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2013年5月30日 日本代表 vs ブルガリア代表戦(続)

2013/06/03(月)

SAMURAI BLUEの香川真司

――対ブルガリア0-2から一夜明けて、6月1日付のスポーツ新聞に代表の反省の弁などが掲載されていました。今日はこの試合での香川真司のプレーを語ってください

賀川:開始早々に内田から相手のペナルティエリアいっぱいの中央左よりにいた香川にパスが出たとき、際どい所でブルガリアDFが足を出してカットした。しっかりマークしているという感じがした。

――30分にうまいターンの後、シュートしましたね

賀川:左サイドの駒野からエリア内の乾貴士にパスが通って、それがペナルティエリアいっぱいのところにいた香川へバックパスされた。そのボールを相手を前にして左足で止め、ゆったりとした動作からくるりと相手に背を向けて反転して、内側へかわし、右足でシュートした。鮮やかなプレーに、スタンドがどよめいた。ニアのポスト際を狙ったシュートはGKが防いだが、真司らしいいいプレーだった。

――やはり香川、というプレーでしたね

賀川:このトラップと小さなターンと、その後のシュートを見れば、アレックス・ファーガソンがマンチェスター・ユナイテッドの変革のために彼をと熱望した気持ちが理解できるでしょう。

――アエラという雑誌の5月20日号に、稲垣康介記者の記事が載っていて、ファーガソン監督の話もありました。そうそう、賀川さんの話も出ていました。タイトルは「日英大御所記者のみた香川の1年」だった

賀川:寄り道はのちほどにしましょう。33分と38分にも香川がエリア内でボールを受けたが、つぶされました。40分には香川が今野泰幸からの早めの縦パスを受けて、左から中へドリブルし、右から中へ入ってきた乾に渡した。乾が前へ出た香川へリターンパスを送った時は、ブルガリア側はこの2人に対して、5人が囲んできたからね。結局、乾のパスはDFに当たって、そのこぼれを乾が左外の駒野に送り、駒野がクロスをあげて失敗(ゴールラインを割る)。

――香川への警戒の強さですね

賀川:この時に4人の第2列の誰かが短いパスを受けられる位置に来てこそ、3-4-3の意味があると思うのだが…

――それが、前日の話の、コンディション不良による積極性のなさとも言えるのですかね
賀川:まあ試合を見ていろいろ言うのは簡単。選手には選手の事情がある。ただし、それでも勝つため、点を取るためにはサッカーでは走ること、動くことが一番ですからね。コンディションの如何にかかわらず…

――香川の動き全体はどうでした

賀川:彼はフルシーズンといっても、ケガの休止期間もあり、体力を使い果たしたというシーズンではなかったはずです。(来シーズンはわからないが)今季はファーガソンはガンガンぶつかってくるチーム相手の時は、休ませるなど無理のない使い方をしていましたからね。だからこそ、本人はこの試合で、なんとかいい攻撃をしたかったはずです。

――前半はGK川島永嗣、DFは右に吉田麻也、中央が栗原勇蔵、左が今野泰幸、MFが右から内田篤人、長谷部誠、遠藤保仁、駒野友一、そして前の3人は乾貴士、前田遼一、香川真司でした。後半に入ると4FBに変えて、酒井宏樹を右に、栗原、今野が2CDF、そして左に長友佑都が入った。ボランチは長谷部、遠藤のまま、香川をトップ下に、右に乾、左に弘嗣、トップの前田をハーフナー・マイクに代えた。DFの要の吉田は故障を抱えていたとか。攻撃に3人のセレッソ育ちが入って、少しいい気分になったでしょう

賀川:もちろん関西のチームからいい選手が出ているのだから当然ですが、同時に前田の調子の上がらないのも気がかりですよ。

――トップ下に入った真司の動きが目立って6分にチャンスがありました

賀川:右サイドのスローインをハーフナーに向かって投げると、ボールはハーフナーをすり抜けてバウンドしてペナルティエリア右角から内へ。それを香川が追って、DFマノレフをかわして右足でシュートした。DFの足に当たって右CKになった。

――アエラの記事のなかで、賀川さんは「ペナルティエリアに入った時に真司の良さが出る」と言っていましたが、このプレーなどはそうでしたね

賀川:バウンドして落ちてくるボールを右足でタッチし、浮き球で相手の頭を越して抜くと見せて、そうではなく同じところへ落としてシュートしたのです。前半にも左ポストに近いところでやはり浮かせて「間」をつくろうとして、相手の体に当たった場面があったが、彼のフェイクのひとつですね。

――テレビではここへ入ってくればメッシか香川ですね、という声も出ていたほどです

賀川:シュートは決めなければいけないと真司自身が言っています。右足でのボールの叩き方にもうひとつ工夫があれば、それこそメッシだが…

――それはどうするのですか

賀川:この次の楽しみにしておきましょう。その3分後に、今度はエリア内へ走り、ヒールパスで後方の清武に渡したのがあった。清武が左の強いグラウンダーのシュートをしたが、右外に外れていた。

――清武は右のクロスもうまいが、こういうシュートも敢行できるのですね

賀川:チームに攻めの勢いがついている時にファインゴールが生まれると、一気にムードが上がるのだが…選手がボールによって踏み込む確度とキックする足のどの部分に当てるかでシュートの方向は決まるもの。正面スタンドから見ると、惜しいシュートだが、ゴール裏からでは、かなり外れていた。清武は12分に左サイドでうまいパス交換からノーマークのシュートチャンスもあったが、利き足の右のサイドキックで誰かに当たってゴールには届いていない。

――香川のエリア内での動きもあって、面白いようなパスがつながることもあったが…

賀川:ブルガリア側は中央部を厚く守り、いつも前を向いて防ぐ形になっている。パスの出てくるところも見えている。パスを出す側の工夫も必要になる。

――ドリブルを仕掛けることも?

賀川:誰かがドリブルで突っかけるとか、相手DFの前へボールを出して、そこで一緒につぶれるという手もある。もちろんパスで誰かがフリーになっていることもいいのだが、人数が多く入っているところでは、グラウンダーだけでなく、高いライナーのシュートもあっていい。

――そういうシュートそのものについて日本では割りあい関心が薄いと…

賀川:真司を中心にボールが回るところを見るのはとても楽しいが、その締めくくりのシュートが何故このレベルで止まっているのか不思議ですよ。

――点を取れないうちに、相手のFKがあってそこから長谷部のオウンゴールで0-2になってしまった

賀川:日本は乾に代えて中村憲剛を投入した。左右からのクロスも入るようになったが、ハーフナーの長身が生きるには至らなかった。ハーフナーのヘディング技術のこともあるが、クロスの制度の問題もある。

――32分の遠藤のFKも右へ外れてしまい、終盤の激しい攻めも得点は生めなかった

賀川:サポーター、ファンには不本意だったが、キリンチャレンジカップのおかげで、SAMURAI BLUEに危機感を持たせてくれたのは何より。と同時に、真司の進化をいろいろな点で見られたのは私たちにはとても楽しいことだった。こういう経験の後の代表がオーストラリア戦、イラク戦で上げ潮に向かってくれることを期待しましょう。

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