5月24日 日本代表 vs 韓国代表(上)
キリンチャレンジカップ2010
5月24日19時20分キックオフ(埼玉・埼玉スタジアム2002)
日本代表 0(0-1、0-1)2 韓国代表
得点 韓国:パク・チソン(6)パク・チュヨン(90'+1)
◆韓国戦のおかげで、本番3週間前の選手の体調が明らかに
――完敗でしたね。パク・チソンに6分に先制され、同点ゴールを狙って後半、前掛かりになったところをロスタイムにカウンターで2点目(PK)を奪われました。
賀川:試合そのものは面白かった。日韓戦らしく気迫のこもったプレーが見られた。2月以来の代表の試合に比べると、この点はとても良かったと思いますよ。
――それでも負けました。
賀川:いい負け方だったと思うよ。いつも言っているように、このチームは全員が揃って、しかもいいコンディションに仕上げて、気持ちのうえでも充実すれば相当なことができる。しかし、そういう条件のいくつかが欠けると、そうはゆかなくなる。
――闘莉王がいない、内田篤人がいない、そういえば松井大輔や稲本潤一もベンチにも入っていなかった。
賀川:内田の代わりに長友佑都を右に回し、左に今野泰幸を配した。闘莉王の代役には阿部勇樹をおいた。それぞれしっかりプレーしたが、どこか違っていて当たり前ですヨ。それよりも、チーム全体が韓国の激しいプレッシングに浮足立ってしまったからね。
――中村俊輔もよく奪われたし、本田圭佑も持ち堪えられませんでした。
賀川:相手のプレッシングが強くても、例えばこれまで、右サイドで俊輔と内田、時に岡崎慎司に遠藤保仁が加わったりするとボールを動かせてキープすることもできた――という見方もあるが、この日の韓国のプレッシングでどうだったか――。そういう意味で、せっかくの相手との試合に予定のメンバーを組めなかったのはもったいなかった。
――しかし、本番ではケガもありますから。常に同じメンバーとはいかないでしょう。
賀川:そう。選手たちはこれからの2週間で受験勉強をして、互いの呼吸が合うペアプレーやトリオの連係をつくらなくてはならない。無理とは思っていないがね、ただ、韓国ほど日本に対して真剣にプレッシングするところは少ないからね。それで、惜しい機会を逃したと言っているのです。南アフリカ大会のためだけでなく、選手たちにはいい経験だから。
――さすが、少年期から韓国のチームと試合をしてきた経験者の話ですね。
そういえば、賀川さんは韓国は対日本代表の「テ」を知っていると言っていましたが、それがこのプレッシング?
賀川:そう。プレッシングで追いこんで、いいパスを中盤から出させないようにする。奪ったら随所に1対1を仕掛ける。それも前へ走ってスピードを上げることで、彼らの体の粘っこさを生かそうとする。もちろん、ボールを上げることもそうだ。朝鮮半島の人たちは昔から、日本人は小さいと思っていた。今度の両チームのメンバーでも身長がずいぶん違った。
――公式のスターティングリストを見ると、韓国は平均身長182.2cm、体重75.5kg。日本は178cm、73.8kgでした。
賀川:ついでにいえば、韓国の24人の平均も182cm、76.4kg。日本の22人は178.6cm、74kgとなっている。ただし僕は、平均を出すやり方がいいとは思えないので、いつも私流の身長比較をする。
――185cm以上が何人、というのでしょう。
賀川:そう。今度の韓国の登録24人のうち、GKの3人を除くフィールドプレーヤーは
▽185cm以上 4人
▽180-184cm 12人
▽177-179cm 5人(合計21人)となっています。
――GKを勘定しないで、フィールドプレーヤーの高さを見るわけですね。
賀川:そう。日本側の、3人のGKを外した19人は
▽185cm以上 3人
▽180-184cm 3人
▽177-179cm 6人
▽174-176cm 3人
▽170-173cm 4人
――つまり、韓国は全て177cm以上で、180-184cmのクラスが12対4(人)と圧倒的に多い。
賀川:いま世界ではリオネル・メッシをはじめとするバルセロナの小型選手のプレーが注目されていて、必ずしも「大きいことはいいことだ」とは言わないのだが、スポーツの世界で180cmといえば昔の中肉中背という時代だからね。
――まあ、小型選手については賀川さん自身がそうだったから一家言あるでしょう。それは別にして、韓国の大きさもそこそこあって、その一人ひとりの足腰が強いというのはテレビでも充分見せつけられましたよ。
賀川:そういう韓国、日本の事情も知っていて、速く激しいプレッシングを仕かけてくるのに対して、埼玉では有効なプレーができなかったわけです。
【つづく】
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