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2007年3月

3月24日 日本代表 vs ペルー代表

2007/03/24(土)

確かな技と体と心の積み重ねを見た

キリンチャレンジカップ2007
3月24日(神奈川・横浜国際総合競技場)19:30
日本代表 2(1-0 1-0)0 ペルー代表

【日本代表メンバー】
GK: 1川口能活(cap)
DF: 22中澤佑二、4田中マルクス闘莉王、6阿部勇樹→14中村憲剛(60分)          
MF: 10中村俊輔→17藤本淳吾(85分)21加地亮、7遠藤保仁→15羽生直剛(68分)13鈴木啓太→16家長昭博(85分)3駒野友一
FW: 19高原直泰→25水野晃樹(85分)9巻誠一郎→20矢野貴章(68分)
SUB: 18川島永嗣、23西川周作、2水本裕貴、5橋本英朗、8二川孝広、24本田圭佑、11佐藤寿人、12松橋章太

【ペルー代表メンバー】
GK: 21フアン・フローレス→1ジョージ・フォーサイス(46分)
DF: 5マルティン・イダルゴ、4ワルテル・ビルチェス、25パオロ・デラアサ、イスマエル・アルバラード
MF: 8フアン・カルロス・バサラル(cap)→6レイネル・トーレス(69分)10フアン・マリーニョ、11アレクサンデル・サンンチェス、22エドソン・セスペデス
FW: 19ロベルト・ヒメネス→18ミゲル・モスト(68分)15ジョエル・エレラ
SUB: 2ミゲル・ビジャルタ

◇2年前の2月、ワールドカップアジア予選の対北朝鮮(埼玉)の後半に中村俊輔と高原直泰が登場し、彼らがボールをさわり、動いたときにピッチの空気がガラリと変わったのを覚えておられる方も多いだろう。ボールへ寄る早さ、からまれての強さ、そしてボールタッチのうまさで、やはり欧州でプレーしていることはあると思わせたものだ。

◇今度も2人は、やはり少し違うぞという感じだった。もちろん中村俊輔もパーフェクトな選手ではない。パスをした後の動き出しの遅いという指摘もある(ドイツのバラックもそういわれていた)。いまはスコットランドの名門セルティックでボールを配るのが主たる仕事になっている。自ら飛び出してのシュートもゴールもあるけれど、働きバチのたくさんいるチームの中で、それを生かす長短、強弱、高低のきわめて多彩な左キックがファンを喜ばせて、チームの勝ちに貢献している。
 その彼が期待どおり、ロングパスで試合の局面を大きく動かしてスタンドを感嘆させ、2つのFKで巻のヘディング、高原のワントラップシュートによる2ゴールを生み出して勝利を確実にした。そしてまた、ペルーの激しいボール奪取の“からみ”をも苦にしないことで2人は、ブンデスリーガでの、あるいはスコットランドリーグでのレギュラーのレベルを見せた。

◇ 日本が、前半しばらく必ずしもボールがスムースに回らなかったのは、ひょっとするとその俊輔たちに久しぶりの代表合流で気負いがあったのかも知れない(オシム監督はそう見ていた)が、同時にペルー側が長時間の飛行や時差を考えて、元気なうちにビシビシゆこうという態度に、こちら側が押された感もあった。ひとつの接触のあとのバランスの(復元が早い彼らは、スタンドから見るよりもやりにくい相手だっただろう。
 ピッチでの奪い合いを見ながら、攻撃の主力となる3~4人が欠けている話を思い出し、全部そろえばやはり、こちらのホームでも手強い相手だと考えていた。

◇ただし、このチームはドイツやオーストラリアのように体の大きさで日本を圧倒するというタイプではない。
 スターティング・ラインアップで184センチ以上のフィールドプレーヤーはCDFのワルテル・ビルチェス(184センチ)だけ。あと180センチが4人。当方は中澤佑二(187センチ)闘莉王(185センチ)巻誠一郎(184センチ)と、184センチ以上が3人いた。
 1点目の中村俊輔のFKは、日本の高さを生かしたもの。ニアーに高原、ファーポスト側に闘莉王の配置で、俊輔のキックは巻の頭の上へ落ちてきた。
「上がって落ちる」彼の正確なキックで、巻は久しぶりのゴールだった。これまで彼がヘディングで点を取れなかったのは「上がって落ちてくる」ボールが来なかったためではないか――と思うほどだ。

◇2点目の、高原の左足で止めての反転シュートは、ブンデスリーガで実績を積んでいるテクニックの高さと落ち着きとを表したといえる。
 キッカーの俊輔は1点目に近い位置からだったが、頭上やゴール寄りへ送らずに高原や中澤のラインの後ろへ低く早く落ちるボールを送った。それを高原がゴールを背にして左足のインサイドで止め、バウンドしたのをボレーで蹴った。こうした反転シュートのときにGKの正面や手の届く範囲へ蹴ることが多いが、さすがに高原が蹴ったコースは、GKの手の届かぬところだった。しかもすぐ近くに仲間の中澤がいて高原の止めたボールをシュートしようという構えや、そのぶつかりそうな気配の中で、高原の目はボールを注視しているのをスロービデオで見て、改めて、この選手のストライカーとしての素質とゴール前での落ち着きに感嘆した。日本の歴史上でも指折りのファインゴールのひとつとなるだろう。

◇高原はこのゴールだけでなく、ドリブル突破も再三見せた。2人目、3人目にファウルで止められた(FKのチャンスになった)が、突破あり、シュートあり、もちろんパスも――この日、見た限りでは今の日本で最も頼れるストライカーになろうとしている。

◇60分に阿部勇樹に代えて中村憲剛、68分に遠藤保仁に代えて羽生直剛、巻に代えて矢野貴章(185センチ)が投入され、85分には中村俊輔が藤本淳吾に、高原直泰に水野晃樹が代わった。
 その中村憲剛が入ってすぐ、FKのあと俊輔から短いパスが憲剛に送られ、それをダイレクトシュートした。GKに防がれたが、憲剛がこれから押さえるシュートだけでなく、上を狙うシュートをするかどうか――。
 それにしても、すぐ近く後方のポジションの憲剛にパスを出してダイレクトにシュートさせるところは仲間の特色を見極める俊輔らしいプレーだった。
 オシム監督は、後半の後半は日本が目指すサッカーだと強調した。
 私は、矢野の強い体とジャンプヘッド、羽生をはじめとするスピードあるランプレー、ここのところ自分の力を一段上へ引き上げようとしている家長と水野が引きつづいて上昇の過程にあるのを見た。

◇試合のあとで、「CROSPO」(https://crospo.jp/)の仲間と楽しいミーティングをした。なかには、高原と俊輔の2人の帰国出場を、代表人気薄を心配した周囲の声にオシム監督が方針を変えたのだろうという穿(うが)った見方をする人もあった。
 そういえば横浜のスタジアムは満員だった。新横浜プリンスホテルは2週間前に満室(横浜アリーナで歌の催しもあった)になったが、そういう風に考えるより、私は昨年のドイツでの痛い敗北のあとも高原や俊輔がしっかりしたプレーを続け、確かな技と体と心を積み重ねているナマの姿を見られたのが素直にうれしかった。

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