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2007年2月

2月21日 日本代表 vs アメリカ代表

2007/02/21(水)

収穫は、平山相太

キリンチャレンジカップ2007
2月21日(熊本・熊本県民総合運動公園陸上競技場)19:00
U-22日本代表 0(0-0 0-0)0 U-22アメリカ代表

【U-22日本代表メンバー】
GK: 1松井謙弥
DF: 5伊野波雅彦(cap)4水本裕貴、3青山直晃
MF: 16本田拓也→13谷口博之(77分)18水野晃樹、10梶山陽平、8本田圭佑→14家長昭博(72分)
FW: 9平山相太→20森島康仁(87分)22カレン・ロバート→7増田誓志(60分)24李忠成→11苔口卓也(72分)
SUB: 12山本海人、23林彰洋、2一柳夢吾、19千葉和彦、21福元洋平、17内田篤人、15上田康太

【U-22アメリカ代表メンバー】
GK: 1クリス・サイツ
DF: 3ロブ・バレンティノ、5ネイザン・スタージス、12ティム・ワード、15ショーン・フランクリン
MF: 6クアバス・カーク→11サル・ジッゾ(46分)7ピーター・ローリー、9アルツロ・アルバレス、17サシャ・クリスタン(cap)
FW: 10ジェイミー・ワトソン→20マイケル・ハリントン(83分)16アダム・クリストマン→13ジェイコブ・ピーターソン(69分)
SUB: 24ジャスティン・ヒューズ、4パトリック・イアンニ、14ハンター・フリーマン

◇ 一週間後に北京オリンピック・アジア第2次予選第1戦の対香港(2月28日、東京・国立)を控えているU-22代表の壮行試合でもあり、平山相太や日本国籍を取得したばかりの李忠成(り・ただなり)が見られること、そしてジェフの水野晃樹やFC東京の梶山陽平のドリブルやキープ力が、接触プレーに強いハズのアメリカ選手相手に効果を発揮するか――といった期待もあった。
 もちろんガンバの家長昭博、名古屋の本田圭佑といったサイドからの攻めにかかれる選手たち、あるいは昨シーズンすでに実績を重ねたフロンターレの谷口博之が何を見せてくれるか――などなども。
 若いチームの試合前にも、いつものことながらついつい欲張った希望が沸いてくるのだった。

◇試合が終わった後の気分は――。
 思いのほか良かったこともあったし、やっぱり、というのもあった。

1)最大の収穫は、平山相太の体調が戻っているように見えたこと。
 後方から来るボールの処理も、受けてからの仲間へのパスも、そのあと走り出してスペースでボールを受けたときのシュートへの入り方も、まずまずだった。シュートは4本。
 前半1分半ぐらいだったか、右DFの青山直晃のロングボールがカレン・ロバートへ飛び、カレンは取れなかったが、相手のDFのクリアが弱くてペナルティエリア外の平山相太へ転がり、これを平山がエリア外から左足のダイレクトシュートをした。叩きつけるというより(ボールの転がりが早かったか?)慎重に押さえたという感じだった。ボールはGK正面へ飛んでサイツに捕球された。
 相手のミスによるボールだから、予想外だったのだろうが、こういう相手のミスの“頂きもの”をモノにしてしまうために、日ごろ、どういうシミュレーション訓練をするか(イマジネーション・トレーニング)である。

2)2本目は梶山からのスルーパスを相手DFラインの裏へ走って、飛び出してきたGKサイツの右(サイツから見れば左手側)を抜こうとシュートしたが、セーブされた。
 ある時期、「シュートは押さえて」がコーチたちの口ぐせだったようだが、近ごろのように相手DFラインで飛び出してくるGKと1対1でストライカーがシュートに入るとき、グラウンダーのボールは伸ばしたGKの手や足、あるいは体で止められることも多い。ボールの底(下)を叩いて小さく浮かせる着想もまた必要だろう。ついでながら、PK戦でも外国の練習を積んでいるチームの選手のなかには、あえてGKの肩の高さより上を狙う者もある。ジャンプ・セービングでも取ることが難しいからである。

3)3本目は後半に入ってから――GK松井謙弥のロングボールを受けて、パスを出し、そのあと左前へ出て左足でシュート。ボールは高く上がって、外れた。

4)一番惜しかったのは4本目。後半17分、左サイド30メートル地点の本田圭佑のFKに合わせたヘッド。本田はグランパスで仲間のヨンセン(186センチ)に合わせるのと同様の左足キックで、高く上がり、カーブしながら落下するボールを蹴り、平山は高いジャンプヘッドで叩いた。
 ゴールのクロスバーを叩き、そのリバウンドもチームはモノにできなかった。迫力満点だったが……(理由は多分、本人があとでビデオを見ればわかるだろう)。

5)聞くところによると、試合の前々日からの練習で、左足ボレーシュートを高く上げてしまった平山に対して、監督は、練習を止め、同じボールを蹴らせたということだが、その日に彼が同じボレーの反復練習をしたかどうかが興味あるところ。
 この左足ボレーの話は皮肉でもイヤ味でもない。右も左も蹴れる彼だが、左は先のボレーの例もあって、右ほどではない。その弱点を補うためには、左足ボレーの練習は(右足で長く立つことになるから)この大型ストライカーにとってプレーのバランスという点で重要だと思うから持ち出したのである。
 後半に彼は右サイドで後方からのボールを相手DFを背にして左足で処理してつぶされ、カウンター攻撃を食らう危険なシーンがあった。疲れも出ていたのだろうが、ちょっと気になるポイントだった。

◇ 平山に多くの行数を使ったが、何といっても190センチの長身のストライカーは日本にとって大切な財産だからである。今回は、国見高校―筑波大学―ヘラクレス(オランダ)―FC東京という経緯を経た21歳8ヶ月、もうすぐ22歳になる平山が、どうやらコンディションを整えてきたということをまず第一のプラスと考え、あわせて4本のシュートを打ったこと、そのシュートが何故ゴールにならなかったかについては私なりの考えはあるけれど、ここは、そのシュート位置にいたことだけで良かったことにしておこう。

◇平山の4本を含む14本のシュートがあったのは、それだけチャンスを作ったということ。いまのU-22の世代は、8歳の小学生のころにJリーグが開幕し、小6あるいは中1のときに98年ワールドカップ(W杯)に日本代表が出場。感受性の強い16~17歳のときに2002年W杯が開催されている――という恵まれたサッカー環境のなかで育ってきている。そのなかで良い指導者のもとでプレーし、日本の組織サッカーを見聞し、実際に経験することでチームワークや試合の流れについての理解や感覚は彼らより上の世代よりも早いうちから身につけて当然――。したがって、今度のチームも、合同練習の日は浅くても互いに仲間のプレー、自分のプレーを生かす術(すべ)もある程度理解しているように見えた。実際、(アメリカ側に遠征のコンディション低下があるだろうが)強いハズのアメリカ代表との試合に14本ものシュートチャンスを作っている。
 もちろん、サイドからの攻めが少ないとか、第2列、第3列の有効な飛び出しをもっと見たかった――というような声もあるが、それはチームの練習が増えればまだまだ可能性は高まることになる。

◇ただし、ゴールを奪うということは、巧みなチームワークや日本独特のランプレーとはまた別である。
 守備の組織も個人の能力も発達してきた今のサッカーでゴールを奪うために、ここというシュートチャンスに、冷静に、しかも的確なスピードでGKの守りを崩してゴールネットに入るシュートを決めなければならない。
 そのためにはシュートや、まずはラストパスあるいはクロスパスが狙ったところへゆかなければならず、そうしたキックやヘディングを習熟するためには、反復練習で自分の形を作る以外にはないのである。
 今年最初のキリンチャレンジカップで久しぶりに元気な平山相太とその仲間を見せてもらった。これから伸び盛りの彼らが、代表やJの試合ごとに伸びてゆくのを注目してゆきたい。それも北京という近い目標だけでなく、彼らにとって将来にかかわるものとして――。プロの選手はたとえ30歳をこえても、なお上達するものだが、10代で培った自分の技量をそれぞれの“ホンモノ”にするためには、この20歳~23歳の年代が最も重要な時期になるからだ。

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