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6月1日 日本代表 vs ペルー代表(上)

2011/06/03(金)

キリンカップ2011
6月1日19時23分キックオフ(新潟・東北電力ビッグスワンスタジアム)
日本代表 0-0 ペルー代表

――得点が無かったこと、特に前半は互いの攻め込みが少なかったことで、ちょっと物足りない試合でしたが……

賀川:うーむ。後半、本田圭佑長友佑都という“大物”が入って、李忠成も登場したから、新潟の観客にもテレビ観戦のサポーターにも良かったでしょう。
 試合そのものは相手がしっかりしていたので、なかなか締まったものになり、一つひとつのプレーはとても面白かった。終盤には圧倒的に攻め込まれ、強いシュートがバンバン飛んできてスリル満点だった。それでも守って、最後にはヤット(遠藤保仁)のFKの見せ場もあった。

――日本はあれが入っていれば万々歳?

賀川:まあ、そうはうまくゆかなくても、最後のFKの場面でも、本田が蹴るのか遠藤が蹴るのか、その推理だけでもわずかな時間、テレビの前、あるいはスタンドで楽しめた。サッカー的というより野球的な停止球での推理の楽しみも味わえたのだから、まあ、0-0でも私には色々な意味でとても面白かったよ。

――結論から聞きますが、なぜ1点も取れなかったのでしょう?

賀川:シュートチャンスが少なく、そのチャンスも完全ノーマーク、フリーというのは少なかったことが第一。

――日本のシュートは前半2本、後半3本(ペルーは前半3、後半5)。個人的には、前半は長谷部誠の2本、後半は遠藤の1本、本田の2本という記録になっています。

賀川:決定的なチャンスが少なかったのは、相手の運動量が落ちなかったためでしょう。日本のサッカーは運動量で勝ることが、まず、勝つための大きな条件だが、この試合ではそうではなかった。

――それはこちらのコンディションの問題もある?

賀川:合同練習は2日間、欧州組のうちドイツにいた者はシーズンが終わってもう少し先に帰国していたが、本田と長友は2日前まで試合をしていた。Jリーグ勢も、条件は必ずしも良くなかった。もう一つは、今度の合宿で戦術理解という話が出た。

――3-4-3ですか

賀川:新しいフォーメーションを採用すると、選手は、この特徴は何か――などを聞かされ、それの動きを説明される。しかも、この代表に初めて、あるいは久しぶりに加わった者もいる。となると、選手のなかには監督の意図通りの動きをしようとする者も出てくる。

――もちろん、選手は監督の指示に従うのは当然でしょう

賀川:選手は、自分のボールの持ち方や得意な止め方があり、また得意なキックの型がある。自分が与えられたピッチ上のどこのスペースでプレーするかにも関係してくる。ザッケローニ監督は色々説明したあと、ときには指示に捉われず自分で思い切ってやれ――という人だろうが、そうはいっても、選手は監督に色々語られると、それに頭がいって動きを自分で制限してしまうこともある。

――それが試合にあらわれた?

賀川:少し影響もしていたね。もう一つは、ペルー側が日本代表のことをよく知っていて、動きの量で負けないことを心掛けていた。このキリンカップでは6人まで交代できることになっている。ペルーは後半に5人を代え、新しい彼らの投入によって全体の運動量を落とさなかった。

――日本も6人を交代しました。

賀川:日本はケガの交代もあった。チーム全体の体調が万全とは言い難いうえに、相手の運動量が落ちなかった――。
 アジアカップの決勝でオーストラリアに勝ったとき、延長で李忠成のゴールが生まれたシーンを覚えていますか?

――素晴らしいボレーシュートでした。

賀川:あのころ、オーストラリアの選手たちは疲れ果てていて、長友は余裕を持って仕掛け、余裕を持って見事なクロスを李に送った。

――今度はそういう場面は少なかった。

賀川:長友は(イタリアからの)遠距離移動という相手と同じようなハンディを持っていたけれど、さすがに1対1は強い。攻めに出たとき、受けるボールの関係で奪われたことはあるが、最後の数分間に完全に押し込まれていたとき、彼が粘ったおかげで左サイドで日本ボールのスローインになったことがあった。ここから後ろへ回し、詰まったあと、川島のロングボールが前線へ飛んで岡崎慎司が取った。このあと本田が倒されてFKとなり、タイムアップ前の遠藤というスリルが生まれた。

――そうか。押し込まれていたなかで遠藤のFKがあり、皆が惜しい試合だったと思ったけれど、長友のディフェンスによるスローインがきっかけでしたか。

賀川:もちろん、皆の組織ディフェンスもありますがね……。私たちやサポーターは最後のFKのおかげで、押されっぱなしで引き分けたという印象から、ちょっと楽しい場面を見せてもらった。

――ということは、賀川さんは1対1の強さを強調したいのですね。まあサッカーでは当然のことで、フォーメーションも大事ですが、1対1の奪い合いで勝つことが大切ですからね。

賀川:ホームでの大会で、日本は当然、優勝するつもりでしょう。しかしアウェーのペルーにもちゃんとプランがある。第1戦はまず負けないこと。負ければ次のチェコとの試合に勝てば優勝のチャンスが来る。すると対チェコに高いモチベーションを維持して戦える。そのことが南米選手権を控えている彼らにもとても重要なことでしょう。だから後半はどんどん攻めてきて、1ゴールをもぎ取ろうとした。
 GK川島永嗣をはじめとする守備陣、いや、全員の頑張りでなんとか無失点に抑えたが、ゴールを奪われても――という場面もあったからね。


【つづく】

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