5月31日 日本代表 vs ベルギー代表(2)
最終予選6月シリーズに向かって代表全員が一つのチームに――(2)
キリンカップサッカー2009 ~ ALL FOR 2010! ~
5月31日(東京・国立競技場)19:24
日本代表 4(2-0 2-0)0 ベルギー代表
得点者:長友(日 21分)中村憲(日 23分)岡崎(日 60分)矢野(日 77分)
――岡崎慎司が点を取りましたね。
賀川:後半15分(60分)の、右からのクロスをダイビングヘディングで決めたチームの3点目だね。彼らしいいいゴールだったが、私はこの日の先制ゴールに岡崎の良さが表れたと思っている。
――たしか、中村憲剛が左の長友佑都にパスをして、長友がダイレクトシュートをニアに蹴り込んだのでした。
賀川:21分のこのゴールは、日本のDFの間でボールを動かしておいて、
(1)田中マルクス闘莉王が左サイドの中村憲剛へパス
(2)受けた憲剛は右斜め前へドリブルして岡崎の足元へ
(3)岡崎はこれをすぐ左の大久保へ渡した
(4)大久保がトラップをして、潰しにくる相手DFをかわそうとする
(5)そのボールをDFのアルデルウェイレルドが取ろうと前に出ようとしたとき
(6)すぐ近くにいた岡崎が体を入れてそのボールを自分のものにし、
(7)横へ移動してきた憲剛へ短いパスを送った
(8)ペナルティエリアいっぱいでこのボールを受けた憲剛は、一つ止めてそれをエリア内、左サイドへ侵入してきた長友にパス
(9)長友がニアサイドにズバリと決めた
■ゴール前で潰れる・潰す効果
――クロスを予測したGKスティーン・スティーネンの逆をとった、見事なシュートでしたね。
賀川:ビデオを見ると、解説の城彰二がそう言っていた。彼はストライカーだからね。そう、やはり解説の武田修宏も、岡崎が粘って取ったところをちゃんと説明していた。専門家だけあってしっかり見てくれているわけだが、私はこの相手ボールになりかけたのを体を入れて奪い返したところに、岡崎慎司というFWの本質があると思う。大久保の“切れ味”に比べると華やかさはないが、接触プレーに強く、ポストプレーのときでも少々のプッシングでは倒れない。このときも、姿勢を低くして腰を入れ、持ち堪えてボールを取ったからね。
――賀川さんがいつも言っている、多数防御を破るテの一つですね。
賀川:相手DFのやろうとしたプレーを潰したから、ペナルティエリアから5~3メートル辺りでの大久保、岡崎と相手の2人のDFの絡み合いにベルギーはさらに2人、DFが寄ってくる。取れるという感じになったから、第2列の選手たちは戻らない。だから岡崎が奪ったときには中村とその左の長友もフリーになっていた。中村にボールが出て、慌てて戻る相手MFを尻目に中村から長友にボールが渡ったときは全くのフリーだった。
――それまで速いパスと動きで「これは」というチャンスがありましたが…
賀川:この21分の長友のゴールまでに、11本のシュートと6本のCKがあった。8本がゴール枠内に飛んだが、GKに防がれたり、相手選手に当たったりした。見た目にパスがスムースに回ってシュートになったのが入らなくて、一度絡まれて、奪い返したのが先制ゴールになるのだから。この面白さについては、サッカー好きの間でしばらく話題になるだろう。
――もちろん、相手DFの強さにもよるのでしょうが…
賀川:相手のCDF(セントラルディフェンス)がカンナバーロであれば、そこで岡崎がボールを取れたかどうか、また、取ったあと、ベルギーのDFは離れてしまった――日本のDFも、局面で一度取り合いを演じたあと相手から体を離すという、気になる傾向がないでもない――が、カンナバーロなら取られたあとも追い詰めてくるだろう。
ベルギー側は疲れもあっただろうが、長友も矢野も走る速さで勝っていたところが、いまの日本サッカーの一面を表していた。だから試合での成果を論じるときに相手のレベルが問題になるのは当然だが、とりあえず私は日本代表のFWにこういうプレーができるようになり、それを自分の普通の仕事として演じられるFWが出てきたということが嬉しい。もちろん、このチャンスでそれぞれ、各選手がいいポジションをとって役割を果たしたことは、チーム力の進歩としてとてもいいことだ。
【つづく】
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