【Preview】10月10~14日 日本代表 vs スコットランド、トーゴ代表(下)
キリンチャレンジカップ2009 ALL FOR 2010!
10月10日19時20分キックオフ(神奈川・日産スタジアム)日本代表 対 スコットランド代表
10月14日19時30分キックオフ(宮城・宮城スタジアム)日本代表 対 トーゴ代表
――賀川さんはいつも、岡崎慎司と中村憲剛に期待をかけているフシが見えますが?
賀川:岡崎は上背はともかくヘディングが上手だし、ニアへ飛び込んでゆくのが強い。足のシュートも練習すればまだ上達しますヨ。インサイドを使うのとインステップで蹴る使い分けがしっかりできるといいのだが……。飛び込み型で走り込んでのシュートのときにも体が崩れない強さがあるのがいい。
中村憲剛はプレーヤーとしての充実期のいま、点を取る意欲が湧き、そのためどこへ走り込めばよいかをつかんできた。
シュートの型を若いうちに身につけた――というわけではないが、何でも出来るプレーヤーだから、この位置ならこの形で蹴れば入る――とつかんでしまえばそこでのシュミレーション、反復練習で腕は上がる。
――本番の9ヶ月前でも、上手になると。
賀川:サッカーマガジンをはじめ多くの雑誌やテレビでの選手たちのインタビューを見聞すると、多数のプレーヤーがシュートの練習をはじめとする技術力アップや体力アップに取り組もうと言っているようだ。本番が近付いてからのレベルアップは、日本代表の成功例にいくつかあるけれど、私は1968年のメキシコ・オリンピックの本番の9ヶ月前に釜本邦茂が西ドイツのザールブリュッケンへ留学し、ユップ・デアバル・コーチのマンツーマンの2ヶ月の指導で一気に開花したのを見ている。
メキシコ五輪の銅メダルは高度対策をはじめ周到な準備と監督コーチ、選手たちの全員の頑張り、それをサポートしたJFAということになるが、そうした全体の努力があってもなおかつ、釜本邦茂のズバ抜けた得点力が必要だったことは、多くの人の認めるところだろう。その釜本は本番9ヶ月前にステップアップしたのですヨ。
――もともと、天性のストライカーという話でしたが……
賀川:もちろん彼は稀に見るゴールゲッターの素材だった。右も左もシュートできた。トラッピングも自ら工夫して上手になっていった。しかしそうしたいくつかの技術が組み合わされ見事にまとまって、シュートを成功するようになってゆく。その動きのスピードやまとまりの良さなどが一段上に上がった。
彼はこのステップアップのあと、あの5月の対アーセナル戦のスーパーゴールをはじめヨーロッパ遠征でプロの強チーム相手に点を取るようになって、チームの仲間から信頼を得たのですヨ。
――一番の点取り屋が国際クラスになったのは大きいですネ。
賀川:いまの代表に釜本がいるかといえば、彼のようなタイプのFWはまだ現れていない。しかし、本田圭佑は左足でボールを叩くことに関しては高校を出て名古屋グランパスに入ったときからすでに出色だった。オランダに行ってからパスだけでなくシュートすることを覚えて実体をつかんできた。
森本は動きのスピードという点で本田の頑健とはまた違ったものを持っている。そしてシュートそのものはイタリアでも注目されている選手です。
彼らがこのチームの中でどうすれば有効に働き、自らの特色を生かして、またチーム全体に貢献するかも、このシリーズで見えるでしょう。
――いままで頑張ってきたFWたちの進化と本田や森本という新しい選手への期待がふくらみますね。
賀川:1968年の古い話を持ち出したけれど、サッカーというのはいつの時代にもゴールを奪わなければ勝てないですからね。この秋の日本代表の3試合、とくにスコットランド、トーゴといったレベルの高いチームと戦う試合で、誰が、どのようなプレーを見せるかを、とても楽しみにしています。
【了】
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