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2009年10月

10月14日 日本代表 vs トーゴ代表(続々)

2009/10/20(火)

――代表が点を取れないという大合唱が始まり、いよいよそれが高まってきたときに岡崎慎司が現れ、実績を挙げ始めた。そして森本イタリアの実績は代表にも通じることを示した、ということですかね。

賀川:攻撃について、その構成はいろいろなやり方ができるようになった。点を取るためのサイドからの攻めもそうだ。タイミングやパスの精度が上がっているそこへ、絶えず飛び込み、飛び出しを狙い、そのタイミングを掴んでいる岡崎が出てきた。シュートもヘディングもうまい(左は右ほどでないが)。森本というCFタイプも現れた。
 二人に共通するのは体が強いこと。ヨーロッパの選手との競り合いにも簡単にバランスを崩さない粘りがあるし、バランスを失ったあとの修復力もあるようだ。
 森本は日本の昔の選手のように、剣道の“スリ足”を使っての短い距離の移動もできる。ゴール前の狭いエリアでも役立つ。ここしばらくの日本に欠けていたFWだといえる。彼に刺激され新しい発見をするFW選手も出てくるだろうと思う。

――そういう点では、今度のキリンチャレンジカップは大きな成果があったと。

賀川:本田圭佑も、代表に入ってここでプレーする意味や面白さが分かったと思う。ヨーロッパのように徹底的な1対1の戦いを基本にするところから、日本代表式のプレーになじみながらオランダで培った強さとキック力を生かすのにはどうすれば良いかを工夫するだろう。

――DF陣はあまり練習にならなかった。

賀川:DFだけでなくMF陣も、相手のプレッシングが少ないからボールを自在に動かせた。しかしこれはまた強い相手で経験すればよいことだ。アジアにだって、日本を相手にするのは中盤のプレスを強めるのがいい――と思っているところもあるしネ。
 前から代表に加わって当然と言われていた岩政が、CDFとしてもやってゆけることを示したが、DF、MFのユーティリティたちが10月シリーズでしっかり働いたのもよかったのじゃない。

――今度はJリーグでクラブでの練習ですね。

賀川:選手たちの、うまくなりたい、体をもっと鍛えたいという願いにクラブの指導者もJFAの技術委員と一緒に考えて練習を積んでいってほしいネ。


【了】

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10月14日 日本代表 vs トーゴ代表(続)

2009/10/19(月)

――トーゴ戦の話をもう少し。
 後半はあたまから大久保嘉人森本に代わり、本田圭佑が遠藤に代わりました。CDFは中澤佑二と田中マルクス闘莉王はそのまま。右の徳永悠平に代えて内田篤人が出場しました。終盤に石川直宏や佐藤寿人も入りました。

賀川:遠藤は体調がよくないということだった。日本のMF陣はいま絶頂期だが、年齢的にも大事な時期。それだけに故障も起こり得る。中村俊輔のプレーも相変わらずホレボレするが、ケガをしないことを祈りたいね。ただでさえ運動量の多い日本サッカーだから、海外の選手も含めて、代表の体調管理にはJFA(日本サッカー協会)も(クラブと協力して)気をつけて欲しいヨ。

――その後半の20分に、岡崎が3点目を取った。2試合連続ハットトリックだということですが……

賀川:オランダでの対ガーナでも、稲本からのロブをヘディングで決めていた。今度は右からの長谷部のクロスだったが、狙う位置もいいしヘディングもうまかった。相手が彼のプレーを防ぎにゆけず、見ているだけという感じだったのは感心しないが、かといって岡崎のヘディングのうまさ、いつも自分の点になる位置を狙う“気組み”の素晴らしさは賞讃して当然でしょう。

――ただし、彼自身、取り損ねたチャンスもありました。チーム全体にも、こういうときに点を取っておきたいという「点にならないチャンス」も少なくなかった。

賀川:シュートのタイミングの問題、そしてシュートのときのインパクト(ボールの捉え方)といった基本的な問題もある。日本代表のFWといっても、成長期に自分のシュートの型をきっちりと作り上げてきたかどうかについては及第点といえない者もあるからね。一人ひとり個々の技術についてはここでは言わないが、一般的に指導者が若い選手のシュート練習のときになぜシュートがバーを越すのか、なぜ右へ外れたのか、なぜみすみすGK(ゴールキーパー)の正面へ行ったのか(強くてはじくようなボールでないのに)などについて、その理由を選手とともに考え、指導し、修正しているかだろうね。

――走り込んでのシュート練習や反転してのシュートなどもやっているのですかね。

賀川:横浜の対スコットランド戦にでかけるとき偶然、釜本邦茂さんに会ったヨ。近頃は子どもたちの指導に身を入れているようだが、彼の話によると、やはり一般的にはボールを回す練習時間が多く、ゴールを目指す練習が少ないところが多いと言っていた。


【つづく】

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10月14日 日本代表 vs トーゴ代表(下)

2009/10/18(日)

対トーゴ戦、5得点の評価


■ボールが動いている間の森本の動き

――そういえば、長友が森本にパスを出す前の、ボールの動かし方が面白かったと?

賀川:まず長友のドリブルにはじまり、10本以上のパスを交換してボールを動かしておいたあと、最後に遠藤と俊輔のリターンパスから遠藤がダイレクトで再び左前の長友に送り、ここで長友がパスを森本に送ったのだが、ボールを動かして相手の目を引き付けている間に森本が少しずつ動いて自分のポジションをずらせ、ボールが長友に渡ったときはマーク相手のアキンソラの前(ボールのニアサイド)へ入ってボールを受けている。

――いつもいう、ストライカーはいったん消えて出てくるというヤツですね。

賀川:21歳の彼はそのコツを知っているところがいい。彼のターンにアキンソラはついてゆけず、もう一人のDFマンゴが絡みにきたがダメだった。

――もちろん、これがオランダ代表のDFだったらどうかとか、相手のコンディションがもっと良かったらどうなのか――という話にはなりますが……

賀川:だからといって、森本がこうしたプレーを日常的にできるという値打ちを下げることにはならない。もっと上のクラスに通じるかどうかはやってみればいいわけだから。そして、そういう相手との試合でも、何回かやれて、それが成功すればいいわけなんですヨ。

――やっぱりストライカーの話になると力が入りますね。


【了】

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10月14日 日本代表 vs トーゴ代表(中)

2009/10/17(土)

対トーゴ戦、5得点の評価


――NHKのテレビでは解説者の山本昌邦さん(元・日本代表コーチ)が、ペナルティエリアぎりぎりからのクロスだったら距離が短くて、それだけ到達する時間が短く、相手DFに対応する余裕がない、だから効果的と言っていましたね。

賀川:そう、そのとおり。ボクたち神戸一中の中学生は非力だったから、右タッチ沿いからのクロスが中央に届くのは時間がかかるだけでなく、蹴るのも力んでコントロールが難しい。ペナルティエリアの根っこからだと、ゴールの中央までたかだか20メートルで楽にコントロールパスができるということもあった。当時はそれほど理屈をいうのでなく、そのあたりからやればうまくゆくと思っていたので、チーム全体では攻めるときはペナルティエリアの左右の幅を使うという風に考えていた。

――いまのガンバの攻撃がそうですね。

賀川:いつの時代でも考えることはあまり変わりませんヨ。ただし、いまの代表は何度も言うようにそう、色々なテというより一つ、外からの速いクロスパス、それも人に合わせるというよりスペースへ送り込む――ということに重点を置いているようだ。

――それが得点を生むことを試合で見せたのですね。

賀川:そう。前半の11分で3ゴールした。最初の得点は5分に遠藤が左から斜め前へ速いクロスを送り、これを森本がコースに入って相手DFが潰れる形となってボールを通し、その背後へ出てきたボールを岡崎が右足で合わせてゴールを奪った。一つのボールのコースに二人のFWが入ってきた効果で、森本がノータッチでいったのが意図的かどうかは別にしていいプレーだった。

――エリア内での相手の多数防御を破る一つのテは、パスでかわすことでなくボールのコースにいる相手を妨害すること、つまり潰すこと――だとよく言ってましたね。

賀川:どこの国のFWでも常識の一つだが、二人のトップが初めて組んだ公式試合で演じたところが、うれしいネ。まあこのときに、岡崎が反応しているのに、岡崎をマークしていた相手が無反応だったところに手放しで喜べないところもあるのだが……



■飛び出す岡崎の本領とパートナー・森本


――2点目も岡崎。中村憲剛の右からのクロスでした。

賀川:7分の得点だネ。右CKで俊輔と憲剛のパスのやり取りのあと、いったん後ろにボールを下げておいて俊輔-遠藤のやり取りがあって、闘莉王が右前にいる憲剛へ送る――という日本のMFらしいタイミングのずらせ方で、憲剛がノーマークで受けすぐにクロスを送って岡崎がニアへ走って右足インサイド(かかと)で決めた。相手もついてきたが、余裕があった。
 このとき、ビデオを見直すと、ペナルティエリア中央少し入ったところにいた森本と岡崎の二人が、憲剛へボールが出たとき右斜めつまりニアへ走ったが、森本は岡崎が近いのを見てファーへ方向を変えた。このあたりはサッカーを知ってるナという感じ……。

――3点目が森本のターンとシュートですね。

賀川:簡単にいえば長友から送られたゴールラインに並行のクロスをゴールを背にして左で止め、右へ出て右足でシュートした。相手DFに絡まれたがそれを振り切ってシュートをゴール左下へ決めた。

――代表初得点、彼の株がまた上がりましたね。

賀川:ゴールを背にしてボールを止めターンしてシュートへ持ってゆくこの形は、対スコットランド戦と同じ方向変換だが、今回はスペースがあるので大きなターンをして蹴っている。ニュースか何かの場面で彼は左へも開いてシュートしたシーンを見たことがあるから、反転シュートはどちらの側も出来るのじゃないかネ。そして彼はこのとき、蹴り足のインパクトがきちんとボールを捉えている。ここが彼のストライカーとしての一つの資質だといえる。いまの日本の選手はせっかくいいところへ出てきてもシュートするときに足首が寝ていることが多い。

――賀川さん流の言い方ですね。“寝ている”というのはインステップで蹴っていないということですか?

賀川:まあテレビのスロー再生をみて、もう一度確かめて下さい。森本はきちんと叩いているハズですヨ。


【つづく】

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10月14日 日本代表 vs トーゴ代表(上)

2009/10/16(金)

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スコットランド、トーゴ戦のマッチデープログラム


対トーゴ戦、5得点の評価


キリンチャレンジカップリンカップサッカー2009~ALLFOR2010!~
10月14日(宮城・宮城スタジアム)19:35
日本代表 5(3-0 2-0)0 トーゴ代表
得点者:岡崎(日5分、8分、65分)森本(日11分)本田(日85分)

 *両チームのメンバーはこちら


――森本貴幸岡崎慎司の2トップが実現しましたね。

賀川:いまの勢いを見れば、誰もが2トップを組ませてみたいと思うでしょう。
 長谷部誠、遠藤保仁、中村俊輔、中村憲剛のMFにこの2トップ、そして右に徳永悠平、左に長友佑都と配した先発メンバーを見ると、ちょっとワクワクしたでしょう。

――右サイドが内田篤人でなかったのは……

賀川:内田の体調もあっただろうし、こういうときに徳永を出しておきたいという(監督の)意図があったのだろう。FC東京の徳永は国見高校、早大のころから注目されていた。180センチで大きい方ではないが、小さくはない(内田は176センチ)。体も強い。長い疾走を繰り返すこのポジションの選手は試合中の交代にも必要になる場合もある。また、相手選手との相性もあって、違ったタイプがいてもいい。この時期に彼が登場するようになったのはいいことだと思っていますヨ。

――5-0と大量点になりましたが、トーゴ代表がワールドカップ(W杯)予選に負けた直後で気落ちしていたこと、アデバヨールをはじめレギュラーが来日しなかったことで、“喜びもなかばなり”という感じでした。

賀川:強化試合としてあまり役に立たない――という人もいたネ。マッチメークはそう易しいものではないが、もう少し頑張れる相手を選びたかったヨネ。来日してくれた選手たちにとっても、慣れない遠距離移動もあって大変だったハズです。


■サイド攻撃の狙い


――といって全く、5ゴールの評価はそれ相応のものがありますか?

賀川:キリンチャレンジカップ第1戦、対スコットランドの2ゴールが全て、右サイドの駒野友一からの速いクロスだった。これに見られるように、速いクロスを相手のゴールキーパー(GK)とDFラインの間に入れてそれに合わせるという攻撃を、ここしばらく代表は強調し、練習しているらしい。

――それも賀川さんのいうペナルティエリアすぐ外、あるいはせいぜい10メートルぐらいの外からのクロスというわけですね。

賀川:うーむ。今回は必ずしもそうではないが……

――2008年の欧州選手権(EURO2008)でスペイン代表が演じたペナルティエリア内での攻めが、小柄な選手の多いスペインらしくて日本でもこのやり方がいいという人も増えているそうですが。

賀川:それをいうなら、1940年代からすでにその傾向はあったヨ。私たちは少年の頃、ペナルティエリアの根っこ、つまりペナルティエリアの縦のラインとゴールラインとの接点へは外から入る、あるいは揺さぶってそこから仕掛けるのが一つの手法だったからネ。
そんな昔話はとにかくとして、いまの代表の狙いはそこまでペナルティエリアに近づかなくてもDFラインとGKの間にスペースがあればそこへ速いボールを送り込むというのが、とりあえずのテのようだネ。


【つづく】

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【Result】10月14日 日本代表 vs トーゴ代表

2009/10/14(水)

キリンチャレンジカップサッカー2009~ALLFOR2010!~
10月14日(宮城・宮城スタジアム)19:35
日本代表 5(3-0 2-0)0 トーゴ代表
得点者:岡崎(日5分、8分、65分)森本(日11分)本田(日85分)

【日本代表メンバー】
GK: 1川島永嗣
DF: 22中澤佑二(Cap.)4田中マルクス闘莉王、24徳永悠平→6内田篤人(46分)25長友佑都
MF: 10中村俊輔→21石川直宏(82分)7遠藤保仁→20本田圭佑(46分)14中村憲剛→15今野泰幸(69分)17長谷部誠
FW: 9岡崎慎司→13佐藤寿人(78分)28森本貴幸→16大久保嘉人(46分)
SUB:18西川周作、3駒野友一、26岩下敬輔、5稲本潤一、8松井大輔、

【トーゴ代表メンバー】
GK: 1ドジ・オビラレ(Cap.)
DF: 13セナ・マンゴ、5セルジュ・アカッポ、12ブサリ・アキンソラ、6アシミウ・トゥレ→3ジョナタン・トクプレ(78分)2マニエマ・タワリ
MF: 14サポル・マニ、8ギヨーム・ブレネール、10ユロージュ・アホディクペ→11ドヴェ・ウォメ(69分)
FW: 7リアベ・クパトゥンビ、18セルジュ・ガクペ
SUB:16オモル・ジャバカティエ

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10月10日 日本代表 vs スコットランド代表(4)

2009/10/14(水)

――さて、アジアカップ予選の対香港戦と、このキリンチャレンジカップの対スコットランドの2試合を見ての総まとめは?

賀川:岡田武史監督がオシムの後を継いで最初に日本代表の試合をしたのが2008年1月26日のキリンチャレンジカップ、対チリ戦だった。31試合(~オランダ遠征)をして、その中でFIFAワールドカップ・アジア3次予選6試合(4勝1分け1敗、得点12失点3)アジア最終予選8試合(4勝3分け1敗、得点11失点6)を勝ち上がって南アフリカ大会への出場権を握った。
 アジアの予選では一貫して速く組織的で運動量の多い攻守を心掛けてきた。そして守りではときに1対1の場面で防ぎ切れず失点し、攻撃はチャンスの作り方は良くなってきたがフィニッシュがまずいことがはっきりした。

――そこでメディアも各クラブのコーチも異口同音に「思い切ってシュートを」と叫び出した。

賀川:ボールを止める、正確で強いシュートあるいはコントロールシュートができるという基礎はともかく、代表もJリーグもゴールを狙う積極性が出てきた。少しずつ代表の得点力もアップしているように見えたが……

――9月にオランダに完敗しました。

賀川:まあ、その次のガーナ戦では、相手のコンディションもあったが4ゴールした。勢いのついた代表は、だからオランダ戦の無得点も自分たちで嘆くのでなく、いい勉強で、プラスにしようと考えた。

――スコットランドはオランダよりも弱くても、さらに上昇への足掛かりとなりましたか?

賀川:組織的なパス交換でキープすることと同時に、対スコットランドでは個々の仕掛けのドリブルやシュートの気配をちらつかせるドリブルというものの効果を見られるようになった。本田や森本たちが加わったことで、日本代表にも新たなバリエーションが少し増えた感じだネ。

――少しだけ?

賀川:まだまだ代表はよくなるだろう。選手たちも、いまサッカーが面白いときでレベルアップすると思いますヨ。


【了】

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10月10日 日本代表 vs スコットランド代表(3)

2009/10/14(水)

賀川:代表チーム全体としては、初のCDFフル出場の岩政に安定感があり、阿部勇樹もしっかりした守りを見せていた。徳永も相手のサイドからの突破に競り負けなかった。交代メンバーが入ってから、中村憲剛が今野とともにボランチに入り、ボールの回りがスムースになって、左の松井と右の本田というキープ力のある人の前に、それまでワントップだった森本が大久保と2トップの形になり、ボールタッチの回数が増えた。
 タイムアップ間際の2点目は、日本のGK川島からのロングボールを森本がDFとヘディングを競るところから始まった。相手陣25ヤードでの競り合いヘッドは相手DFが取った。が、ボールは今野がヘディングで前へ、相手側に渡ろうとしたのを
 (1)森本が鋭い速い動きで自分のものにし
 (2)中村に渡した。中村はこれを左の今野に
 (3)今野からさらに左の駒野へとパスがつながる。
 (4)駒野が短くドリブルして、中へ速いグラウンダーのパスを送ると、そこに森本がいた。
 (5)森本は左ポスト前ゴールエリアの手前にいて、ゴールに背を向けた形でこのボールを左で止めて右足でシュート
 (6)このシュートがDFの足に当たって転がったのが本田の足元へ。
 (7)彼は左足サイドキックでしっかりボールをとらえてゴール右ポストぎりぎりに蹴り込んだ

――反転シュートという、いつも話題にしているストライカーの技術が森本クンのところで出てきましたね。

賀川:得点の一つのチャンスはゴールを背にしているとき――と、前にも話しました。ことしのコンフェデ杯決勝で、ブラジルのルイス・ファビアーノ(セビリア)が後方からのボールを相手DFを背に止めて左足でシュートしてゴールしたのがブラジルの勝因の一つと語りもし、書きもしました。こういうプレーはストライカーとしては必須科目のプレーの一つですが、森本はごく普通にこういうシュートをすることもできることをみせたのです。彼のマーク相手でなく一つ下がったポジションにいたDFの足に当たってリバウンドし、それが本田のところへ転がっていったのが良かったのですが、こういう場面をつくれるようになってきたところに、日本の進化があるといえる。
 そう、このときの森本が、1点目と同じポジションでなく中村にボールを渡したあと、いったんファーポスト側へ動いておいて、駒野からのパスが来るときにはニアサイドへ入ってきているところも注目しておきたい。

――いったん消えて出てくるやり方ですね。
 試合後の岡田監督の談話で、色々ないい選手がいいプレーをするようになって、選手選出に嬉しい悩みが出てきたとありました。

賀川:そう、誰と誰が組めばどういう風になるか。私は森本や本田という新しい素材が入ってきたこと、2人とも個人的にキープとキックがしっかりしていることがとても嬉しい。そして、森本という、これまでになかった(大柄とはいえないが)CFタイプの体も技術もしっかりした若いFWが加わったことで、いよいよ日本のサッカーは楽しく強くなると思ったのです。もちろん、DFに岩政だけでなくもう一人くらい大型が欲しいのと、このFWの争いに平山相太が加わっていないことに、本人へというより日本サッカー全体への不満はありますがネ。

――中村憲剛がよく働いていましたが、得点できなかったことについても。

賀川:これは別の機会にしましょう。彼は自分で反省しているだろうが、俊輔も遠藤もいないこの日のメンバーでは、彼の仕事の比重が別の方にかかっただろうからね。
 なんといっても、日本代表の試合のやり方では体力の消耗が激しい。いくら練習を積んでも、その日の調子の問題もあるので、試合中の選手交代も大切だし、ひとつの短期間の大会では途中でメンバーを大幅に変えなければならないときもある。だからいまはどれだけのトップクラスが互いにどれだけ相互理解をするかが大切。そのために、一つの試合や合宿によって「あうん」の呼吸のパスや守りができるメンバーが増えなければならないのですヨ。

――その意味で、このキリンチャレンジカップはいいチャンスですね。

賀川:そう、もうひと試合、仙台でのトーゴ戦があるからね。


【つづく】

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10月10日 日本代表 vs スコットランド代表(2)

2009/10/13(火)

――日本の2ゴールは……

賀川:1点目も2点目も森本の仕掛けで始まったのが面白かった。

――ふーん。

賀川:このゴール(82分)の1分前に、代表チームに選手交代があった。稲本潤一を駒野友一に代えた。

――稲本はキャプテン章を腕につけて、この試合ではずいぶん頑張っていました。

賀川:彼はガーナ戦(9月9日)とこの試合で日本のサポーターにも稲本復活を印象付けた。この試合でも良かったが、疲れが見えはじめていた。試合後の話では足がつりそうになっていたらしい。それを見て監督は稲本をひっこめた。ボランチはそれまで左DFだった今野泰幸をあて、左サイドに駒野を置いた。すでに右サイドは内田篤人を徳永悠平に代えていた。同時に橋本英郎大久保嘉人に代わっていた(65分)。この辺りが、交代プランをよく考えているという感じだった。81分の駒野の登場は明らかに、駒野からのクロスという戦術的な目論見(もくろみ)があったハズ。

――そういう布陣で、左サイドの相手スローインのボールを奪って森本がドリブルを始めた。

賀川:左タッチ際で松井が自分のミスでスローインにしてしまった。この相手のスローインを松井と森本とで奪って、
 (1)森本が外から内へ向かってドリブルし
 (2)ペナルティエリア左角から少し中央へ寄ったところで突破できないとみてゴール正面25mの本田にパスした
 (3)本田はパスを受け、ちょっと右への小さなフェイクのあと、左へボールを動かしてシュートの構えに入ろうとしたが、相手の一人に体を寄せられ、その背後にも2人のDFがいたからシュートを諦めて左へパスを出す

――森本が外から内へドリブルして、今度は本田が中央から左へシュートチャンスを狙う……。エリアすぐ近くの攻防の面白いところですね。

賀川:もちろん実際はほんのわずかな時間のことだが、2人の仕掛けに対してスコットランドのDFが防ぎに入る――。サッカーの一つのスリルですヨ。
 そして、このシュートチャンスは無理とみて本田が左外へ一度ボールを散らす。

――そこに駒野がいるわけだ。

賀川:そう。駒野はこれをペナルティエリア左外7~8m、ゴールラインから12~13m辺りで左足のダイレクトで蹴った。

――サイドからの速いボールということですね。

賀川:この前に、本田にパスを送った森本は、本田が中央から左へ流れているうちに左前から中央へ、さらに少し右へとボールを見ながらポジションを移していた。テレビのリピートをスローで見ると、ボールが駒野に渡る前に森本は手を挙げて駒野に自分のポジションを知らせている。

――駒野は狙ったのかな

賀川:駒野がボールを少し浮かそうとしたのをみれば、森本へ届かせようと思ったかもしれない。しかしボールは高くは上がらず、低いライナーでゴール前を通った。それを防ごうとDFクリストフ・ベラが足で止めようとしたが無理だった。足に当たってボールはゴールに飛び込んだ。

――テレビの解説ではセルジオ越後さんが、ベラは背後に森本が来ていることを知って、防ごうとしたんだろうと言っていましたよ。

賀川:そうだろうね。スローで森本が手を挙げたあたりから、そのマーク役であるCDFの彼は森本の気配は察知していただろう。
 森本がゴール前を、本田のドリブルの方向とは逆にスタスタという感じで右へ開いていったところが、やっぱりなぁ――という感じがした。いいポジションへ入ってチャンスを待つというのが、このCFタイプのストライカーの一つの条件だからね。

――オウンゴールではありましたが、森本が仕掛けて、最後のチャンスにも顔を出そうとしたところに賀川さんは森本の存在感を見たわけですね。


【つづく】

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10月10日 日本代表 vs スコットランド代表(1)

2009/10/12(月)

091020 

試合会場では、売店のドリンクカップも大会仕様


キリンチャレンジカップサッカー2009~ALLFOR2010!~
10月10日(神奈川・日産スタジアム)19:21
日本代表 2(0-0 2-0)0 スコットランド代表
得点者:オウンゴール(日 82分)本田(日 90+分)

 *両チームのメンバーはこちら


――森本、良かったですね。キリンチャレンジカップ第1戦の次の日の新聞の見出しは森本貴幸(もりもと・たかゆき)でした。

賀川:横浜スタジアムに集まった6万1,285人の観客のほとんども、彼に期待していたのだろう。56分(後半11分)に前田遼一と交代で森本の名が告げられたとき、すごい歓声が上がったからネ。

――賀川さんがわざわざ腰の痛みをおして芦屋から出かけたのも、ナマの彼を見るためだったんでしょう?

賀川:日本代表の試合のなかでも、10日の試合は大切なものになると思っていた。森本のプレーを私は残念ながらこれまでナマで見ていない。映像でもほんのチラリ程度だった。ただし、そのチラリでも、彼が左足でシュートする場面はとても魅力的だった。体がしっかりしていて足の振りが速い。180センチで特別に大きい方ではないが、いまの多くの日本代表のFWと比べると上背もある方だ。それに動きが速い――ということもあって、ぜひナマで見たいと思っていた。

――で、良かった?

賀川:試合に出た時間は30分少々だったが、良かったネ。岡田武史監督は運がいいと思った。10年以上も前になるが、ナマの中田英寿を大阪の長居で初めて見た(97年6月15日、キリンカップサッカー97第2戦1-0トルコ)とき、これで日本代表はフランス・ワールドカップに行けるだろうと思ったのと同じ感じですヨ。あのとき、中田は中盤の軸になるだろうと思った。
 そのころから日本はMF陣に人材が集まるようになった。いまの代表もMF陣はなかなかのものだが、FW難――とくにむかしでいうセンターフォワード(CF)タイプ――が続いてきた。そこへ森本貴幸が現れたということだ。

――30分間でそんなに良い印象ですか。

賀川:本当のところは、もっと長く見たかった。野次馬的に言えば、岡田監督に「出し惜しみしないでよ」と言いたいところだが……。

――監督には監督の都合や手順が……

賀川:もちろんだ。アジアカップは公式試合だから、香港とは力の差はあると知っていても、やはりキッチリと勝っておきたいこともあるだろうし、2戦目にこれまでの控えのメンバーを主に出場させて、3戦目の対トーゴで本番のMF陣と新しい攻撃プレーヤーの組み合わせを考えたのだろう。

――岡田監督のことはよくご存じですからね。

賀川:思い切りもいいが、非常に綿密に練って考えるようだからね。まあ私とすれば、横浜で30分間であっても見せてもらったのがとても良かったヨ。
 10月10日は1964年の東京オリンピック開幕の日。それを体育の日という祝日にしていたが、私にもこのキリンチャレンジカップの日は12年前の6月のキリンカップで中田を見た嬉しさに匹敵する。

――2得点に絡みました。

賀川:日本代表の2得点とも、試合の終盤だった。

――コメンテイターの中に、相手の動きが落ちてきたからだと言っている人がいました。

賀川:そのとおり。それに違いないが、とにかくゴールはゴール。いくらベストメンバーでないといってもスコットランド代表で、少なくとも香港よりは上。長旅の疲れやW杯予選を戦った(結局は本大会には出場できないが)主力が6人欠けた――ということはあっても、ここのプレーヤーは真面目に、懸命にプレーをする。その点はまことに素晴らしい。その彼らを相手に、いわば日本代表のリザーブメンバーに途中から森本を入れたチームで2-0で勝ったのは立派なものですヨ。


【つづく】

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【Result】10月10日 日本代表 vs スコットランド代表 ほか

2009/10/10(土)

キリンチャレンジカップサッカー2009~ALLFOR2010!~
10月10日(神奈川・日産スタジアム)19:21
日本代表 2(0-0 2-0)0 スコットランド代表
得点者:オウンゴール(日 82分)本田(日 90+分)

【日本代表メンバー】
GK: 1川島永嗣
DF: 2阿部勇樹、12今野泰幸、15岩政大樹、6内田篤人→24徳永悠平(65分)
MF: 27橋本英郎→16大久保嘉人(65分)5稲本潤一(cap.)→3駒野友一(81分)14中村憲剛、21石川直宏→8松井大輔(65分)20本田圭佑
FW: 19前田遼一→28森本貴幸(56分)
SUB:23山本海人、4田中マルクス闘莉王、26岩下敬輔、10中村俊輔、7遠藤保仁、13佐藤寿人

【スコットランド代表メンバー】
GK: 1クレイグ・ゴードン
DF: 13クリストフ・ベラ、5ガリー・コルドウェル、4スティーブン・マクマナス(Cap.)3スティーブン・ホイッテカー、15リー・ウォレス
MF: 10チャールズ・アダム→6スティーブン・ヒューズ(67分)8グラハム・ドランズ、18ロス・ウォレス→19ドン・コウィ(46分)11ロス・ウォレス→16デレク・リオーダン(74分)
FW: 17リー・ミラー→9スティーブン・フレッチャー(46分)
SUB:21ジェイミー・ラングフィールド、12デービッド・マーシャル、14ダレン・バー


AFCアジアカップ2011カタール予選
10月8日(静岡・アウトソーシングスタジアム日本平)19:20
日本代表 6(2-0 4-0)0 香港代表
得点者:岡崎(日 18、75、78分)長友(日 29分)中澤(日 51分)闘莉王(日 67分)

【日本代表メンバー】
GK: 35西川周作
DF: 3駒野友一→36徳永悠平(60分)4田中マルクス闘莉王、22中澤佑二(cap.)25長友佑都
MF: 7遠藤保仁、10中村俊輔、17長谷部誠、
FW: 11玉田圭司→8松井大輔(33分)16大久保嘉人→27佐藤寿人(75分)33岡崎慎司
SUB:23川島永嗣、5稲本潤一、15今野泰幸、57本田圭佑

【香港代表メンバー】
GK: 28張春暉
DF: 2李志豪、24鄧景煌、30高尼路(Cap.)32沈國輝→5利偉倫(53分)
MF: 12盧均宜、23林嘉緯→21李威廉(69分)29李康廉、35白鶴
FW: 7陳肇麒、26巣鵬飛→6高文(46分)
SUB:27葉鴻輝、13張健峰、25黄展鴻、8徐德帥

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【Preview】10月10~14日 日本代表 vs スコットランド、トーゴ代表(下)

2009/10/08(木)

キリンチャレンジカップ2009 ALL FOR 2010!
10月10日19時20分キックオフ(神奈川・日産スタジアム)日本代表 対 スコットランド代表
10月14日19時30分キックオフ(宮城・宮城スタジアム)日本代表 対 トーゴ代表


――賀川さんはいつも、岡崎慎司と中村憲剛に期待をかけているフシが見えますが?

賀川:岡崎は上背はともかくヘディングが上手だし、ニアへ飛び込んでゆくのが強い。足のシュートも練習すればまだ上達しますヨ。インサイドを使うのとインステップで蹴る使い分けがしっかりできるといいのだが……。飛び込み型で走り込んでのシュートのときにも体が崩れない強さがあるのがいい。

 中村憲剛はプレーヤーとしての充実期のいま、点を取る意欲が湧き、そのためどこへ走り込めばよいかをつかんできた。
 シュートの型を若いうちに身につけた――というわけではないが、何でも出来るプレーヤーだから、この位置ならこの形で蹴れば入る――とつかんでしまえばそこでのシュミレーション、反復練習で腕は上がる。

――本番の9ヶ月前でも、上手になると。

賀川:サッカーマガジンをはじめ多くの雑誌やテレビでの選手たちのインタビューを見聞すると、多数のプレーヤーがシュートの練習をはじめとする技術力アップや体力アップに取り組もうと言っているようだ。本番が近付いてからのレベルアップは、日本代表の成功例にいくつかあるけれど、私は1968年のメキシコ・オリンピックの本番の9ヶ月前に釜本邦茂が西ドイツのザールブリュッケンへ留学し、ユップ・デアバル・コーチのマンツーマンの2ヶ月の指導で一気に開花したのを見ている。
 メキシコ五輪の銅メダルは高度対策をはじめ周到な準備と監督コーチ、選手たちの全員の頑張り、それをサポートしたJFAということになるが、そうした全体の努力があってもなおかつ、釜本邦茂のズバ抜けた得点力が必要だったことは、多くの人の認めるところだろう。その釜本は本番9ヶ月前にステップアップしたのですヨ。

――もともと、天性のストライカーという話でしたが……

賀川:もちろん彼は稀に見るゴールゲッターの素材だった。右も左もシュートできた。トラッピングも自ら工夫して上手になっていった。しかしそうしたいくつかの技術が組み合わされ見事にまとまって、シュートを成功するようになってゆく。その動きのスピードやまとまりの良さなどが一段上に上がった。
 彼はこのステップアップのあと、あの5月の対アーセナル戦のスーパーゴールをはじめヨーロッパ遠征でプロの強チーム相手に点を取るようになって、チームの仲間から信頼を得たのですヨ。

――一番の点取り屋が国際クラスになったのは大きいですネ。

賀川:いまの代表に釜本がいるかといえば、彼のようなタイプのFWはまだ現れていない。しかし、本田圭佑は左足でボールを叩くことに関しては高校を出て名古屋グランパスに入ったときからすでに出色だった。オランダに行ってからパスだけでなくシュートすることを覚えて実体をつかんできた。
 森本は動きのスピードという点で本田の頑健とはまた違ったものを持っている。そしてシュートそのものはイタリアでも注目されている選手です。
 彼らがこのチームの中でどうすれば有効に働き、自らの特色を生かして、またチーム全体に貢献するかも、このシリーズで見えるでしょう。

――いままで頑張ってきたFWたちの進化と本田や森本という新しい選手への期待がふくらみますね。

賀川:1968年の古い話を持ち出したけれど、サッカーというのはいつの時代にもゴールを奪わなければ勝てないですからね。この秋の日本代表の3試合、とくにスコットランドトーゴといったレベルの高いチームと戦う試合で、誰が、どのようなプレーを見せるかを、とても楽しみにしています。


【了】

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【Preview】10月10~14日 日本代表 vs スコットランド、トーゴ代表(上)

2009/10/07(水)

キリンチャレンジカップ2009 ALL FOR 2010!
10月10日19時20分キックオフ(神奈川・日産スタジアム)日本代表 対 スコットランド代表
10月14日19時30分キックオフ(宮城・宮城スタジアム)日本代表 対 トーゴ代表



――28人の選手を選んでの日本代表は8日からの1週間、3試合を戦います。イタリアでプレーしている森本貴幸(カターニャ)やオランダで活躍中の本田圭佑(フェンロ)も加わっていますね。

賀川:中村俊輔(エスパニョール)稲本潤一(レーヌ)松井大輔(グルノーブル)長谷部誠(ボルフスブルク)も呼んでいる。

――GKも楢崎正剛の故障もあって、山本海人清水西川周作大分)の2人を入れています。

賀川:ワールドカップ(W杯)まであと9ヶ月だから、せっかくのチャンスに監督としては選手たちの特徴や彼ら同士の組合せを見ておきたいのだろう。試合に出なくても、練習を一緒にするだけでも見るところはあるハズですヨ。

――私たちファンにとってはアジア予選を突破してきたチームに新しく誰が加わるのか、それによってチームがどう進化するのかを見たい。

賀川:そうですネ。岩政大樹はまだ代表でAマッチを戦っていない。鹿島で実績を積んだ実力者だが、今度のチャンスで実際にプレーするだろう。中央に大型ディフェンダーの数が少ないのが気になっていたのだから……。

――DFには今度は清水の岩下敬輔が入っています。

賀川:チームワークを大切にする日本のディフェンスは、新しい顔を加えるのに慎重になるだろう。いつも言っているように、岡田武史監督のもとで、初めて大型(185㎝以上)の2人のディフェンダーが定着したのだが、試合日程を考えるともう二人では厳しいハズだ。

――Jリーグで得点王争いの上位に顔を出しているストライカーが選ばれています。

賀川:オシムさんが病に倒れて岡田監督に代わってから、キリンカップ(キリンチャレンジカップを含む)10試合、東アジア選手権3試合、アジアカップ予選2試合、W杯予選14試合、オランダ遠征2試合の合計31試合を戦ってきた。
 これまでの日本代表の伝統的な戦いの上に、岡田監督は一段と動きの量を多くすることを心掛けていた。ゴールを奪うためのパスワークも良くなってきた。あとは点を取るだけで、それについてもまず、代表の攻撃陣に入った選手たちがゴールを奪うことに積極的になってきたのが目立っている。
 そして彼らのそうした勢いがいまのJでの得点ランキングに日本人選手の名が多くなった理由ともいえる。

――さて、それが本番でどういうことになりますか……

賀川:本番の前に、キリンチャレンジカップやアジア選手権の試合で自分たちの攻撃力を確認するのはとても有益ですよ。

――賀川さんは、シュート力アップ、得点力アップに割合、楽観的に見えます。

賀川:「ゴールが見えたら打て」と言ったのは、1922~24年に日本の学生たちを教えたビルマ(現・ミャンマー)人のチョウ・ディンの話です。昔から、点を取ろうと思わなければ――言い換えれば、シュートをどんどん打ってゆかなければ、ゴールは奪えません。石川直宏東京)がことし点を取っているのも、これまでタッチライン沿いに走って中へクロスを送っていたのを、中へ切れ込んでゴールに向かってシュートをするようになったからです。

――それが得点力アップに。

賀川:彼は縦に走って横に蹴るクロスはそれほどうまくはなかった。いわば“彼の”キックの角度は、一番低い球を蹴る角度も、もっと浅いもの。つまり、持ち込んでのシュートに向いている。そこで一気に開花したのだと思いますよ。しばらくJでの得点が足踏みしていたが、また決めるようになっている。シーズン初めの頃の思い切りの良さが戻ってきている感じに見える。


【つづく】

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【Member】10月10日 日本代表 vs スコットランド代表 他

2009/10/01(木)

10月3連戦に石川、森本ら28選手


日本サッカー協会(JFA)は1日、アジア杯最終予選の香港戦(8日、アウスタ)とキリンチャレンジカップの2試合、スコットランド戦(10日、日産ス)とトーゴ戦(14日、宮城ス)に向けた代表メンバーを発表した。

清水のGK山本海人とDF岩下敬輔は初の代表入り。また、GK西川周作(大分)DF徳永悠平、MF石川直宏(以上東京)が復帰を果たし、9月のオランダ遠征に初招集されながら故障のため辞退した森本貴幸(カターニャ)も名前を連ねている。

メンバーは以下のとおり。

【GK】
川島永嗣(川崎F)山本海人(清水)西川周作(大分)

【DF】
中澤佑二(横浜)田中マルクス闘莉王、阿部勇樹(以上浦和)
駒野友一(磐田)岩政大樹、内田篤人(以上鹿島)
今野泰幸、徳永悠平、長友佑都(以上東京)岩下敬輔(清水)

【MF】
中村俊輔(エスパニョール)橋本英郎、遠藤保仁(以上G大阪)
稲本潤一(レーヌ)中村憲剛(川崎F)松井大輔(グルノーブル)
石川直宏(東京)長谷部誠(ボルフスブルク)本田圭佑(フェンロ)

【FW】
玉田圭司(名古屋)前田遼一(磐田)佐藤寿人(広島)
大久保嘉人(神戸)岡崎慎司(清水)森本貴幸(カターニャ)


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