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2014年3月

2014年3月5日 日本代表 vs ニュージーランド代表

2014/03/14(金)

――はじめにポカポカと点を取りました

賀川:日本代表のテンポの早いパスや突進は初めて経験するチームには対応が難しい。いわば、面食らった状態になるでしょう。

――1点目は岡崎慎司の右サイドでの飛び出しと香川のパスがピタリと合いましたね。4分のゴールです

賀川:国立競技場は公式には国立霞ヶ丘陸上競技場ですから、サッカーの記者席も通常は陸上トラック100メートルのゴールライン近くに設けられている。私は最後だからと、その辺りの席にいたから、このゴールは遥か遠くに見えて、肉眼ではそうはっきりとは見えなかったのですよ。

――まして90歳ですから

賀川:キックオフ後、日本が攻めて、しばらくすると、ニュージーランドも攻め返し、森重真人だったかのファウルがあって、相手のFKになり、それを防いだ後の中盤での奪い合いから香川にボールが渡った。

――本田圭佑が相手にからまれて、取り合いになり、いったん奪われたが、2人目の相手のコントロールミスが出て、ボールがこちら側に移り、左の長友に渡って、その長友が内側の香川に渡した

賀川:香川がスペースを見つけて中央へ斜めにドリブルし、相手DFラインの右裏へ浮き球のボールを送った。香川が左サイドからドリブルした時に、右サイドへいいパスをするのはユナイテッドの前シーズンでも、日本代表でも知られているが、岡崎の早いスタートに見事に合った。

――岡崎は日本のコーチや解説者のよく言う「動き出しの早さ」は天下一品

賀川:まあ日本のFWのなかでは、歴代その動きで好評だった選手も多いが、岡崎もその一人。そして今はパスの落下点での強さと巧さが際立っている。

――というと

賀川:岡崎は高校生のころからダイビングヘッドが得意だった。ヘディングに強い選手は胸の辺りのボールにも強いし、落下してバウンドするボールへの処理能力も高くなるもの。この日の彼のトラップは浮いているボールにタッチしたのかどうかわからない感じだった。香川真司がこういうボールを受ける時は、ピタリと止める感じになるが、岡崎は必ずしもそうではないから、相手側のGKやDFは取れると思うかもしれない。

―― GKは飛び出す判断をした

賀川:岡崎は自分のボールにしたのかどうかは別にして、競り合ったDFの裏から足を出してシュートした。

――飛び出したGKは取れなかった

賀川:今年、岡崎はブンデスリーガのマインツで前へ出た浮き球のパスの落下点でDFと競り合ってゴールを再三決めている。相手の裏へ走りこんで、落下してくるボール、あるいは落下しバウンドしたボールを競る時の彼の自信ありげな様子をテレビで見せてもらっている。まあ彼の十八番を香川が引き出した、あるいは十八番のタイミングを岡崎が香川に飲み込ませたというべきかな。香川があのスピードでドリブルをして、ボールを浮かせて岡崎に落下点を合わせたのは、彼がマンチェスター・ユナイテッドで試合に出られなくても自分の技を練習し、磨いている証だと思いますよ。

――その香川がドリブルでエリア内に進入し相手に倒されてPKをもらい、自分で決めました。翌日の新聞は、いつもは本田がPKを蹴るのに香川が主張して自分で蹴ったというような記事がありましたが…

賀川:まあ当然でしょう。彼の早いターンでニュージーランド側がとまどった感はあるでしょう。香川は相手がスライディングタックルの体勢に入るのを見ながら、その前でターンし、体でボールをカバーするようにしてPKにした。ワールドカップの本番でレフェリーがPKにするかどうかは?ですね。彼の動きがキレていたことは確かですが、PKのキックはもう少しサイドネット側へしっかり蹴った方がいい。

――香川ファンの賀川さんからのアドバイスですね。3点目は11分、これは右サイド寄り、ペナルティエリア外のFKを本田が蹴り、森重真人がヘディングで決めました

賀川:本田の強い高いボールに対して、中央ニアサイドにいた大迫がジャンプ。ずいぶん高く飛んでいたが、その上を通ったボールをその裏側にいた森重がヘッドした。外側にはもう一人酒井宏樹がいたから多分練習の型になっていたのでしょうね。

――ニュージーランドのニール・エンブレン監督(イングランド)はCKやFKのようなブレスキックから得点されるようではいけない、と言っていたが、守備の発達した現在だからこそ、CK、FKは大切な得点チャンスですね

賀川:ニュージーランドには190センチのFWもいるし、やはりセットプレーでのヘティングというのは、どこも大切にしますよ。いいキッカーと、それに合わせる仲間の協調プレーは野球に似たところがあるから、年輩の日本のスポーツファンにも説明しやすいはずです。そういう意味でもこうした停止球のゴールをもっと演じてほしいものです。

――17分の4点目は香川、本田、岡崎と見事なパスの組合せでした

賀川:ニュージーランドが左サイドから攻め込んだのを日本の右サイドのDFが酒井宏樹と山口蛍、そして森重たちでボールを取り返してからの攻撃でした。

――たしか、自陣右コーナー近くから森重がライン沿いに前方へボールを送った

賀川:相手のノッポFWウッドを前に置いて、森重が右タッチライン沿いに高いボールを前方に送り、それを岡崎がジャンプヘッドで内側にいる大迫につないだ。大迫はこれをヒール(あるいはソールかな)ですぐ後ろの本田に。本田はひとつ止めて吉田麻也にバックパス。吉田はこれを左に開いていた賀川にパスした。

――見事なパスワークだった

賀川:相手の中盤でのプレッシングがなかったからね。しかし森重が慎重なキックで岡崎の頭上へ高いボールを送ったのがやはり効いている。それにしても、ニュージーランドは攻めていたのだから、もっとDFラインを上げて大迫をつぶしにゆくべきだった。

――アッという間に点を取られて、ちょっとバラバラになっていたかな

賀川:パスを受けた香川はドリブルしてハーフウェイラインを越え、相手のDFに向かって進み、例によってフェイクを入れた後、右足アウトで本田へパスを出した。

――香川は本田の上がりを待っていた?

賀川:彼の視野には中央で大迫が左前へ走ろうとするのを本田が中央へ(大迫の後に)上がってくるのと、ファーサイドの岡崎が見えていたはず。岡崎はノーマークだったから、1点目と同じ選択もあったが、ドリブルを続けた。エリア手前10メートルで香川は右アウトで短いパスを本田に渡した。彼の右手側から戻ってくる相手にぶつかられ倒されたが、この相手の強引な体当たりで全ての目がボールと2人のからみに注がれることになった。

――ボールをゴール正面エリア外5メートルで受けた本田は自分の足下を通すパスを出して、ノーマークの岡崎に渡した

賀川:岡崎は右から中へ走り込んで左足ダイレクトシュートをした。香川がドリブルで時間をかせぎ、相手の注意をボールサイドに集中させておいて、本田にパスを出し、本田が岡崎へつなぐというパスワークだった。香川がパスを出した時、本田が受ける時も岡崎へのイメージだっただろう。

――上質のサッカーの面白さですね

賀川:相手がどうであっても、こういうサッカーを見せてもらうのは、とてもうれしいことですよ。

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