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2013年9月6日 日本代表 vs グアテマラ代表

2013/09/10(火)

――6月のコンフェデレーションズカップで3敗、8月のキリンチャレンジカップ対ウルグアイ戦にも負けた後でしたが、入場券は早々と完売、スタンドは満員でした

賀川:何と言っても、来年のブラジルワールドカップに出場する日本代表ですよ。コンフェデから4連敗したといっても、ブラジル、イタリア、メキシコ、ウルグアイという世界のトップクラスのサッカー国代表を相手にして、攻撃サッカーを振りかざしての敗戦だったから、サポーターの共感を得ていたと思います。その4連敗の経験から代表がどう変化してゆくかをファンは見たいのでしょう。

――新しいメンバーを加えることもそうです。戦いぶりを変えるのか…という関心もあった。

賀川:まず守りの意識を高め、攻撃の時にボールを奪われれば、そこからすぐ守りに入り、積極的にボール奪取にゆくようにした。それが成功していた。

――まあ、相手のレベルもありました。

賀川:グアテマラはメキシコの南隣にあり人口1471万人(2011年)、面積は日本の北海道と四国を合わせたより少し大きい程度。北隣にあるメキシコに比べると小さな国です。ワールドカップの出場経験はなく、すでにブラジル大会のCONCACAF(北中米カリブ海地域)の予選で敗れています。したがって、来日チームは新しく作り直す新チームで、その最初の試合なのです。

――その相手を無失点で、と言ってもあまり評価はできないという声もあります。

賀川:もちろん満足してはいけません。こういう守りの気構えや動きを、9月10日のガーナ戦で続けることです。

――アフリカの強国ガーナ代表は個人力もありますね。

賀川:新しいメンバーということでは、FWに新しく大迫勇也と工藤壮人、そしてウルグアイ戦に続いて柿谷曜一朗が起用された。

――前半のラインナップはGKにこれまでの川島に代わって西川周作が、DFは左が長友佑都、右が内田篤人ではなく、酒井高徳、CDFは吉田麻也とその相棒に新しく森重真人、ボランチはベテランの遠藤保仁と長谷部誠キャプテン。攻撃的MFには右に岡崎慎二、トップ下に香川真司、左が清武弘嗣、ワントップに大迫勇也でした。

賀川:大黒柱ともいうべき本田圭佑は後半だけの出場でした。

――後半30分に香川に代えて今野泰幸を入れて左サイドのMFに長友を上げました。

賀川:その後半はワントップには大迫に代わって柿谷、清武に代わって本田が送り込まれました。ザッケローニ監督はメンバーの交代は全て計画通りと言っていたから、いろいろなオプションを見るつもりだったのだろう。岡崎と代わった工藤は30分近くプレーした。遠藤とした交代した青山敏弘は10分ばかりだったが、それぞれ代表レギュラーに厚みを持たせるための実戦ですね。

――この顔ぶれで前半0-0、後半3-0のスコアでした

賀川:グアテマラは8人で守る形となり、日本は前半からボール支配率60%で攻勢を続けた。前半6分の香川のシュートに始まり、45分に12本のシュートだったがゴールは奪えなかった。

――香川の1本目は右サイドを突破した長谷部がペナルティエリアの「根っこ」からクロスを送ったもの。ダイレクトシュートだったが、DFに当たってCKになりました。惜しかったのは、20分の清武…

賀川:左サイドから攻めて、香川が自分の足下へ来たパスをヒールキック(というよりわずかにソールでタッチして)で左から走り込んできた清武にパス。清武がシュートし、GKが防いだ。最初の香川のシュートと同じようにペナルティエリア内、あるいは近くのパスをエリア内でシュートするという形だった。清武のシュートは香川のアクションが入ったので、ノーマークになったのだが、残念ながら右サイドキックのシュートは防がれた。ノーマークではあったが、角度も狭く、決してやさしいシュートではなかったが、こういう場面でゴール能力を高めたいもの。

――やさしくないシュートだったと

賀川:それについては、後ほど、あるいはキリンチャレンジの9月シリーズのまとめでお話するつもりですが、一言だけ言っておくと、ゴールへのシュートはサイドから来るボールを蹴ったり、ヘディングする方が後方から来るパスを蹴る(ヘディングする)よりもやさしいということです。

――大迫が4本シュートしました

賀川:ペナルティエリアの外から2本、エリア内で2本ありました。相手のDFを背にして反転してのシュートは見事だったが、いつもお話しているように、こういう形の時は、ゴールキーパーの正面かリーチの範囲に飛ぶことが多い。大迫はこのところレベルアップの感もあったが、このシュートはそれを証明できなかった。それは、本人のキックの型によるから、一概に言えないが立ち足の踏み込みやインパクトする時の足の部位の使い方によるでしょう。シューター自身が自分でつかむものだが…

――後半に本田が入ると攻撃が落ち着いた感じになった

賀川:本田は立ち止まってキープできる。いわば、サッカーの忙しい動きのなかで、緩(かん)を持ち込める選手です。香川は自分も走り回る方で、攻撃陣全体がやたらに走っている格好になっていた。

――後半には相手側の動きの遅くなったこともあったでしょう

賀川:左サイドの長友がドリブルで縦に抜いてエリア外からクロスを送り、それがGKを越えてファーポスト側に落下、そこへ本田が走り込んでDFに競り勝ってヘディングを決めた。

――本田は身長183センチ、ヘディングも強い

賀川:68年五輪得点王、釜本邦茂と同じように体がしっかりしていて、ジャンプで競るときもブレないところが強さです。このゴールだけでなく、彼は左からの香川のクロスなどの予測もうまい。

――2点目は香川が右サイドのエリア根っこからの速いクロスを工藤が飛び込んで決めました

賀川:柏の工藤らしい体をぶつけてゆくようなダッシュだった。もちろん香川の速いクロスも生きた。これは右CKをショートコーナーにして長谷部にわたし、香川が前に走り込んで長谷部からのパスを受けたのだが、走り込むタイミングがよくて、相手は誰もついてこなかった。

――3点目は遠藤のFK、ボールが壁の誰かの背に当たって方向を変えてゴールインした

賀川:遠藤の狙いとは違った形のゴールだった。タイムアップ直前にも工藤のヘディング(オーバー)があり、攻勢を続けたが前半12本、後半13本のシュートも結局は3ゴールに終わった。

――攻めてチャンスをつくりながらですから、決定力不足がまたまた問題になりますね。柿谷、大迫が無得点であったのも惜しい気がします。

賀川:いつも申し上げるように、シュートそのものへの多くのファンの関心が高まればシューターの励みになり彼らの工夫も進むでしょう。Jリーグも日本人ストライカーの得点王争いが注目されています。これからの代表の試合ぶり、特にゴール前の決定的瞬間についての巧拙や気迫をしっかり見ていただきたいと思います。

――さあ、次のガーナ戦、東京オリンピック以来の強敵相手にいいプレーを期待しましょう

賀川:柿谷は自分のボールタッチの巧さをメディアや世間に認めさせたという点で日本のサッカー史上で珍しい選手です。いわば香川真司と同列のプレーヤーですが、グアテマラ戦では中央部での小技を披露した程度でした。

――一度カウンターでドリブルを見せましたよ

賀川:そう、ガーナ戦では彼の真価を発揮してほしい。また周囲もそれを工夫してもらいたいものです。もちろん本田や賀川の突破や展開力を他のプレーヤーがもっと理解し、チームの武器にする連携がが大切です。ガーナを相手にチームの総力を一度、国内試合で発揮してくれれば、キリンチャレンジカップはとても楽しいものとなるはずです。

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