで倒されたのです。別の試合のビデオでは、左サイドでボールをもらってドリブルする時に、相手のブロック(あるいはホールディング)を避けてタッチラインの外を走った場面を見て、これも二宮洋一ばりだな、と思ったことがある。これは足が速く、バランスに自信があり、大きな動き、スワーブする走りを厭わないのだなと思いましたよ。インタビューなどでも、走るという言葉がよく出てくるから心がけているのでしょう。シュートができて、ボール扱いがよくて、速く走れるのだから頼もしいFWと言えるでしょう。身長178センチは日本人としては大きい方で、世界のサッカーでは中肉中背というところだが、いい体ですよ。

――2点目はフルタイム出場した柴崎でした

賀川:青森山田高校で全国高校選手権の時から注目されていた。鹿島アントラーズに入って今年4年目。

――ここは小笠原満男というMFのいい先輩がいますね

賀川:周囲のよく見えている柴崎は、小笠原のようにいいプレーメーカーになるだろうと誰もがみていて、この試合ではヤバいという時にはファウルして相手を止めるところも小笠原流になってきたことを見せた。決定的なパスも、攻撃方向を変えるパスも、まずソツはない。身長175センチはバルサのシャビと同じぐらい。パスの上手なことはわかっていたから、この試合では自分でゴールするかどうかを見ていたら、後半の22分に決めた。

――攻撃のスタートも彼のパスからでした

賀川:柴崎のパスを武藤がヘディングで再び柴崎へ。今度は柴崎がまたパスを武藤へ。そこから左の岡崎につながって、岡崎がドリブルして、左からクロスをゴール前へ送ってきた。そのボールを柴崎が勢いよく走りこんで右足ボレーでうまく抑えてシュートを決めた。

――柴崎の能力が発揮されたゴールでした

賀川:岡崎がトップに入って、全体のボールの動きがよくなり、チームの勢いが出て奪ったこのゴールは、新しい世代のゴールという点でも代表の歴史のなかでも記念すべきもの。本田は第1戦でFKも決まらず、やや調子が落ちていただけに、武藤の突破とシュート力と柴崎のパスと決定力を見ることができたのはとてもよかった。

――その見事なゴールで奪った2ゴールを守りのミスから2失点して結局スコアは2-2となった

賀川:後半13分の失点は、1-0とした日本代表がガンガン攻めてゆこうとする時にミスパスが生まれます。

――ベネズエラのDFのクリアから日本が右サイドでキープしクロスを送った。ベネズエラのDFがサイドヘディングしてクリア。それを拾った水本がすぐ隣の細貝にパスしてしようとしたがミスキックとなって、相手のアレハンドロ・ゲラに奪われた

賀川:ゲラは細貝のタックルをかわし、ドリブルしハーフウェイラインを越え、ペナルティエリア内に侵入した時、水本が後方からタックルに入った。ボールに届かずゲラの足を蹴った形となり、PKとなったマリオ・ロンドンが決めて1-1となった。

――1-0の7分後に同点とされ、その11分後に柴崎のゴールが生まれた。

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