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2011年6月

6月7日 日本代表 vs チェコ代表(下)

2011/06/12(日)

キリンカップ2011
6月7日19時32分キックオフ(神奈川・横浜国際総合競技場)
日本代表 0-0 チェコ代表



◆左CKからショートコーナーでのチャンスのつかみ方
 遠藤-本田-李-吉田の合作

賀川:左CKのチャンスに、遠藤保仁はボールを置くとボールから離れず近くに立った。ショートコーナーの前兆です。そのとき、ペナルティエリアぎりぎりに本田圭佑が来た。いいボールが遠藤から送られ、トラップした本田は二人にマークされながら縦に持って出て得意の左足でクロスを送った。ゴールライン近く、ペナルティエリア左いっぱいのところからだった。ボールは狙い通り、ゴール前の密集地帯を越えてファーポストの方へ飛び、相手DFの頭上を越えて一番外にいた李のところへ落ちた。李が止めて、左足で蹴ってゴール正面へ高いボールを送った。これに吉田麻也が飛び込んでヘディングしたが、ボールはバーを越えた。

――テレビの解説者たちも、すべてうまくいった、フィニッシュだけが惜しかった――と言っていました。

賀川:吉田にとっては大事なチャンスだった。入れておけば本人とチームにすごいことだった。しかし、私は、日頃の練習でDFの吉田が何回こういう場面のシュミレーションで相手ゴールに向かってヘディングした経験があるのかどうかを知りたいところだ。この日の口惜しさで、彼はこの次のこういう場面でどうするかを決めるだろう。高いボールの見え方で瞬時に自分のジャンプ・ヘディングの形に持ってゆく。そしてチームの一員としてボールの動きを予見・予知することでしょう。まあ、189センチの大型DFが大事な場面での役目を覚えてくれればいいわけだから……

――長友佑都のドリブルシュートもありました。

賀川:あれは伊野波雅彦のいいタイミングでのパスを受けて、まわりにスペースがあったから自分で仕掛けて右のニアポスト狙いでエリア手前からシュートした。叩き方が悪くて左へ外れたが、「よし、行ってやろう」という感じのプレーだった。

――長友の進化は?

賀川:本人は、この1年でこれまでの10年分ぐらい伸びた――と言っているようだ。まあ色々あったし、大きなまわりの変化にも順応して腕を上げ成果を出したのだから大したものです。ただし基礎技術を、まだまだ精度を上げないとこれから壁に当たるだろう。クロスは上手なのだから、そのバリエーションの精度が大切。シュートにももちろん同じことが言える。

――李忠成が後方からのパスを落として本田に渡そうとした、渡れば大チャンス――というのもありました。

賀川:遠藤から足元へピタリときた。この頃になるとだいぶスペースができ始めていた。李はそのボールを相手DFを背にしながら軽く左足に当てて、走り込んできた本田にパスした。ボールがちょっと強くて、本田には渡らず惜しい場面に見えた。

――上手くいっていたら、2002年ワールドカップ、対ロシアの稲本潤一のゴールのようになったかも。

賀川:あれは素晴らしかったネ。この李-本田の場面のミソは、李のパスが本田に渡らなかったところにある。まあ相手DFは李のパスの体勢を見てすぐ彼から離れ本田の動きに備えようともしていた。しかし、エリア内のことだから本田に渡っておればビッグチャンスになるハズだった。

――それがうまくいかなかったのは?

賀川:ここらがサッカーの面白さだろうね。いいボールが足元へきた。仲間がいい位置へ来る。そこへ渡す。一連の動作がスムーズに見えるスタンドから見ていると、きたボールにボンと強く左足を当てたように見えた。

――それが思いのほか強く返すことになった

賀川:昔からパスで苦労した選手はこういうときのボールの送り方を掌(たなごころ)で餅を包むようにしてそっと送るといういい方をしていた。ボールテクニックの上手な李は、こういうところを無難にしかも巧くやってきたのだろうが、エリア内の決定的な場面でのパスは、一見反射的に見えても、いいプレーにはどれも心がこもっているハズですよ。
 外国人はそういう言い方をしないかもしれないが、ボールタッチの天才たちが集まっているバルサのエリア内でのパス交換を見ても、無難に反射的ではあるがそこにちょんと、自分の技の積み重ねがあるように私には見える。

――李忠成という選手はいい素材なのですが

賀川:岡崎慎司も、終盤にはヘディングを取るようになっていた。李や岡崎だけでなく、この日チェコと戦った代表は誰もが何かを身に付けただろう。

――そういえば、レフェリーが大物でした。

賀川:ワールドカップでもチャンピオンズリーグでもビッグゲームのレフェリーで、チェコ側の手を使ったりぶつかったりする反則に少し甘いかなと見ていたら、日本側にも同じ基準でしっかりした判定だった。ボールの奪い合いのときの接触プレーは簡単に笛を吹かないので、双方が頑張ることになった。それでもチェコの反則は22、そのうちイエローカードが4枚だった。こういうレフェリーを招くことができるのも、このキリンカップの伝統というのか、良い点だろうね。

――交代選手のことなどまだまだありますが、まずはここまでにしておきましょう。あとは別の機会に。


【了】

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6月7日 日本代表 vs チェコ代表(中)

2011/06/11(土)

キリンカップ2011
6月7日19時32分キックオフ(神奈川・横浜国際総合競技場)
日本代表 0-0 チェコ代表

◆FKは外れたが、進化する本田のプレーメーク

――日本代表のこの日のシュートは前半4、後半7で計11本(チェコは前半3、後半3で計6本)。ボール保有率は平均して日本が63.2%、チェコが36.8%でした。

賀川:日本のシュートのうち5本がFKで直接狙ったもので、前半2本、後半3本あった。前半のうち1本は遠藤保仁で、ゴール右上隅を狙ったがGKに防がれた。あと4本は全て本田圭佑の左足で、前半11分に低く蹴って壁に当たった以外はゴールを越えている。

――その本田のプレーは

賀川:FK以外に自分でシュートはしていない。FKも狙い通りにボールが落ちていないようだ。彼の強い球が枠内のいいところへ飛ぶ――それをGKペトル・チェフがどうするか見たいところだった。遠藤のシュートは右上の枠内へ行ったが、もう少し右上隅に行かないと、相手がチェフだと決めるのは難しい。このときも本田がアクションを起こす格好をして、遠藤が短い助走で蹴る――というオトリ作戦もあったが、チェフは遠藤のキックに反応した。どういう見方でキックの瞬間をとらえているのか、テレビの別の角度のものがあれば見てみたいものだ。

――攻撃の軸としての本田は?

賀川:全体の流れをつかみ、仲間を使い、パスを受けパスを出し、また受けて、といったプレーメークはますます上手になっている。もちろん、相手にぶつかられてもしっかりバランスを保てる体の強さがあり、衝撃を受けたり流したりする上手さもあるからだが。

――第1戦は彼は後半から入りました。それまでの新しいシステムであった3-4-3を前の形に戻したから、チームプレーがスムーズになったなどという意見もありましたが……。

賀川:システムもあるだろうが、本田がいなくては、前でボールを受けてキープできる者がいない。しっかりボールを持ってくれる者がいなければ、仲間が上がってゆくこともできなくなる。まずはそういうプレーヤーが何人かいるかですヨ。守備的には長谷部誠と遠藤保仁という、パスを出し動いてもらうこともできる優れた支援組がいるのだから、そのもうひとつ前の攻撃陣のなかに、相手がいてもきちんとボールを持てる者がいるかどうかが大事なことなんですヨ。アジアカップの途中まではもう一人、香川真司がいた。

――その本田を中心に、後半は割合うまくボールが回るようになった。

賀川:前半は右の内田篤人、左の長友佑都というサイド攻撃のできる二人をMFの4人の外のポジションに置いて攻めに出ようとした。何回か攻めたもののクロスがきちんと届かなかった。右の側は一度も深い位置、例えばゴールラインぎりぎりのペナルティエリアすぐ外というようなところへ食い込んでゆけなかった。外からも入れなかったし、スルーパスを送っても潰されていた。

――なぜなのでしょう

賀川:スルーパスにしても、ラストパスを出すところが全て相手DFには見えている。相手は自分のマークする選手とパスが出てくるところを同時に見ることができる位置にいる。攻める側はどこかで無理をして、その次に決定的なパスを出さないとね。
 遠藤という選手は、そういう状況のなかでもボールを蹴るタイミングの一呼吸やボールの強さあるいはコースの曲げ方などで決定的な場面をつくれる、得難いプレーヤーだが、新しい仲間はまだそれが飲みこめていない。



◆楽しめた、李と相手DFとの駆け引き

――後半に李忠成と本田のパス交換から何度かチャンスが生まれそうでした

賀川:彼らが話し合ったり、理解が深まったりしたのでしょう。そういうところを見られたのが、先ほども言いましたが、このチェコ戦の面白みなんですヨ。
 李はスピードがあるし、それに器用でフェイクプレーも仕掛ける。ただし相手のDFがなかなかその策に乗って来ないのも確かだった。それには単に見せかけのフェイクでなく、自分の気の入ったプレーが伴わないと上手くゆかないものだ。こういうのは選手自身がつかむものだが。

――いくらフェイントを使っても、マーク相手がはじめからパスをするのだと読んでいれば引っかかりませんよね。

賀川:まあ、そうでしょう。自分で止めて前へ向こうとする、あるいは接近する本田の動きを利用して大きくトラップしシュートへ持ってゆくとか――。もちろん、エリア内外は敵味方ともプレーヤーの多いところだからね。


【つづく】

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6月7日 日本代表 vs チェコ代表(上)

2011/06/10(金)

キリンカップ2011
6月7日19時32分キックオフ(神奈川・横浜国際総合競技場)
日本代表 0-0 チェコ代表



◆相手の好守備により、日本の攻撃のいい点・そうでない点がよく見えた
 チェフという優れたGKと戦ったのもプラス

――観客6万5,856人、チケット完売、満員でしたね。

賀川:いい試合だった。もちろん不満もあったけれど、収穫も多かったし、私自身もとても楽しかった。

――不満はやはり、ノーゴールだったこと?

賀川:それもある。しかし攻撃に関しては相手の守りがしっかりしていたから、そこへ攻め込む日本代表の一人ひとりのプレーや連係がいい点もそうでない点も浮き彫りになり見えたのでとても面白かった。選手たちもそれを肌で感じたでしょう。

――例えば

賀川:李忠成というFWがいますね。これまでは途中出場だったのが、前田遼一が故障とかでこの日はフルタイム出場した。CF(センターフォワード)の彼を相手はしっかりマークし、後方からのボールを受けるときにも厳しく奪いにきた。李ははじめのうちは難しそうだったが、次第に応対が巧くなった。この程度の相手と90分しっかりやり合うという経験はJではそうないだろう。もちろん本田圭佑や岡崎慎司といういい仲間が近くにいることもあるだろうが、この日の経験とつかんだ自信は、李にとってとてもプラスになったと思う。

――本田圭佑とのパスのやりとりなども多くなっていました。チーム全体としてもコンディションは良かったのでしょうか。

賀川:第1戦の対ペルーは、あまり良くなかったが、中5日あったのだから良くなって当たり前ですヨ。しかし見る側には嬉しいものです。それに7日の試合当日、夜になって気温が下がったのも選手たちにはよかった。

――ヨーロッパ人には日本の蒸し暑さは大敵ですからね。

賀川:6人まで交代できる規定があるので、チェコは5人の交代を送りこんでいた。ペルーも5人代えていたでしょう。日本の運動量の多いことは、彼らも知っている。もちろん、それぞれの監督さんには選手のテストということもあるだろうが、両チームとも運動量が大幅に落ちるということがなかった。だから日本は点を取れなかったともいえるのだが……。

――チェコのGKペトル・チェフがいいセーブを再三見せました。

賀川:イングランドのチェルシーで7シーズンプレーしている196センチのGK。チェコ西部の都市プルゼニの出身で、82年5月20日生まれだから29歳だね。16歳で地元のクラブに入り、名門スパルタ・プラハを経てフランスのレンヌで働き、2シーズン後の2004-05シーズン、22歳のときからチェルシーでプレーするようになった。
 チェコのユース、U-20、U-21代表を経験し、フル代表での出場も70試合以上だという。大柄で手も足も長くキック力もすごい。冷静で読みがよく、ポジションを取るのもうまく、ペルー戦でもすぐ目の前からの相手のシュートをしっかり止めていた。とても落ち着いているように見えたね。



◆サッカーには、国や大衆の交流の歴史の面白さもある

――チェコはいいGKを生み出していますよね。

賀川:ワールドカップでもヨーロッパ選手権(EURO)でも、その時々に評価の高いGKがいた。本番で不振な者もいたが……。
 そう、ノッポといえばGKでなくFWにいた1990年イタリア・ワールドカップのチェコ代表FWトマス・スクラビーが190センチをこえる高さで、ヘディングでよく点を取った。いいシューターやいい中盤のプレーヤーも出た。

賀川:チェコといえばJFAが創立されるよりまだ以前、大正8年(1919年)にチェコの軍人チームと神戸一中が神戸で試合をしたこともある。このときショートパスをつなぐチェコ軍人チームに私の先輩たちはとても驚いたそうだ。神戸外人クラブの、いわゆるイングランド流のウイングからのセンタリングに飛び込む――というのが一般的だった頃、チェコはもともとスコットランド人によってサッカーが伝えられたので、ショートパスがスタイルとなっていたのだね。

――その話も面白いですが、92年後に話を戻しましょう。

賀川:サッカーというのは古くから世界の交流がある。そして、それぞれの国のサッカーにはたいてい100余年の歴史があり、しかもその国の大衆のスポーツだから、とても早いうちから国際交流があった。3-4-3というマニアックな話も面白いが、キリンカップのように外国のいいチームとの交流のときには、ペルーの歴史とサッカー、チェコの欧州での立場とそのサッカーなどについても紹介するようにすれば、勝った負けた以外にもサッカーの別の面白さも見ることになるでしょう。試合前のチェコの国歌にしても、とても胸に響く歌い方だったしネ。


【つづく】

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6月1日 日本代表 vs ペルー代表(下)

2011/06/04(土)

キリンカップ2011
6月1日19時23分キックオフ(新潟・東北電力ビッグスワンスタジアム)
日本代表 0-0 ペルー代表

――前半の2本のシュートは、1本は右寄りのFKで、遠藤保仁がペナルティエリア外、中央左寄りにいる長谷部誠にパスをした。ゴール前に両チームの選手が集まっているのを見て、遠藤がそこへクロスを送るのでなくフリーの長谷部にパスをしました。

賀川:長谷部がダイレクトで右足シュートをしたが左へ外れた。彼は28分に奪ったボールを持って出て右足でシュートしたがバーを越えた。日本のシュートはこれだけだった。37分に西大伍の右からの長いクロスに岡崎慎司がファーポストで飛び込んだが、DFと競って結局得点にならなかった場面があった。

――いい攻撃でした。あれは岡崎-前田-長谷部と中央部でボールを動かし、長谷部が右オープンスペースへパスを出して西がクロスを上げたハズです。

賀川:その前の最初のプレーが良かった。後方からのパスを岡崎が中央右寄りのミッドフィールドでワンタッチで前を向き、相手をかわしてそこから中へドリブル。前方の前田に当て、彼はそのまま斜め左前、つまりファーポスト側へ動いた。前田が長谷部に落とし、長谷部が右へパス――という風につながったのだが、ポイントは岡崎が後方からのボールを受け前を向いたところにあった。ボールを受ける前にすでに半身の体勢になっていたから、プレーしやすい状態だったのだろうがね。

――中盤で一挙動で前を向いたことが、後につながったと?

賀川:後方からボールを受けるときに、相手を背にしてボールを止め、どちらかへ逃れるプレーがある。スクリーニングというのだが、どういうわけか日本選手はあまりやらない。

――来たボールをバックパスしますね。

賀川:自分で止めて前を向かない。マーク相手と距離があっても、です。

――いわゆる後方へパスして自分はどちらかへ動き、今度は前を向いてパスをもらうというやり方が多いです。

賀川:その日本のやり方は、対応する相手は皆知っている。そこを(バックパスを受けた者を)潰しに来る者もあるし、そこは放っておく場合もある。

――バルサでもバックパスをよく使いますが……

賀川:彼らの多くは、レベルの高い相手に対してボールを持てば優位に立つ力がある。例え相手を背にしていてもです。しかし、その技をいつ上手く使うかのために、バックパスも使う。こちら(日本)はそうではなく、まずバックパスありきなんだ。守っている相手は、これだといつもマーク相手とボールを視野に入れているから難しくはない。
 今の岡崎が前を向いた話は、そこから岡崎が一気にドリブルしてきたことで相手の守りの構えが違ってくる。だから、このときまでよく潰されていた前田が、受けてダイレクトで長谷部に渡すパスのやり取りも妨害なくスムーズにできたというわけ。ただし、フィニッシュのところで岡崎が飛び込んだとき、相手はGKと他のDFがいて彼と競り合っていた。それでミッドフィールドでちょっと工夫、あるいは無理をして前を向いてドリブルしたことでチャンスボールが来たことになる。

――中盤であまり無理はしない、という考え方もあるでしょう。

賀川:それも大切だが、いつも同じことをするのでなく、ときに変化をつけることも大切。もちろんスクリーニングに自信があってのことだがね。

――本田圭佑はどうでしたか?

賀川:ペナルティエリア外でボールを受けて、後ろからのファウルで倒されながら起き上がってシュートをしたプレーに、この選手の強さを見たでしょう。後半に彼がまず入って、チームが攻められるようになった。中盤から前でボールを奪われずに止められる選手がいることがどれほど大切かを皆に教えてくれた形となった。
 アジアカップの相手とペルーの選手では、ボールを奪い合うときの強さが少し違うと思う。本田は後半はじめに簡単にファルファンにボールを奪われ、奪い返そうとしてファウルで倒してしまった。ヨーロッパの選手とまた違った相手との接触を、このとき感じたのだろうね。もちろん、相手側も、さあというときはファウル覚悟で来る。

――全体として動きの量で勝てないのはコンディショニングの問題だったでしょうか

賀川:いつの試合でも、特に南米のチームと戦うときには、日本側の一人ひとりの体調、連係プレーの精度を高めないとそれぞれの局面で1対1になってやりにくくなる。もちろん、平素から個人能力のアップを心がけることも大切ですが――。

――うーん、そうですね。話は変わりますが、賀川さんはU-22の試合もご覧になっていましたよね。次のチェコ戦の前にこちらの話も聞きたいです。


【了】

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6月1日 日本代表 vs ペルー代表(上)

2011/06/03(金)

キリンカップ2011
6月1日19時23分キックオフ(新潟・東北電力ビッグスワンスタジアム)
日本代表 0-0 ペルー代表

――得点が無かったこと、特に前半は互いの攻め込みが少なかったことで、ちょっと物足りない試合でしたが……

賀川:うーむ。後半、本田圭佑長友佑都という“大物”が入って、李忠成も登場したから、新潟の観客にもテレビ観戦のサポーターにも良かったでしょう。
 試合そのものは相手がしっかりしていたので、なかなか締まったものになり、一つひとつのプレーはとても面白かった。終盤には圧倒的に攻め込まれ、強いシュートがバンバン飛んできてスリル満点だった。それでも守って、最後にはヤット(遠藤保仁)のFKの見せ場もあった。

――日本はあれが入っていれば万々歳?

賀川:まあ、そうはうまくゆかなくても、最後のFKの場面でも、本田が蹴るのか遠藤が蹴るのか、その推理だけでもわずかな時間、テレビの前、あるいはスタンドで楽しめた。サッカー的というより野球的な停止球での推理の楽しみも味わえたのだから、まあ、0-0でも私には色々な意味でとても面白かったよ。

――結論から聞きますが、なぜ1点も取れなかったのでしょう?

賀川:シュートチャンスが少なく、そのチャンスも完全ノーマーク、フリーというのは少なかったことが第一。

――日本のシュートは前半2本、後半3本(ペルーは前半3、後半5)。個人的には、前半は長谷部誠の2本、後半は遠藤の1本、本田の2本という記録になっています。

賀川:決定的なチャンスが少なかったのは、相手の運動量が落ちなかったためでしょう。日本のサッカーは運動量で勝ることが、まず、勝つための大きな条件だが、この試合ではそうではなかった。

――それはこちらのコンディションの問題もある?

賀川:合同練習は2日間、欧州組のうちドイツにいた者はシーズンが終わってもう少し先に帰国していたが、本田と長友は2日前まで試合をしていた。Jリーグ勢も、条件は必ずしも良くなかった。もう一つは、今度の合宿で戦術理解という話が出た。

――3-4-3ですか

賀川:新しいフォーメーションを採用すると、選手は、この特徴は何か――などを聞かされ、それの動きを説明される。しかも、この代表に初めて、あるいは久しぶりに加わった者もいる。となると、選手のなかには監督の意図通りの動きをしようとする者も出てくる。

――もちろん、選手は監督の指示に従うのは当然でしょう

賀川:選手は、自分のボールの持ち方や得意な止め方があり、また得意なキックの型がある。自分が与えられたピッチ上のどこのスペースでプレーするかにも関係してくる。ザッケローニ監督は色々説明したあと、ときには指示に捉われず自分で思い切ってやれ――という人だろうが、そうはいっても、選手は監督に色々語られると、それに頭がいって動きを自分で制限してしまうこともある。

――それが試合にあらわれた?

賀川:少し影響もしていたね。もう一つは、ペルー側が日本代表のことをよく知っていて、動きの量で負けないことを心掛けていた。このキリンカップでは6人まで交代できることになっている。ペルーは後半に5人を代え、新しい彼らの投入によって全体の運動量を落とさなかった。

――日本も6人を交代しました。

賀川:日本はケガの交代もあった。チーム全体の体調が万全とは言い難いうえに、相手の運動量が落ちなかった――。
 アジアカップの決勝でオーストラリアに勝ったとき、延長で李忠成のゴールが生まれたシーンを覚えていますか?

――素晴らしいボレーシュートでした。

賀川:あのころ、オーストラリアの選手たちは疲れ果てていて、長友は余裕を持って仕掛け、余裕を持って見事なクロスを李に送った。

――今度はそういう場面は少なかった。

賀川:長友は(イタリアからの)遠距離移動という相手と同じようなハンディを持っていたけれど、さすがに1対1は強い。攻めに出たとき、受けるボールの関係で奪われたことはあるが、最後の数分間に完全に押し込まれていたとき、彼が粘ったおかげで左サイドで日本ボールのスローインになったことがあった。ここから後ろへ回し、詰まったあと、川島のロングボールが前線へ飛んで岡崎慎司が取った。このあと本田が倒されてFKとなり、タイムアップ前の遠藤というスリルが生まれた。

――そうか。押し込まれていたなかで遠藤のFKがあり、皆が惜しい試合だったと思ったけれど、長友のディフェンスによるスローインがきっかけでしたか。

賀川:もちろん、皆の組織ディフェンスもありますがね……。私たちやサポーターは最後のFKのおかげで、押されっぱなしで引き分けたという印象から、ちょっと楽しい場面を見せてもらった。

――ということは、賀川さんは1対1の強さを強調したいのですね。まあサッカーでは当然のことで、フォーメーションも大事ですが、1対1の奪い合いで勝つことが大切ですからね。

賀川:ホームでの大会で、日本は当然、優勝するつもりでしょう。しかしアウェーのペルーにもちゃんとプランがある。第1戦はまず負けないこと。負ければ次のチェコとの試合に勝てば優勝のチャンスが来る。すると対チェコに高いモチベーションを維持して戦える。そのことが南米選手権を控えている彼らにもとても重要なことでしょう。だから後半はどんどん攻めてきて、1ゴールをもぎ取ろうとした。
 GK川島永嗣をはじめとする守備陣、いや、全員の頑張りでなんとか無失点に抑えたが、ゴールを奪われても――という場面もあったからね。


【つづく】

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【Result】6月1日 日本代表 vs ペルー代表

2011/06/02(木)

キリンカップ2011
6月1日19時23分キックオフ(新潟・東北電力ビッグスワンスタジアム)
日本代表 0-0 ペルー代表

【日本代表メンバー】
GK: 1川島永嗣
DF: 15今野泰幸、4栗原勇蔵、2伊野波雅彦→8森脇良太(75分)21安田理大→24興梠慎三(71分)
MF: 7遠藤保仁、17長谷部誠(Cap.)→13細貝萌(91分)20西大伍→18本田圭佑(46分)
FW: 11前田遼一→19李忠成(67分)16関口訓充→5長友佑都(67分)9岡崎慎司
SUB:23東口順昭、12西川周作、3槙野智章、6内田篤人、22吉田麻也、10家長昭博、14柴崎晃誠、25宇佐美貴史

【ペルー代表メンバー】
GK: 12サロモン・リブマン
DF: 3サンティアゴ・アカシエテ、16ルイス・アドビンクラ、19ヘスス・ラバナル→25ジョシマル・ジョトゥン(62分)13レンソ・レボレド、4ワルテル・ビルチェス(Cap.)
MF: 23アダン・バルビン→7ホセプミル・バジョン(62分)18リナルド・クルサード→27カルロス・ロバトン(73分)24クリスティアン・クエバ→22ウィリアム・チロケ(61分)20ルイス・ラミレス
FW: 10ジェフェルソン・ファルファン→9ラウル・ルイディアス(67分)
SUB:1ラウル・フェルナンデス、17ジャンカルロ・カルモナ、15クリスティアン・ラモス、8マイケル・ゲバラ


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