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2007年6月

6月5日 日本代表 vs コロンビア代表

2007/06/05(火)

代表は上手になっている
 ~ 調子は上がらなくても俊輔はやはり俊輔、逞しく強い高原直泰、数少ない機会のために誰もがシュート練習を ~

キリンカップサッカー2007
6月5日(埼玉スタジアム2002)19:20
日本代表 0(0-0 0-0)0 コロンビア代表

【日本代表メンバー】
GK: 1川口能活(cap)
DF: 22中澤佑二、4中田浩二→15今野泰幸(46分)3駒野友一
MF: 10中村俊輔→17藤本淳吾(88分)7遠藤保仁→9巻誠一郎(80分)14中村憲剛、13鈴木啓太、6阿部勇樹、28稲本潤一→8羽生直剛(46分)
FW: 19高原直泰→12播戸竜二(90分
SUB: 23川島永嗣、27水本裕貴、5橋本英郎、16山岸智、21水野晃樹、24本田圭佑、11佐藤寿人

【コロンビア代表メンバー】
GK: 1アグスティン・フリオ
DF: 5ハビエル・アリサラ、14アマラント・ペレア、3マリオ・ジェペス(cap)16ヘラルド・バジェホ
MF: 6ファビアン・バルガス、8ダビド・フェレイラ→19フアン・カルロス・エスコバル(69分)13ブラディミル・マリン→17ハイメ・カストリジョン(87分)10ジュリアン・アンテコ→15ホルヘ・バンゲーロ(41分)
FW: 18セルヒオ・エレラ→11ウーゴ・ロダジェガ(62分)7エディゾン・ペレア→9ラダメル・ファルカオ・ガルシア(80分)
SUB: 12ダビド・オスビーナ、2イバン・ラミロ・コルドバ

気になった中村俊輔の調子

◇前半のシュート数は日本が4(公式記録では3)コロンビア2。CKは0と1という数字。コロンビアが前がかりでプレッシングに出てきたので、互いに潰し合う形となり、ゴールシーンは生まれず、前半中ごろまでややタジタジの感だった。
 稲本潤一をトップ下に、中村俊輔と遠藤保仁を右、左に置き、高原直泰をワントップと、奇妙にも見える配置について、メディア席ではひとしきり話題となったが、監督の真意云々よりも私には中村俊輔の調子が悪いのが気になっていた。

◇俊輔は15分までに何本か短いパスを失敗した。これは、相手のあることだからまだしも、14分には自陣25ヤードで、相手を前にして左で蹴るタイミングを失してボールを自らの右足に当てて奪われ大きなピンチを招いている。
 スコットランドでの活躍から、彼はFIFAマガジン(国際サッカー連盟発行の月刊機関誌)2007年6月号の表紙写真を飾った。「天才、アジアトッププレーヤー、欧州を制す(GENIUS SHUNSUKE NAKAMURA ASIA'S TOP PLAYER CONQUER EUROPE)」の見出しもついていた。同誌の41~43ページに掲載されたROB STEWART記者の「THE REAL GOLDEN BOY(本物のゴールデンボーイ)」の記事もとても面白いが、こうした高い評価を受けている俊輔の、この日のプレーはいささか気にかかるもの。

◇日本メディアの“オシム流”大合唱が彼の心理に影響したかはともかく、フィジカル面だけから見ても欧州でのフルシーズン稼動の後の試合ということになると、2006年ワールドカップでの不調の例もある。2年続いて同じ例に出合うと、この部分の日本側のプロフェッショナルたちに何らかの対策があるのかと、つい心配してしまう。そんな余計なことを、隣席のI記者に語っているうちに、さすがに日本代表は時間とともに持ち直しはじめた。

高原直泰の強い意地

◇中澤佑二と阿部勇樹の中央の守りがしっかりとコロンビアの攻めを防ぎ、左の中田浩、右の駒野友一もまずまず。中村憲剛と鈴木啓太の守備的MFも、取ったボールを奪い返されることもあるが、諦めないランプレーで対抗していた。中村憲の良さは、常にボールを受けるために動くこと、軽いステップで小さなスクリーニング、あるいは大きなターンでボールを持ち出せること(ただしこの日は、そのターンも再三、狙われていた)。さらに、自分の前方にいる選手の個性、ボールの受け方、持ち方を見て、それにあわせてボールを動かせることだ。
 日本の最初のシュートはゴール正面からの中村憲の右足の一本。前方の稲本へ送り、そのリターンのバックパスをもらいドリブルしてシュートした。GKアグスティン・フリオのセービングで防がれたが、受身の形勢を押し戻す気配を見せる攻撃だった。
 15分にその憲剛から中村俊輔そして高原直泰とわたって、高原が右足でシュート。大きく踏み込んでの一発は、相手DFの足に当たって勢いがそがれたが、9分と11分に背後から強い当たりのファウルを受けて倒された高原が、ゴール奪取への強い意志を見せるシュートに見えた。

◇第1戦の対モンテネグロで見事なヘディングシュートを決めた彼は、厳しくマークされた。南米選手権大会を控えているコロンビアは、すでにコパ・アメリカ・モードにあるようで、南米流の汚さと、激しさと、そして体の動きの早さを合わせたタックルは、ルール上からはイエローカードが出てもおかしくないものがあった。デンマークのニコライ・フォルクアーツ主審の「欧州基準」は少々手で押した程度では笛は鳴らず、それがコロンビア側を勢いづかせたが、そうした彼らの接触プレーに対する高原の強さは、ヨーロッパでは、このレベルでなければやっていけないという見本でもあった。

中村憲剛―俊輔のパスの気配り

◇32分に駒野が右外から内へ切れ込んで、左足でシュートした。
 これは、その前の中村憲―中村俊―駒野とわたったパスから生まれたもので、憲剛が自分の前方にいる俊輔の位置を見て、その左足にきわめて正確にパスを送ったのが素晴らしかった。不調といっても、こういうときの俊輔の周囲への目配りは素晴らしい。このボールを左足インサイドのダイレクトで、流すように右サイドの駒野へ送った。近くにいた相手が、目の前を通るボールに足を出せない巧みなタイミングとコース取りのパスのおかげで、ボールを受けた駒野はフリーとなる。前の試合は、ここから高原へのクロスとなったが、今度は位置も全体の流れも違っていた。
 駒野はタテに持って出る(彼は試合のはじめのうちに、タテに抜こうとして失敗し、その後、中へ入ることが多かった)のでなく、中へドリブルしてシュートした。ドリブルに勢いがついてしまったから、しっかり踏み込めずに利き足でない左足のシュートは大きく外れてしまった。
 努力家の彼は、オシムに左サイドで起用されると、左からのクロスをも練習して成果を見せた。左足のシュート練習も積んでいるようだが、それではまだ武器とはいえない。古い時代のウイングはサイドから中へ切り込んで、右足、左足のシュートも下。そんなに古くないところ(私のとって)では左サイドの杉山隆一(メキシコ五輪代表)が左から中へ切れ込んでの右足シュートという武器を持っていた。

高原起点のビューティフル・チャンス

◇後半に入ると、日本が勢いづいた。トップ下という不慣れなポジションに置かれた稲本潤一に代わって投入された羽生直剛の果敢なランプレーが相手を悩ませ、チームのパスコースを増すことになった。
 走りあがる仲間が現れたことで、高原が、右、左のサイドへ動いて起点になろうとし、コロンビア側がそれを潰しにかかる。それも同じ選手が2度続ければイエローカードを出されるのを知って、ジャンプヘッドの際のヒジ打ちはバルガス(ブラジルのインテルナショナル)後方からのスライディングはロダジェガ(メキシコ/モンテレイ)後方からの体当たりはジェペス主将(フランス/パリ・サンジェルマン)といった、いずれも練達のプレーヤーが手を変え品を変えて―― という調子。
 その高原のキープへ、詰めようとした坊主頭のマリン(パラグアイ/リベルタード)が足を痛め、しばらくしてピッチを去る。実は前半41分にも高原の上にのしかかるようにジャンプヘッドしたMFのアンチコが落下の際に手を痛めて後退している。いわば、それだけ相手のMF、DFを問わず高原はターゲットとなり、マークされていたと言えるだろう。

◇後半14分に、その高原が左サイドで起点となって絶好のチャンスを作る。
 その直前にコロンビアが右サイドから攻めフェレイラ(ブラジル/パラナエンセ)のシュートがきわどく外れて、スタンドの観衆をヒヤリとさせたあと、川口のゴールキックを高原がヘッドで後方へ。今野(後半はじめに中田浩二と交代)が拾って前方へ、遠藤が競り合って、左タッチライン際にこぼれたボールを相手側が取ったとき、高原が強く、うまく体を寄せて奪い取った。奪ってすぐタテにドリブルした高原が中へ。右足でパス、走りあがった羽生がノータッチで流し、中村俊輔へ。俊輔はこれを内側後方の遠藤に渡す。シュートレンジにいた遠藤だが、右外へ走り上がった中村憲剛を選び、その前へパス。ノーマークの絶好のチャンスとなったがこのシュートは高く外れた。

◇この一連の動きは、日本サッカーそのもの。高い位置で相手ボールを奪った高原から3人が絡み4人目の中村憲剛のノーマークシュートの場面(ノーマークといっても前方を相手DFが防ぎに来た)を作ったこと、シューターの中村はその直前のピンチ、フェレイラのシュートチャンスを防ぐために日本ゴール前まで追走している。
  その位置から中盤に戻り、チャンスに一気に詰めていたのが素晴らしい。

◇このチャンスの直後に一つ、高原のいい動きがあった。鈴木啓太の右への展開パスから駒野と俊輔のパス交換があり、その間の相手の動きを見て高原がウラへ出た。笛が鳴ってオフサイドを取られたが、実際はどうだったか。
 このシリーズでの高原のDFラインへのウラへのスタートのうまさが目立ち、レフェリーが誤審する場面も、別の試合であった。ただし、この場面はオフサイドを取られなくても、俊輔のボールが早すぎたからゴールには結びつかなかったハズだ。

◇俊輔はこの日は、こうしたパスの微妙なところに冴えが見られなかった。FKにしても、仲間のターゲットに合わせる得意の「上げて落とす」ボールが、いつもの精度はなく、ほとんどコロンビアの長身選手にはじき返されていた。

◇サッカーというのは面白いもので、相手に目の敵にされるほど脅威を感じさせるストライカーがいても、そこへ適確なパスが渡らなければ、ゴールは生まれないし、“天才”といわれるFKの名手、パスの達人がいても、その日の調子が微妙に狂うこともある。

◇そこで、チーム全体で走り、組織プレーでチャンスを作ることになる。日本代表はすでにその力を備えつつあるが、残念なことに、それがなかなか得点にならない。そこで組織攻撃、ラン攻撃の効果を上げるためには、フィニッシャーが誰であっても、せめてフリーシュートは確実に決める。いや昨今のゴールキーパーの進歩からゆけば、決められなくてもキーパーを崩す程度のシュートができなくてはなるまい。
 せっかくのランプレーを生かすためにも、日本サッカーのキック力、シュート力の向上が必然と誰もが思うはずである。
 今度のキリンカップは、異なる2チームの対戦で日本代表のいろいろな面が見えてきた。オシム監督の工夫も、そのオシムの工夫を一緒に考えようとするメディアの苦労も見えたが、大事なのは選手たちが、自分が試合で得た経験から良いところを伸ばし、足らない技術を反復練習によって上達することである。
 メディアのひとりとして私は、日本代表選手たちの努力と工夫の成果を見て、多くの人にそれを報告する楽しみを持ちたいと願っている。

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6月1日 日本代表 vs モンテネグロ代表

2007/06/01(金)

高原の成長と遠藤の工夫を見た

キリンカップサッカー2007
6月1日(静岡・エコパスタジアム)19:10
日本代表 2(2-0 0-0)0 モンテネグロ代表

【日本代表メンバー】
GK: 18楢崎正剛
DF: 22中澤佑二、2坪井慶介、3駒野友一
MF: 7遠藤保仁(cap)→15今野泰幸(80分)14中村憲剛→17藤本淳吾(89分)13鈴木啓太→橋本英郎(89分)6阿部勇樹、16山岸智→11佐藤寿人(63分)
FW: 20矢野貴章(81分)→9巻誠一郎、19高原直泰→21水野晃樹(69分)
SUB: 23川島永嗣、4中田浩二、8羽生直剛、25家長昭博、28稲本潤一、12播戸竜二

【モンテネグロ代表メンバー】
GK: 1ブカシン・ポレクシッチ
DF: 4サボ・パビチェビッチ→2リスト・ラキッチ(71分)、6ヨバン・タナシエビッチ→19ブラド・イエクニッチ(87分)、5ラドスラブ・バタク、3ミラン・ヨバノビッチ→16ルカ・ペヨビッチ(85分)
MF: 15ブラディミル・ブヨビッチ→18ミルコ・ライチェビッチ(45分)、14ヤンコ・トゥムバシェビッチ、8ブラディミル・ボジョビッチ→9スルジャン・ラドニッチ(63分)
FW: 11ジョルジエ・チェトコビッチ→7ニコラ・ブヨビッチ(45分)、10イゴル・ブルザノビッチ(cap)、20ミラン・プロビッチ
SUB: 12ムラデン・ボジョビッチ、17ラデ・ペトロビッチ

◇モンテネグロはイタリア語で「黒い(ネグロ)山(モンテ)」の意味。土地の言葉(セルブ・クロアチア語)のツルナ-ゴラ(Crna Gora=黒い山)から来ている。黒いというのは深い森の暗さを表していて、日本で言えば福島県程度の広さ、人口も60万の小さな国は古い時代にトルコがバルカン半島を制圧した時も、険しい山と深い森を利してトルコ軍の侵入を阻んできた。第2次大戦中もチトー将軍率いるパルチザンがナチスドイツを悩ませたところである。
 そんな背景を持つこの国のサッカー代表はおそらく堅固な守りが基調になるだろう。スターティングリストを見ると、フィールドプレーヤーで185cm以上が5人、うち2人は190以上で残り5人は182が2人、179が1人、178が2人となっている。日本では、185以上は矢野貴章(185)中澤佑二(187)の二人だけ。残る9人のうち、7人が180以下だから、まさにモンテネグロ代表は黒い山ならぬ赤い山というところだ。
 日本代表がこの体格に優れた赤い山の砦をどのように攻略するか、がこの日のテーマと言えた。

◇奪ったゴールはいずれも今の日本代表のレベルの高さをあらわす見事なもの。22分の1点目は、ショートコーナーからの遠藤保仁のクロスを中澤がジャンプヘッドで叩き込んだが、赤い山を崩す遠藤と仲間の工夫が面白かった。
 このチャンスは直前に遠藤が相手DFラインの裏を狙った高原直泰へロブのパスを送り、DFのヘディングがゴールラインを割ったもの。遠藤はその前に、左サイドからのCKで、低いボールを蹴って跳ね返されていた。右から攻めあがる駒野友一の3本のクロスはDFの上を越えることができなかった。

◇そうした経験を足場に遠藤はまず(1)CKを直接にゴールに送らずに、後方の中村憲剛にパスした。(2)中村はこれを止めずにリターンパス。(3)このボールを遠藤は巧みなキックで高く上げ、ファーポスト際へ落下させた。(4)遠藤のキックの直前までペナルティエリアぎりぎりの外にいた中澤が落下点へ走り、(5)ゴールエリア右角から中に入ったところでジャンプして、見事に叩き込んだ。
 この一連の動きでフィニッシュの中澤のジャンプヘッドのエリア外からのスタートとジャンプの踏み切り、そしてボールをとらえたときの空中姿勢などは理想的で、後でスロービデオで何度見ても飽きることのない迫力。

◇そしてゴール前の5人の赤い山を越えて右ポスト際へボールを届かせるための遠藤の工夫は、中村とのリターンパスによって自らのキックの位置をずらせ、また自分に向かって転がってくるボールを蹴ることで――などで、まずファーポストへの飛距離を出やすくし、コントロールキックしたのだろう。自分のコントロールキックの範囲をしっかり掴んでいる遠藤の計算と、その遠藤へキックしやすいリターンパスを送った中村のうまさが重なっていた。

◇ショートコーナーからファーポスト際での中澤のヘッドというシンプルに見える空中戦の成功には、それぞれの選手(もちろん中央で相手DFを引きつけていたものもいる)が役割をこなすことが条件。ここに今の代表の技術とその瞬間に呼吸の一致する良さがある。

◇中村憲剛はプレーメーカーとしてトップ下のポジションも上手だが、彼のように後方からのゴールの受け方が巧みで、パスの上手な選手がボランチ役にいれば、FW、第2列、そして最後列の各プレーヤーにとってボールを預けやすい点ではとても楽になっていたと思う。2点目はその中村の展開力と駒野の速いクロスに飛び込んだ高原の「アーセナル・ゴール」で、ボールの動かし方といい、フィニッシュといい申し分ないゴールだった。

◇攻撃の発端は、左サイドで中村が高原の足元に速いパスを送り、ここからタッチ際の山岸へ、さらに中村へとボールが動いたところからはじまる。
(1)左サイドに相手を引きつけた、この展開から、中村はボールを受けると、後方へターンして、(2)右足で長いパスを右サイドの駒野に送った。(3)広いスペースでノーマークだった駒野はボールをキープし(4)十分に狙って、速いボールをボール正面やや右ポストよりへ送る。(5)このボールをDFがヘディングするより早く、高原が後方から飛び込んでヘディングシュート。GKポレクシッチのニアサイドを破った。

◇1968年5月23日にイングランドの名門と国立競技場で対戦した日本代表(1-3)の唯一のゴールが、右からのクロスに相手DFのニアサイドへ飛び込んだ釜本のヘディングシュートだった。ニアサイドへ飛び込むイングランド流のお株をうばったこのゴールを、当時はアーセナル・ゴールと讃えたものだが、このゴールがメキシコ五輪を目指す日本代表にひとつの自信を与えたように、高原がみせたこのアーセナル・ゴールは、彼の成長ぶりと、昨年のワールドカップの敗戦から立ち上がる日本サッカーにも大きなインパクトを与えるものといえる。
 駒野がそれまでの再三の激しいランプレーの後のクロスを失敗したのが、高原のヘディングを引き出すクロスを成功させたのも、彼の努力の褒賞といえるだろう。

◇90分の試合は納得のいくものではない、というオシム監督の言葉はその通りだろう。相手の中盤のプレッシングが前半は強くなかったこともあるし、また後半にもいくつものチャンスをつくりながらシュートを失敗した点、また完全にフリーになっている仲間がいるのにパスをしなかったこともある。
 また、DFは無失点ではあったが、体格に優れたスクリーニングの巧みな相手にキープされ、ノーマークシュートの場面を作られてもいた。PKを相手が失敗したことにも助けられた面もあった。

◇しかし、なによりドイツのフランクフルトで試合に出るようになり、実績を積んだ高原のプレーを見ることができたこと。後半にオフサイドトラップを破ったうまさはレフェリーがオフサイドにしたため惜しいことだったが、ストライカーとして昨年夏よりひとまわり進歩しているプレーを随所に楽しむことができたのは何よりだった。
 これで中村俊輔がいいコンディションでプレーし、稲本潤一や中田浩二たちが6月5日にピッチに立ってくれれば、キリンカップも一段と楽しいものになるだろう。

◇もちろん先述のとおり、相手が韓国のように中盤からプレスをかけてくるチームであれば、この日のような訳にはゆかないかもしれない。後半にはその気配も出ていた。しかしゴール前の守りを厚くしたモンテネグロ(黒い山)ならぬモンテロッソ(赤い山)を崩すための工夫があって、その成功例として2ゴールを見たことは、いまの代表チームの攻撃力が上がっているといえるだろう。それを生で見られたのは誠に幸いだった。

◇キリンカップのおもしろさは、試合だけでなく、この日の親子11人による君が代の合唱といったセレモニーの趣向もあり、かつてのユーゴスラビア社会主義連邦共和国のなかで最も小さな共和国のチームに初めて触れることで、はるかバルカンの歴史に思いを巡らせるという付録もある。さて、次のコロンビア戦にはどんな楽しみがあるのだろうか。

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