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【Preview 2】10月9日 日本代表 vs UAE代表

2008/10/08(水)

背水のUAEを迎えて、対ウズベク戦のリハーサル


キリンチャレンジカップ2008 ALL FOR 2010!
10月9日19:20キックオフ(新潟・東北電力ビッグスワンスタジアム)
日本代表 対 アラブ首長国連邦(UAE)代表


A:今日は対談の形でゆきましょう。
この試合は、10月15日(水)の対ウズベキスタン戦(埼玉)に備えての、日本代表の最終テストとも言えますネ。

B:そう、ことしのキリンチャレンジカップは“ALL FOR 2010!”のタイトルがついているように、すべて2010年FIFAワールドカップを目指すもの。このUAE戦は1週間後のアジア最終予選第2戦を控えた代表選手にとって大事な試合となる。彼らは今日10月7日に集結して9日にUAE戦、中5日をおいて15日の試合に臨む。

A:この2試合のために招集される選手はGK3、DF9(※当初は8、寺田の追加招集で9に)、MF8、FW7人の合計27人。海外組の中村俊輔、稲本潤一、長谷部誠も入っている。
DFに大分の森重真人、FWに清水の岡崎慎司、鹿島の興梠慎三(こうろき・しんぞう)森島康仁(もりしま・やすひと)が入りました。

B:最終予選の第1戦、対バーレーン戦(9月6日、マナマ)は3-2で勝った。3-0から87分と88分に失点して、終わりごろはよくなかったが、まずアウェーで勝点3を取った。

A:玉田圭司、田中達也といったトップの守備、ことに奪われた直後に奪い返す素早い守りが成功して日本のペースとなりました。

B:バーレーン戦の直前のキリンチャレンジカップでウルグアイと戦い、無残な戦いぶりになった(8月20日、1-3)が、それが薬になって日本チームの特色を出せた。
岡田武史監督は、第3次予選突破の間にあるていど選手たちの間に自分の考えが浸透したと思ったのが、代表チームを解散して、しばらくぶりに集まったら攻から守へ、守から攻への切り替えの早さとか連動性といったものが消えていた。そして、そういう組織で守り、攻めること、そのための動きの量や早さが乏しければ1対1に強いウルグアイを相手に惨めなことになることを、選手たちは改めて思い知らされた。

A:その反省がいい方に出たと――

B:もちろん、岡田監督も選手たちにそう強調しただろうが、選手たちもしっかりと考えただろう。

A:バーレーン戦はスタートから違っていたと。

B:日本の早い集散、失ったボールを高い位置で奪いにゆく、それも複数が協力してね。
その早い動きにバーレーンの選手たちはおそらく驚いただろう。日本と対戦した経験はあっても、しばらく忘れていたハズ。ああいう素早い動きで攻め、守るチームは世界にそうないし、自分たちのリーグでは経験することは少ない。

A:いわば異質のサッカー――

B:そう、別の見方をすれば、サッカーというのはあくまで1対1の戦いが基調なんだが、日本代表の場合は日本の特色を生かすために早い動きとその運動量で相手をしのぐやり方だ。これは、いまに始まったことではなく、1936年のベルリン・オリンピックでもそうだった。

A:そんないい戦いをしながら、終盤に2点取られた。

B:相手が10人になって、しかも3-0。誰だって気が緩むだろう。疲れも出てきて動きが鈍くなる。すると相手は1対1の場面でボールを取り攻めに出れば、こちらの人数が多いという条件は消えてしまう。2点取られたのはよくないが、私はいい反省材料になったと思う。

A:動きの量を落としてはいけないと?

B:もちろんそうだが、90分間フル回転できるかどうか、そこに、今度は1対1の能力、体の強さや走る早さなど、もちろんシュートの正確さ、パスの確かさなどを、代表の一人ひとりが自分で伸ばすことを考えなければならない。


ベテランMFと若手FWの組合せ

A:監督をはじめスタッフはより高い能力を求めることになる?

B:今度のオリンピック世代の若い選手が必ずしもいまの時点で常連選手より上かどうかは別にして、少しでも可能性のあるプレーヤーを試したいのは監督さんとして当然だろうね。

A:点取り屋のFWが少ないという声が多いから、3人の若手FWに期待がかかる?

B:チームの練習で見てみたいのか、実際にキリンチャレンジカップの舞台で試してみるのか――だが、岡崎はともかく動きの止まらないプレーヤーで、ひとつの穴を見つけて走り込んだあとすぐ次にいいところがあれば移動する。競り合って点を取るコツが身についているように見える。それがJだけでなく代表レベルでどうか。見てみたいプレーヤーだね。
興梠(こうろき)というのは私たちには珍しい名前だが、九州・宮崎県高千穂町には割合多い姓らしい。本人も宮崎出身。鹿島で得点を重ねているが、ドリブルがうまくスピードがあり、ウラへ入るのが早い。ただし私が見たACL(アジアチャンピオンズリーグ)のテレビでは2回走り込んで2回とも右に持ちかえて潰されていた。得意の形にこだわるところがいいのか、左足でスパッと蹴れないのかはともかく、点を取りにゆこうという意欲はありそう。

A:森島はよく知っているでしょう?

B:セレッソ大阪にいたから、ナマで何度も見ている。滝川第二出身だし……。
体が大きくてしっかりしている。身長は巻誠一郎(184cm)より2cm高く、代表ではDF寺田周平(189cm)DF高木和道(188cm)GK楢﨑正剛(187cm)中澤佑二(187cm)に次いで5番目の高さだ。
現代のゴール前での多数防御を破るひとつのテはヘディングで、そのために長身でヘディングの強いFWは大切なポイントでもある。ヨーロッパでは大男の少ないハズのイタリアが2006年に196cmのFWルカ・トーニを持ってきたのはご承知のとおり。セレッソで小柄な森島寛晃(モリシ)と対照的にデカモリシと呼ばれていたが、私が期待していたほどには伸びていない。だが、体が大きく、しかも強くて、そこそこの技術があるということに加えて、ゴールへの意欲も強いし、体を張ることもいとわないから、大切な素材であることは間違いないところ。

A:大分へ行ってから注目されています。

B:シャムスカ監督の使い方のうまさもあるだろうが、ウェズレイというベテラン・ストライカーがいることがプラスになっていて、いま自分のいいところを出せばいいという立場にある。それが活躍のもとだが…。

A:彼自身の成長のきっかけになればいいですね。

B:もちろん、そう願うヨ。しかし別の見方をすれば、いまのデカモリシをも招集するということは、岡田監督の、日本全国の指導者へのメッセージとみてもいいのじゃないか。大久保嘉人や佐藤寿人、玉田圭司といった小柄で早いストライカーもいいが、巻以外にも、大型で体の強いCF(センターフォワード)がほしいのだと――。

A:UAEは最終予選で日本と別のグループで戦って2敗しています。何とか立て直しを図るためにも、このキリンチャレンジカップは大事な試合と考えているでしょう。互いに調子を高めるため、真剣で面白い試合になるでしょう。

B:その中で、中村俊輔たちのベテランと組む若い力も見てみたい。

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