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2005年5月

5月27日  日本代表 vs UAE代表

2005/05/27(金)

(続)キリンカップサッカー2005を見て
本番前の痛い経験

キリンカップサッカー2005
5月27日(国立競技場) 19:20
日本代表 0(0-0 0-1)1 UAE代表
日本代表 得点:なし
UAE代表 得点:ハイダル・アロ・アリ(69分)

【日本代表メンバー】
GK: 23 川口能活
DF: 2 田中誠→25 茶野隆行(77分)、5 宮本恒靖(Cap)、14 三都主アレサンドロ、26 坪井慶介→19 本山雅志(72分)、21 加地亮
MF: 15 福西崇史→29 稲本潤一(82分)、8 小笠原満男、18 小野伸二
FW: 11 鈴木隆行→28 玉田圭司(65分)、31 大黒将志
SUB: 1 楢崎正剛、12 土肥洋一、17 三浦淳宏、22 中澤佑ニ、4 遠藤保仁


【UAE代表メンバー】

GK: 22 イスマイル・ラビー
DF: 13 ナシーブ、4 オムラン・モハメド、20 モハメド・ハミス
MF: 2 サレハ・アブドラ、5 アリ・アバス、8 ハイダル・アロ・アリ、19 ムバラク→24 ジャシム(87分)、9 アブドルアジズ→14 アブドルハディ(81分)
FW: 11 ハリル(Cap)、10 イスマイル・マタル
SUB: 1 マララハ、3 ルバイヤ、6 デヤブ・アブドラ、16 ムーサ、23 サレム・サード

  まさか――ではなく――またか――の後半の失点は、加地亮のパスを奪ったUAE・DFの短いパスからはじまった。
 加地から足元にきたボールを玉田圭司がボールにさわらないで、すぐ近くの大黒将志に取らせようとしたが、このフェイクが通じない。オムラン・モハメドがボールを取り、すぐ前、第2列のムバラクへ送った。

1)ムバラクはゆっくりキープしながら前方のハリルへ。
2)戻って受けたハリルが左足でボールを止め、もう一度ムバラクに戻す。
3)その瞬間にハイダル・アロ・アリが、素晴らしい勢いで右側のスペースを走り上がる。
4)ムバラクが左足インサイドのダイレクトでこれをエリア内へ送り込むと、
5)アリは見事なダッシュで、内側から追う坪井より一歩前で右足シュートを決めた。

 ムバラク→ハリル→ムバラク→アリのシンプルなパス攻撃は素晴らしいが、最初にムバラクがボールを持ったときに日本側の接近がなくて、自由に蹴らせたこと、そしてまた、このパスを受けたハリルの最初のトラッピングが足元に入り、処理にとまどったのに、そこへのプレッシングが遅れていたことも失点の原因となっていた(もっとも、このちょっとしたボール処理の遅れが、一瞬の間(ま)となっていたのかもしれないが)。
 ハリルがバックパスした瞬間のハイダル・アロ・アリのスタート(第3の動き)に対して、日本の第2列は全てノーマーク。守備の要(かなめ)宮本はもう一人のFWの背後にいたから、アリへの対応は坪井となった。こういう体勢での相手の突進に対する対応はまことに難しい。しかも、プレスのかからないムバラクからのダイレクトパスは、方向も強さもパーフェクトだった。
 この相手の中央部4人の攻撃(1人は宮本を引きつけていただけだが)は、日本にとっては“魔の時間帯”のものであり、UAEにとっては会心のパス攻撃だったといえる。さきのペルーでも、今度のUAEでも、一試合に一つはこういう会心の攻撃の瞬間があるから、無失点でいくほうが難しい。無失点でいくには、頑張りと同時に相手の不運、こちらの幸運がなければならない。

 この2試合で、ずいぶん攻めて、チャンスもあった。
 例によって、クロスの精度がいまひといき、シュートが相変わらず――ということだが、そのチャンスのうち一つだけを取り上げると――。
 三都主が小笠原のうまいスルーパスを受けてゴールライン近くを中へ持ち込み、エリア近くでクロス。ニアへきたボールに大黒が飛び込んで防がれた場面があった。このときニアサイドには相手DF4人がいて、日本は2人だった。その代わり、ファーには日本側が2人、ノーマークでいた。三都主は、あの角度からファーへDFの頭上をこすボールを出すことは少ないが、彼にはその技術はあるのだから、このときもしファーへ浮かし、GKとDFの頭上をこすボールを送っていれば、パーフェクトな攻撃になっていたハズだ(オマーン戦で中村のクロスを鈴木がヘディングで決めたのを思い出す)。大黒のニアへ走り込む鋭さをストレートに生かすやり方もあれば、それを囮にするやり方もある。

 キリンカップサッカー2005の2試合の敗戦は、いろいろな点で選手たちにいい教訓となったハズ。たくさんのチャンスを作る力もあり、相当な技術も持っている。大黒という新しいFWは第2戦でスタートから出場していささかリキみがあったが、彼の動きのタイミングをMFの選手たちが理解できたハズだし、ちょっとジャンプのタイミングが狂っていたようにみえた鈴木隆行も、本番までにはベストの状態にもってゆくだろう。稲本は後方から飛び出すときのボールタッチがまだ自分のものになっていないのが気がかり…。中村俊輔と中田英寿が合流してくれば、なんといってもこの2人はテンポを変えられる選手だから、この2試合でいささか単調だった試合展開も、もう少し変化があるものになり、攻めの効果もあがるだろうと思っている。

 まずは選手たちが、負けられない――という強いプレッシャーの中で、またひとつステップアップにつながる試合をしてほしい。そうすれば結果はついてくる。

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5月22日  日本代表 vs ペルー代表

2005/05/22(日)

キリンカップサッカー2005を見て
本番前の痛い経験

キリンカップサッカー2005
5月22日(新潟スタジアム ビッグスワン) 13:20
日本代表 0(0-0 0-1)1 ペルー代表
日本代表 得点:なし
ペルー代表 得点:パサージョ(94+分)

【日本代表メンバー】

GK: 23 川口能活
DF: 17 三浦淳宏、2 田中誠、5 宮本恒靖(Cap)、14 三都主アレサンドロ、26 坪井慶介
MF: 15 福西崇史→29 稲本潤一(69分)、8 小笠原満男、4 遠藤保仁
FW: 11 鈴木隆行→19 本山雅志(79分)、28 玉田圭司→大黒将志(53分)   
SUB:  1 楢崎正剛、12 土肥洋一、22 中澤佑ニ、21 加地亮、25 茶野隆行 

【ペルー代表メンバー】
GK: 1 フローレス
DF: 5 ポルティージャ、16 グアダルーペ、2 ビジャルタ、14 テネマス→6 セバスコ(61分)
MF: 8 バサラル(Cap)、20 ラローサ→15 イスモデス(91+分)、17 ロバトン→22 チロケ(58分)、4 メンドサ
FW: 11 モスト→9 パサージョ、7 アルバ→10サラス(79分)
SUB: 21 ブトロン、19 エルナンデス、24 ロドリゲス、25 サラサール

  0-0のスコアのままロスタイムに入ったとき、日本側に右タッチの深いところでのスローインがあった。
 記者席の私のすぐ右下で、三浦淳宏がロングスローの体勢に入る。一瞬“どうかな”と思う。ロングスローはどうしても高いボールになる。相手の中央部には 193センチのグアダルーペと187センチのビジャルタがいて、鈴木隆行もいないから(79分にOUT)最初の空中戦には勝てまい―― しかし、それでも投げるのはセカンドボールを拾うつもりなのかナ、と思った。三浦の投げたボールはまず一度グアダルーペにヘッドでクリアされる。それを田中が再びヘディングで中央部へ送る。しかしこのボールが深いところへはゆかず、これも弾き返される。グアダルーペには短くとも助走のステップがあって、ジャンプに勢いがあったから、彼に競り合いにいった稲本が当たり負けしてしまった。

 そのグアダルーペの2度目のヘディングボールは単なるクリアではなく、カウンターの最初のパスとなる。そのあと――
1)ハーフライン手前(やや左より)10メートルに落ちたボールをロバトンがヘッドで突いて出て、
2)左タッチぎわに開いていたチロケに渡す。右足でボールをコントロールしたチロケが中へドリブル。
3)このとき日本のディフェンスは宮本、坪井の2人と、2人の間へ戻ってきた田中の3人だけ。
4)その田中に向かってチロケが3~4歩ドリブルしたあと、ペナルティエリア内へ宮本と田中の間を通るスルーパスを送った。
5)このパスに、右後方から斜めに走りこんできたパサージョが坪井の追走より一瞬早く追いつき、
6)ゴールエリアの角へ飛び出してきたGK川口の前で、右足アウトでキック。
7)右足アウトサイドで急激に角度を変えたボールは、川口の左足の外を通ってゴールに転がり込んだ。

 3月シリーズのイランとのアウェー戦で、1-1に追いついたあと、右からのクロスをヘディングで決められて1-2の敗戦。ホームのバーレーン戦は後半に相手のオウンゴールで1点をもぎとり、1-0となったのはいいが、タイムアップ近くでは2度もピンチがあった。失点しなかったのは幸運で、こうした終盤でのピンチや失点は、このペルー戦では現実のものとなった。

 ただし、負け惜しみではなく、本番への準備としては、このペルー戦は値打ちがあったと思う。
 ボールを奪い合うときのペルーの選手たちのリーチの長さ、足の動きの速さなどは、Jリーグの中だけではなかなかに体得し難いもの。特に平気でファウルで止めるズルさは、見習う必要はなくても知っておかなくてはならないことだ。
 厚く守っている相手をなんとか切り崩そうとして成功しなかった日本に対して、3人対3人で広いスペースのあるうちに勝負して勝ちをもぎとったペルーの攻めを対比できたのはまことに面白かった。特にドリブルからゴール前へスルーパスを送ったチロケが(ゴール裏からのスロービデオによると)、ボールの下を叩いて、小さく浮かせた速いボールをパサージョの前へ送ったところが面白かった。ボールが小さく弾んだことが、そのあとの右足アウトサイドでのシュートの効果を高めたのかもしれない。
 こういう咄嗟(とっさ)の判断とプレーがゴールにつながるものだ。

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