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4月7日 日本代表 vs セルビア代表(上)

2010/04/08(木)

キリンチャレンジカップ2010
4月7日(大阪・長居スタジアム)19:24
日本代表 0(0-2 0-1)3 セルビア代表

*両チームのメンバーはこちら

100407program
日本対セルビア戦の公式プログラム。
原博実技術委員長のインタビューやセルビアサッカーの歴史、EXLILEのインタビューなど内容盛りだくさん。



――0-3の完敗。少しずつ良くなっているハズの日本代表が、セルビア代表の2軍、というより若手主体の代表に零敗ですからね。ガッカリしました。

賀川:まあ、そうも言えるだろうが、この前のバーレーン戦でもACLでもお話したように、今の日本代表は中村俊輔ヤット(遠藤保仁)をはじめとするレギュラーメンバーが揃い、調子が良くて運動量も多く、組合せの練習も充分というときに初めて実力の出るチームだから、その何人かがいなくて、しかも本番で戦う選手の何人かの当否をここで決めようというのだから、チーム全体のモチベーションとしても、必ずしも死力を尽くしてでも勝とう、点を取ろう、守り切ろう――といった気分ではないだろう。
 火曜日に試合前の練習があるというので新しい堺市立ナショナルトレーニングセンターまで見に行ったが、グラウンド全体にそういう気迫はなかったネ。

――Aマッチといっても親善試合ですからね。

賀川:ところが、相手のセルビア代表(B)はそうではない。この日の試合登録18人のうちの何人かは、南アフリカ行きのセルビア・フル代表にひょっとすると加えられるかもしれない、ということだった。

――セルビアの選手は、個人能力の高いことで知られています。

賀川:近ごろ不勉強で若い人ほど海外からの通信を読まなくなった私でも、ヨーロッパのビッグ5リーグで27人のセルビア人が働いていることは知っている。

――ビッグ5といえば、プレミアリーグ(イングランド)リーガエスパニョーラ(スペイン)セリエA(イタリア)ブンデスリーガ(ドイツ)と、少し落ちますがリーグ1(フランス)ですね。

賀川:そう。ことしの各国リーグのメンバーリストを見ると、イングランドとスペインで2人、イタリアで5人、ドイツは10人、フランスでは8人がプレーしているハズだ。その後、多少変わったかもしれないが、なかには、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)のセントラルディフェンダー(CDF)ネマニャ・ビディッチやインテル(イタリア)のMFデヤン・スタンコビッチ、バレンシア(スペイン)の長身202センチのニコラ・ジギッチといった、僕でも名前を知っているスターもいる。

――そういう、いわばチャンピオンズリーグの上の方に出てくるバリバリがいる、ということですね。日本にも今、本田圭佑がいますが。

賀川:彼と同じCSKAモスクワ所属のクラシッチもセルビアですヨ。もちろん日本にも中村俊輔というスターがいるのだが、要はそのレベル、そのすぐ下のレベルがセルビアにはぞろぞろいるわけ。長谷部誠のボルフスブルクにも、松井大輔のグルノーブルにもセルビア人が複数いる。

――来日した若手選手の意気込みが分かりますね。

賀川:実は、こういう条件のときの若手主力のチームは日本代表にとってとてもやりにくい。強い体、長いリーチを使ってバンバンぶつかってくる。東京五輪の前の強化試合で西ドイツ代表の若手選抜が来たときにも、大敗したことがある。ベテランのスター選手がいるチームよりも、日本選手にとっては体のハンディキャップがまともに出てくるから、スタンドで見ているより選手たちはやり難いのですヨ。

――そういえばテレビ解説者が、日本仕様のやり方ではこういうクラスを相手にするとボールを取られることが多い、速さもリーチも違うと言っていました。

賀川:しかも、このチームは日本と戦うためのしっかりした戦略を立ててきた。

――アウェーだからまず守備を厚く、ボールを奪われたら引きを早くする。

賀川:そう。監督さんのいう試合戦略にどこまで合わせられるか――というのも、上のチームに上がる選考基準になるから、トップの選手も奪われれば日本のDFにプレスをかけて押さえにかかり、その間に防御体制を素早く取る。そして日本のボールを奪うとカウンターに出る――というわけ。ごくシンプルだが対日本には最も効果的な戦略ですヨ。

――日本の選手にとっては、ボールを奪って前を向いたら相手のMF4人がいて、その背後にDF4人が控えている。背が高く構えが大きいし、リーチが長いから、パスを通す隙間を探すのに苦労する――というわけですね。

賀川:さすがに中村俊輔はタイミングを少しずらせたり、うまい持ち方をして隙間を作っていくつかの好パスを出していたね。

――前半20分には長友佑都からのクロスに興梠慎三と岡崎慎司が飛び込んで、岡崎がタッチした惜しい場面もありました。

賀川:例によって、なかなか点にはならなかったけれどね。


◆98年W杯の苦い経験。バックパスを奪われた失点


――こちらがパスをつないで攻めるのに対して、相手はカウンター1発で先制ゴールを決めました。

賀川:先制ゴールを見て、ボクは98年の岡田武史監督の日本代表がクロアチアに0-1で負けた、その決勝ゴールを思い出した。

――ワールドカップ(W杯)の第2戦でした。そういえば、あのとき頑張った名良橋晃さんが、ハーフタイムに場内の大画面のリプレーにコメントしていましたね。

賀川:12年前のあの試合は、この日の長居の寒さとは全然違っていて、ナントの会場はものすごく暑かった。暑さの苦手なクロアチアの選手たちはとても疲れていたが、日本の命取りとなった1点は、中田英寿のバックパスを奪ったクロアチアの攻撃からだった。

――今度も、バックパス。

賀川:そう、日本側がハーフラインでボールをキープし、俊輔が仲間からのパスを確かダイレクトで興梠に送った。相手のCDFミロバン・ミロビッチを背にボールを受けた興梠は、余裕が少しあったのに習慣的にダイレクトでバックパスをした。中村俊輔が上がってくると見ていたのだろうね。ところが俊輔よりも7番をつけたリュボミール・フェイサがその位置へ先に入ってきた。
 セルビアはおそらく、日本代表がトップに上がってからいったんバックパスをするのをチームとして把握していたのだろうし、また、試合が始まってすぐ、その傾向を確認したのだろう。

――いわれてみて、ビデオを見直しましたが、フェイサはためらうことなくそこへ戻っています。

賀川:そのあとが上手かったネ。奪ったボールはすぐにラドサフ・ペトロビッチに渡った。

――キャプテンですね。21歳の若さです。29歳のミロバン・ミロビッチをはじめ、24~26歳の選手もいるのに……。

賀川:彼のことはよく知らないが、多分、それだけ技もあり試合の流れも読める選手だから、若いのに主将になっているのだろう。彼がドリブルして日本のDFの裏へ小さく浮かせたボールを落とした。スタンドで見ていて、いいボールを出したなと思った。ドラガン・ムルジャという18番をつけたストライカーの位置がオフサイドでなかったとしたら、このパスで決まりというボールだった。

――というと?


【つづく】


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