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2005年1月

1月29日 日本代表 vs カザフスタン代表

2005/01/29(土)

加地の右サイド攻撃と、
相互理解が生む上質のコンビネーション
多数防御から4ゴール

キリンチャレンジカップ2005
1月29日(横浜国際総合競技場)19:20
日本代表 4(3-0 1-0)0カザフスタン代表
日本代表  得点: 玉田(前半5分)、松田(前半11分)、三都主(前半24分)、玉田(後半15分)
カザフスタン代表 得点:なし

【日本代表メンバー】
GK: 23 川口能活
DF: 2 田中誠→26 坪井慶介(後半43分)、3 松田直樹、22 中澤佑二(Cap)    
MF: 21 加地亮、4 遠藤保仁→16 藤田俊哉(後半43分)、15福西崇史→30 阿部勇樹(後半0分)、14 三都主アレサンドロ、8小笠原満男
FW: 11 鈴木隆行→31 大黒将志(後半32分)、28 玉田圭司→19 本山雅志(後半43分)
SUB: 1 楢崎正剛、12 土肥洋一、5 宮本恒靖、17 三浦淳宏、24 西紀寛、25 茶野隆行

【カザフスタン代表メンバー】
GK: 22 モキン
DF: 2 リャプキン、7 アブデーエフ、8 スマコフ(Cap)→3 M・アゾフスキー(後半0分)、17 ウタバエフ→19 アリエフ(後半9分)、23 ソロシェンコ→13 Y・アゾフスキー(後半0分)
MF: 5 カメロフ→25 ジャルマガンベトフ(後半0分)、16 チチュリン、20 バイジャノフ
FW: 4 ラリン→12 ロジオノフ(後半0分)、24 シェフチェンコ→6 ドゥビンスキー(後半28分)
SUB: 1 ノビコフ

  2月9日の対北朝鮮を控えたこの試合で、
1)選手たちのフィジカル・コンディションはどうか
2)選手間の相互理解の上に立つ連係プレー
3)久しぶりの実戦のなかで、個々のプレーヤーの進境が見られるか――
というのがわたしのテーマだった。

 キックオフ直後から選手たちの体の動きがよかった。体調もそうだが、久しぶりの代表の試合、それもアジア最終予選の第一戦を控えて、気迫がこもっていて、それが体づくりを主にした合宿トレーニングの成果を引き出した感があった。
 コンディショニングの整った日本代表の動きの速さは、この日のカザフスタンの選手たちには荷が重かっただろう。試合後のティモフェーエフ監督の話は「シーズン最初の試合で準備不足。日本側のスピードについてゆけなかった」とのことだったが、準備不足を承知の上でやってきたティモフェーエフ監督は、守りを厚くして持ちこたえようとしたけれど、その多数防御から日本は4ゴールを奪った。

 1点目は5分、玉田がゴール正面左よりの位置で、小笠原のロブをジャンプして胸で止め、右足でシュートを決めたもの。相手のクリアが弱く、ゴール正面・エリア外へ飛んだのを、遠藤が拾って小笠原に短いパスを送り、これを小笠原がエリア内にロブを上げたのだった。自分のところへきたボールのバウンドとゴール前の配置に合わせて、ボールを浮かせた小笠原の判断と、そのボールの落下点で相手DFの前に走り込んだ玉田の速さが生きた。
 このゴールの伏線となったのは加地の右サイドからのクロスだった。スローインのボールから、タテに抜いてゴール正面へ低く強いタマを送り、これを相手DFがヘディング。それをエリアでもう1人のDFがクリアしたが、このキックが弱く、エリアすぐ外の遠藤に拾われたのだった。

 加地はこのプレーの前に、相手のウタバエフをタテに抜いた。おそらく積極的に前に出ようという気持ちになっていたのだろう。そのときスピードで突破できたことで、自信を持ったに違いない。
 彼は滝川第二高校からセレッソ大阪へ入ったころから、スピードあるドリブルで注目されていた。その持ち味は、そのあとチームが変わって、必ずしも発揮しているとは言えなかった。
 ジーコが彼を日本代表に起用したのも、この特徴を生かしたいと考えたのだろうが、これまでは攻めの回数も少なく、左の三都主に比べて目立っていなかった。それがこの日は、このあとも再三突破して深い位置まで進み、クロスも落ち着いて蹴っていた。相手との相性がよかったこともあるが、“思い切ってタテに出ればやれる”ということを自分もチームメイトも確認したのだから、一皮むけるステップにしてほしいもの。もちろん、クロスを正確に送ること、ときにはシュートまでゆくこともあって当然。
 相手の多数防御を破るひとつのテとして、サイドからの攻めがある。サイドへボールを散らし、ピッチの幅を広く使うことで、多人数の守りにも隙間ができるのだから、加地がここで成長すれば、チーム全体にもプラスになるハズだ。

 先制ゴールから6分後に2点目。左CKからだった。三都主が蹴ってニアの中澤に合わせ、中澤の頭をかすめたボールを中央の松田が取って左足をシュートを決めた。
 FK、CKのいわゆるセットプレーは、いまの日本にはチャンスのひとつ。キッカーと、それを受ける選手とが共通のイメージを持つようになっているのが、スタンドから見ていても楽しい。

 3点目は24分、右サイドのFKだった。これは右サイドで玉田が後方からボールを受けたときに相手の反則があって、このFKを近くの田中が蹴ろうとしたが、三都主に代わったもの。
 三都主が右サイドから蹴るのだから、当然ゴールに向かってカーブするボールになるが、彼がボールをプレースしたときに、中央に入る仲間は、そのコースを予知したに違いない。その三都主のボールのコースに松田・鈴木・福西・中澤とヘディングプレーヤーが揃い、松田がニア、中澤がファー、落下点近くで鈴木・福西がジャンプし、鈴木の頭をかすめたボールがゴールインした。相手のDFやGKがコースを読むより早く日本選手がコースに入ったのは、三都主のキックのコースとボールの速さが予知できていること、いいかえれば、キッカーと飛び込む選手とが共通のイメージを持っているということだろう。

 日本のFK・CKのキックの正確さに比べると、カザフスタンは前半に数回あった得点機となるFKが不正確。まともなボールは33分のリャプキンのものが初めて。これも日本選手がヘッドでクリアした。
 前半は3点に終わったが、34分の小笠原の左よりからのFKとロスタイムのCKは、どちらも福西のヘディングを生んで、ゴールにはならなかったが見事なシーンをつくった。

 小笠原は後半15分(60分)に見事なスルーパスを玉田に送って4点目を生み出した。玉田は得意の左へ流れる形でノーマークで受けて、狙い通りのコースへ決めた。面白かったのは、小笠原にボールが渡る前、遠藤・中澤・三都主が左サイドでパス交換をしたため、中央部にスペースが生まれたこと。このあと阿部 ―小笠原とつないで小笠原がフリーでボールを持ったのだった。DF陣のパスによるボールキープで相手DFを立ち止まらせるプレーが出来るところにも、代表チームのレベルアップの証(あかし)があった。
 福西に代わって後半はじめから入った阿部、77分から鈴木に代わって登場した大黒については、別の機会にふれるとして、どちらも代表の新戦力として期待したいプレーヤーだ。

 2005年の最初の試合で、私たちは代表イレブンの体調がよく、チームワークもよいことを確認した。相手は予想したよりも力が下だったが、日本選手が最後まで積極的なプレーを続けたことは評価したい。
 カザフよりは手強いハズのシリア戦が楽しみだ。

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