4月セルビア、5月韓国戦に向けて(下)

2010/02/26(金)

――5月の韓国戦はライバル同士の壮行試合という形。ところで、東アジア選手権の3位、とくに韓国との1-3でずいぶん代表の評価が落ちました。岡田武史監督への風当たりも強いですね。

賀川:監督更迭論を真剣に唱える人もいるようだネ。

――賀川さんはどう思います?

賀川:2月シリーズではコンディショニング――気持ちも含めての失敗につきるね。いちばん点を取っている岡崎慎司も出遅れていたでしょう。

――監督云々は……

賀川:もともと日本代表は、例えばリーガエスパニョーラに加わってそのベスト4を目指すというチームではない。しかし、W杯という1ヶ月の大会なら、強い方でどのくらい上位にゆけるかはやってみなければ分からないものですヨ。大会が近付けば対戦相手それぞれについての勉強も進み、対策を練って、そこで初めて自信のようなものが生まれてくるかもしれない。

――しかし、そこで本当に勝つにはもっと技術・体力が必要でしょう。

賀川:日本の歴史で大人のチームが世界大会でメダルを取った(ベスト3に入った)のは1968年のメキシコ・オリンピックだけ。このときは日本の高地対策が非常に上手くいって、勝つための、負けないための、そして6試合を戦い切るコンディションの維持ができた。他のチームの中には高地対策の不十分なところもあったという。2002年大会は、日本の蒸し暑さがヨーロッパにチームのハンデになっていたのは確かだろう。

――そういう有利な環境条件は、今度はどうですかね。

賀川:ドイツ大会は開幕直前までドイツらしく涼しかった。それが始まった途端に暑くなった。それは乾燥した暑さで、日本の選手たちには堪えたハズですよ。
 技術的なミスが出ると、その疲れはいっそう大きくなった。今度は気温が低いと予想され、ヨーロッパ勢には好条件でしょう。もちろん日本のラン・サッカーにもいいわけだが、別に大プラスというわけではない。

――だから技術も体力も少しでもレベルアップが大切だと……。

賀川:いつも同じことを言うけれど――。
 2月24日のACLの2試合で、広島がホームで中国チームに敗れ、ガンバはアウェーで韓国No.1の水原と0-0で引き分けるのをテレビで見た。技術力と、それをもとにしたチーム力の高いガンバは、苦しい試合だったがまずいい試合をした。この試合を見ても、まだ左右からのクロスが仲間に届いていない。
 初めて見た平井将生(ひらい・しょうき)というガンバの若いFWは速くて、二度シュートチャンスをつかんだ。左右1本ずつ入らなかったのだが、それを本人がこのあとどう考え、どう工夫するかですよ。
 どの選手も上手だし、よく頑張るし、素晴らしいのだが、もう一つ上の基本技術――特に蹴る技術を上げておけばいいのになぁと思いながら見ていた。そういう例は広島にもたくさんあったし、いまの日本代表にも通じることなんです。

――成長期の練習が足りないとおっしゃる?

賀川:それもある。しかしサッカーは27歳になってもまだ上手になりますヨ。

――中村俊輔が横浜へ戻ってくれば……?

賀川:そういう噂だね。それはそれでいいことでしょう。ことしの彼にも非常に大きなことになるだろうからね。


【了】

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4月セルビア、5月韓国戦に向けて(上)

2010/02/25(木)

――キリンチャレンジカップのスケジュールが発表されました。4月7日にセルビア代表と(大阪・長居)5月24日に韓国代表(埼玉)と、ということです。

賀川:その前(3月3日)にアジアカップ予選の対バーレーン(豊田)があり、このキリンチャレンジの2試合のあと5月30日と6月4日に強化試合としてそれぞれイングランド(会場オーストラリア)コートジボワール(同スイス)との試合が組まれている。これは本番前のヨーロッパでの強化合宿中のハズ。

――3月6日に始まるJリーグが5月15、16日の第12節で中休みになり、そこから6月11日開幕のワールドカップ(W杯)までの約1ヶ月(実際の日本の第1戦は6月14日、対カメルーン)をどういうふうにもってゆくかでしょうが、その前にある国内の2試合もファンには嬉しいことですね。

賀川:4月7日といえば、第5節と第6節の間の水曜日。Jの試合で代表も体が動くようになっているだろう。

――ACL(AFCチャンピオンズリーグ)に出るチームは3月9、10日にも試合があるから、日程が込んでいますけれどね。

賀川:自分のチームでそれぞれのチーム特有の戦い方もあり、また外国人選手もいるわけだから、このあたりで代表が顔を合わせておくのは悪くはないだろう。それに相手はかつてのユーゴスラビアが分裂したあとのセルビア――つまりスラブ人の本流だからね。ストイコビッチ名古屋監督)の育ったところのハズだ。

――ボールテクニックが高いこと、それにスラブですから大柄な選手もいるでしょう。

賀川:マンチェスター・ユナイテッドのネマニャ・ビディッチが有名だが……。ことしのヨーロッパのスペイン、イタリア、イングランド、ドイツ、そしてフランス――いわゆるビッグ5リーグのメンバー表を見ると、セルビア人のプレーヤーはプレミアリーグ(イングランド)とスペインに2人ずつ、イタリアに5人、フランスに8人、ドイツには10人がいる。代表メンバーもほとんどがこうしたレベルの高いリーグで働いている。

――いい選手が揃えば強いのですね。彼らも本番前の一つとして極東へ遠征するのは、体力的にはともかく気持ちをまとめるのにはいいでしょうね。

賀川:全部が揃わなくても、久しぶりにかつてのユーゴスラビア的なプレーを見たいね。


【つづく】

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2月2日 日本代表 vs ベネズエラ代表(下)

2010/02/04(木)

ベネズエラのプレッシングに押され不満足な試合
それでも休養明けに小笠原、平山たち新戦力を試すことができた
走る原点に返って東アジアのライバルに勝つこと



キリンチャレンジカップ2010
2月2日(大分・九州石油ドーム)19:13
日本代表 0(0-0 0-0)0 ベネズエラ代表

*両チームのメンバーはこちら

――小笠原満男はどうでした?

賀川:彼らしくプレーしていた。シュートも2本あった。もともとこの選手はパスもうまいがゴール近くに現れたときに、ボールを止めて蹴るという技術がしっかりしている。だから落ち着いてシュートへ持ってゆくという点で岡田監督は前の方でプレーさせたいと考えているのだろう。1本目の右足でゴールキーパーの右へ(キッカーから見て)蹴ったシュートは、もう少しコースが上だったらゴールになったかもしれない。

――平山相太は後半に出場しました。

賀川:東アジア選手権でも使うつもりなのだろうネ。彼はかなり長い間、まわり道をしていた感があって、昨シーズンにJ1リーグに出場するようになってから少し意欲的になったようだ。城福監督のおかげだろうが、大事な成長期に必ずしもしっかり蓄積したかどうか分からないから、少し調子が上がってきたいま、どしどし代表でプレーし調子を上げつつ、技と体力、走力をつけることだろうね。
 長身でヘディングが強いといっても、40年前の大型FW釜本邦茂に比べてもヘディングが上手だとはいえない。ただ、いまは自分でゆけると思いノッているようだから、いまの日本では珍しい大型FWをステップアップさせるチャンスだろうね。

――もちろん、他にもFWはいますが

賀川:小型のストライカーはそれ自体が一つの特色だから、大型ばかりを求める必要はないが、テンポの変化ということもあり、攻撃陣は多様な素材があっていい。

――これからの3試合をどう見るのですか

賀川:中国は身体の大きさが一つの特色。激しくくることもあり、ファウルも少なくない。駆け引きもうまいから、体の接触のあとの挑発に乗らないよう冷静な試合運びを身につけるのに良い相手だ。
 香港は日本のことをよく知っていて、厚く守ればどの程度持ちこたえられるかを考えてくるだろう。そういう相手から点を取ることもできなければなるまい。
 韓国は永年の好敵手で、伝統的にもっとも日本のことをよく知っていて、中盤でプレスをかけにくるのか、ロングボールでくるのか。日本の嫌なこともやれるチームですヨ。
 こういうそれぞれの相手国を乗り越えて優勝することは、チームの自信につながるでしょう。

――初戦で0-0という結果になりましたが、まあ良いクスリだと思って、東アジア勢を相手にいい試合をして勝ってほしいものですね。

賀川:サッカーはうまくゆかないときはまず走ることだと私は思っている。ベネズエラのおかげで、選手たちも目が覚めたことだろう。日本の選手たちは体調を上げて、走ることで組織力も個人力も増すことが多い。初戦の不満足試合を糧に、今度はいい試合をしてくれるだろうと思っていますヨ。


【了】

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2月2日 日本代表 vs ベネズエラ代表(上)

2010/02/03(水)

ベネズエラのプレッシングに押され不満足な試合
それでも休養明けに小笠原、平山たち新戦力を試すことができた
走る原点に返って東アジアのライバルに勝つこと



キリンチャレンジカップ2010
2月2日(大分・九州石油ドーム)19:13
日本代表 0(0-0 0-0)0 ベネズエラ代表

*両チームのメンバーはこちら

――楽しみにしていたのに、さっぱりという感じでした。

賀川:取材申請もし、出かける予定だったが腰の調子が思わしくなくて、結局私は今回はテレビ観戦になってしまった。まあ私はどんな試合でも面白いと思える方ではあるが、代表選手の中には重い感じのする選手もいたネ。失望したファンも多かっただろう。
 折角、相手のベネズエラがしっかり準備して遠征のハンデを克服して良いプレーをしてくれたのだから、こちらもいい体調でゆきたかったネ。

――休養期間明けで、日本代表一人ひとりの体調はシーズン中に比べると良くないのでしょうがね。2月2日にこの試合が予定されていて、準備合宿が1週間前からスタートする。そう決まっていれば、選手たちはそれに合わせて休養期間中にもコンディションを整えてゆくのと違うのですか?

賀川:そのあたりのことはどうだろう。試合を見た限りでは、例えば大久保嘉人はこの試合にかける意気込みが相当に見えていた。本番で代表メンバーに入るために、このシリーズ(2月4連戦)でどれだけのプレーをするかが重要だと感じているハズだからね。
 まあ大久保の話はともかく。私がこの休み明けの初戦で不思議に思うのは、コンディショニングもそうだが、それぞれの基礎の技術がシーズン中よりも落ちていることですヨ。もちろんケガなどでボールを触れない選手もいるだろうが、サイドからのクロスといった一番初歩的で大切なポジションプレーが、前より下手になって出てくる。そしてシーズンに入ってまた少し伸びてゆく――という繰り返しになっているように見える。

――その原因はどこにあるのでしょう。

賀川:まあ、だいたい察しはつくが、それは別の機会にしておきましょう。
 試合の場面でいうと、前半に遠藤からのパスを長友佑都が左サイドのペナルティエリア近くからクロスを出すことになったとき、相手の足に当たって止められている。
 また、大久保が右サイドへ出て中へクロスを送った。彼は少し浮かそうとしたが、相手がその高さを読んで足を少し上げたからこれも不成功だった。
 内田篤人に代わって先発で右サイドを務めた徳永悠平も、クロスパスを送るという点では良くなかったネ。
 こういう技は調子が悪いとかいいとかいうものでなくて、ボールのどこを足のどこで蹴るかという形が身についておれば良いわけですヨ……。私は、それはシーズンオフでもシーズン中でも上手になろうと思えば上手になれると思っている。

――練習のスケジュールなどの問題もあるのでしょうが……

賀川:近ごろは練習するのにいろいろ制約もあるらしいけれど、必要な練習は繰り返さないと落ちますヨ。


【つづく】

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【Result】2月2日 日本代表 vs ベネズエラ代表

2010/02/02(火)

キリンチャレンジカップ2010
2月2日(大分・九州石油ドーム)19:13
日本代表 0(0-0 0-0)0 ベネズエラ代表

【日本代表メンバー】
GK: 1楢﨑正剛
DF: 22中澤佑二(Cap.)4田中マルクス闘莉王、21徳永悠平→3駒野友一(59分)15長友佑都
MF: 25小笠原満男→26金崎夢生(75分)7遠藤保仁、8稲本潤一、14中村憲剛→20平山相太(59分)
FW: 16大久保嘉人→17香川真司(84分)9岡崎慎司→13佐藤寿人(75分)
SUB:18川島永嗣、23西川周作、12岩政大樹、15今野泰幸、6内田篤人、24石川直宏、2阿部勇樹、10乾貴士、19興梠慎三

【ベネズエラ代表メンバー】
GK: 1レオナルド・モラレス
DF: 18ジオバニー・ロメロ、3ホセ・マヌエル・レイ (Cap.)6ガブリエル・シチェロ、4カルロス・サラサール
MF: 8フランクリン・ルセナ→2グレンディー・ペロソ(84分)5ジャコモ・ディ・ジョルジ、20アグネル・フローレス→13フアン・フエンマジョル(73分)14アレハンドロ・ゲラ→10ヘスス・ゴメス(81分)
FW: 15アレハンドロ・モレノ→19エデル・ファリアス(90分)7フェルナンド・アリスティギエタ→9アレクサンデル・ロンドン(68分)
SUB:12ダニエル・バルデス、16ヘンリー・ペルニア、11ヘスス・ルゴ、17オルランド・コルデロ

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【Preview】2月2日 日本代表 vs ベネズエラ代表(下)

2010/01/22(金)

――平山相太は復活……いや、初めてのA代表参加ですね。

賀川:私は、彼はもっと早くA代表に入っているべき選手だと思っていたが、Jでは実績がなく、ずいぶん遠まわりをしてきた。

――このサイトでもブログ(片言隻句)でも、何度も語ってこられましたね。それでも、イエメン戦での3ゴールがモノを言いました。

賀川:ストライカーは、何といっても実績だからネ。私が今でも釜本邦茂を例に挙げると多くの人は「今さら釜本でもあるまい」と言うが、歴代日本代表の通算最高得点、それもAマッチだけでなく当時の日本代表に比べて実力の上のアーセナル(イングランド)ボルシア・MG(ドイツ)パルメイラス(ブラジル)といった一流プロチームを相手にしてのゴールを含めてのゴール数を見れば、誰も納得ということになる。
 平山の今度のイエメン戦でのゴールは、彼にも日本サッカーにも岡田監督にも、とてもいいきっかけとなったと思う。

――テレビ放送があればよかったのに。

賀川:そう、平山といえば、昨年秋はFC東京で出番をもらって懸命にプレーする姿をテレビで見ていた。ただし、背を丸めてトコトコ走る姿勢に、高校を出てからの大切な成長期を日本のコーチ達や彼自身はどういう過ごし方をしたのか、寂しく思っていたものですヨ。
 それでも、彼のように才能を持つ大型FWが、調子がよければ代表に入れますよ――という岡田監督の意思表示には大賛成。日本人は小型が多いから敏捷性を生かすというテーマはいいけれど、大型でいいストライカーがいれば役に立つものだ。

――体格も含めて、日本人にはストライカーの資質がないという評論家も多い。

賀川:まあ、その話は別として、平山にはこれをきっかけに上昇してほしい。実際は大切な期間を空白にしておいたから、これから一段上にあがるのは大変だと思うけれど、せっかくの素材が、ともかく24歳までサッカーを続けたのだから、満25歳になる6月のW杯にはぜひ出られるように頑張ってほしい。
 たとえ出られなくても、ここしばらくの努力は将来決して無駄にはならないと思うヨ。ヨーロッパのスーパースター、ウェイン・ルーニークリスチアーノ・ロナウドも同じ1985年生まれだからね。もっと平山自身も、周囲も、彼の資質を大切に思ってほしい。


【了】

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【Preview】2月2日 日本代表 vs ベネズエラ代表(上)

2010/01/19(火)

さあ、日本代表2010冬の陣


キリンチャレンジカップ2010
2月2日19時10分キックオフ(大分・九州石油ドーム)
日本代表 対 ベネズエラ代表



――キリンチャレンジカップ2010、日本代表対ベネズエラ代表(2月2日19時10分、大分・九州石油ドーム)の日本代表メンバーが発表されました。このあと東アジア選手権大会(2月6日-14日、東京)の試合が3試合あるので、キリンチャレンジカップに始まる2月2日から14日までの4試合は6月のFIFAワールドカップ(W杯)に向かってのとても重要なシリーズになりますね。

賀川:Jリーグの2010シーズンが3月6日にスタートする。各クラブにとっても、この2月は大切なトレーニングの時期だが、日本代表にとっても1月25日から2月2日まで9日間、指宿(いぶすき/鹿児島県)で代表候補を集めて練習できるのはとてもいいことだ。そしてその後も対中国(6日、味スタ)対香港(11日、国立)対韓国(14日、国立)と試合が続くので、国内組の候補たちはずっと一緒にいることになる。

――発表されたメンバーはこれまでのお馴染みの顔ぶれですが、DFの村松大輔(湘南)が私たちには新しい名前です。また、大分から名古屋に移ったMF金崎夢生や、セレッソの香川真司も入りました。しかし何といっても注目は大物の小笠原満男(鹿島)の代表への返り咲きと、長身FW平山相太でしょう。

賀川:GK3人、DF9人、MF8人、FW5人がまず発表され、そのあとでフランスから日本に戻ってくる稲本潤一(川崎)が追加され、合計26人の名が挙がった。
 小笠原については実績のあるプレーヤーで、Jリーグ3年連続優勝チームのキャプテンという看板もある。彼のような選手を代表に入れ、今のチームの強化になるかどうかを見るのには、この時期だと考えていたようだ。

――一度やってみて、チームに合わないから次のチャンス――というような選手ではないということ?

賀川:チームの考え方もどうやら共通になってきた現段階の代表に、小笠原といういい個性がどういう働きでチームのプラスになるかを知りたい。実力はある程度分かっている。性格も、代表の仲間にもよく知られている。

――それが、今まで代表に呼ばれなかったのは……

賀川:彼の働き場所がどこにあるか、周囲との組み合わせはどうか、ということだろうね。そして、もっと早い時期に入れて難しいことになった場合は、本人にとっても日本サッカーにとってもプラスにならない。

――岡田監督は、そういうことまで考えるのですかね?

賀川:うん。物事をしっかり考え、そして今どうするかを決めているのだろう。だから、今回が小笠原を呼ぶ最後のチャンスと見たのだろう。

――中盤のプレーヤーはいっぱいいるでしょう、日本代表は。

賀川:そうだね。小笠原は相手の攻めの芽をつぶして、そのボールをこちらの攻撃に転向するのがうまい選手で、鹿島でもボランチ役で成功している。そこから出ていって点を取ることもできる。

――発表されたときの記者会見で、岡田監督は攻撃的MFで使ってみたいと言ったそうですね。

賀川:ボクも聞きましたヨ。ボールを受ける前を含めた視野の広さ、ボールを持ったときの落ち着き、パスに移る早さなどが、いわゆるプレーメーカー役としても生きるとみているのだろうね。

――ここには、中村俊輔というこれまでの大黒柱もいる。そこに新たに小笠原が加われるかなぁ…

賀川:俊輔のいないチームで、彼がどんなふうに働くかも楽しみだ。
 一般論でゆくと、今のサッカーのやり方で、今の日本人選手がヨーロッパのビッグリーグでプレーメーカー役として活躍するのは非常に難しい。相手のマークやプレスが厳しいから、技術だけでなく体の強さやリーチの問題もある。中田英寿でさえ、セリエAのペルージャではともかく、ローマというクラスになると(スター選手がいたこともあって)このポジションを好きでありながら、実際にはそこで使ってもらえなかった。
 小笠原も海外での経験の上で、鹿島に戻ってもう一つ後ろのポジションでチーム全体を動かすことに成功したのだが、日本代表というチームは海外のトップリーグのチームではなく、また別のカラー、別の性格、別の力を備えたチームだから、小笠原がその気になれば――と私はある種の期待を持っている。


【つづく】

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【Member追加招集】2月2日 日本代表 vs ベネズエラ代表

2010/01/15(金)

 日本サッカー協会は15日、キリンチャレンジカップのベネズエラ戦(2月2日・九州石油ドーム)に臨む日本代表に、川崎加入が決まったMF稲本潤一を追加招集すると発表した。
 これでメンバーは計26人。稲本は21日から川崎の合宿に入るが、その後25日には鹿児島・指宿での代表合宿に移動する。

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【Member】2月2日 日本代表 vs ベネズエラ代表

2010/01/13(水)

ベネズエラ戦に25選手招集、小笠原が復帰


日本サッカー協会(JFA)は13日、来月2日のキリンチャレンジカップ、対ベネズエラ戦(九州石油ドーム)に向けた代表メンバーを発表した。

国内組のみの招集となった今回、岡田監督は昨季JリーグMVPのMF小笠原を選出。06年ドイツW杯以来、3年7ヶ月ぶりの復帰のチャンスを与えた。
このほか、若手主体のイエメン戦(6日、3-2)のメンバーからは、この試合3得点のFW平山と、負傷のため遠征を途中離脱したDF村松が選ばれている。

チームは25日から鹿児島・指宿で合宿に入り、2日にベネズエラと対戦。その後メンバーは東アジア選手権に向け23人に絞られる。

メンバーは以下のとおり。

【GK】
楢崎正剛(名古屋)川島永嗣(川崎)西川周作(広島)

【DF】
中澤佑二(横浜M)田中マルクス闘莉王(名古屋)駒野友一(磐田)
岩政大樹、内田篤人(以上鹿島)
今野泰幸、徳永悠平、長友佑都(以上FC東京)村松大輔(湘南)

【MF】
小笠原満男(鹿島)遠藤保仁(G大阪)中村憲剛(川崎)石川直宏(FC東京)
阿部勇樹(浦和)大久保嘉人(神戸)金崎夢生(名古屋)香川真司(C大阪)

【FW】
玉田圭司(名古屋)佐藤寿人(広島)平山相太(FC東京)
岡崎慎司(清水)興梠慎三(鹿島)


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10月14日 日本代表 vs トーゴ代表(続々)

2009/10/20(火)

――代表が点を取れないという大合唱が始まり、いよいよそれが高まってきたときに岡崎慎司が現れ、実績を挙げ始めた。そして森本イタリアの実績は代表にも通じることを示した、ということですかね。

賀川:攻撃について、その構成はいろいろなやり方ができるようになった。点を取るためのサイドからの攻めもそうだ。タイミングやパスの精度が上がっているそこへ、絶えず飛び込み、飛び出しを狙い、そのタイミングを掴んでいる岡崎が出てきた。シュートもヘディングもうまい(左は右ほどでないが)。森本というCFタイプも現れた。
 二人に共通するのは体が強いこと。ヨーロッパの選手との競り合いにも簡単にバランスを崩さない粘りがあるし、バランスを失ったあとの修復力もあるようだ。
 森本は日本の昔の選手のように、剣道の“スリ足”を使っての短い距離の移動もできる。ゴール前の狭いエリアでも役立つ。ここしばらくの日本に欠けていたFWだといえる。彼に刺激され新しい発見をするFW選手も出てくるだろうと思う。

――そういう点では、今度のキリンチャレンジカップは大きな成果があったと。

賀川:本田圭佑も、代表に入ってここでプレーする意味や面白さが分かったと思う。ヨーロッパのように徹底的な1対1の戦いを基本にするところから、日本代表式のプレーになじみながらオランダで培った強さとキック力を生かすのにはどうすれば良いかを工夫するだろう。

――DF陣はあまり練習にならなかった。

賀川:DFだけでなくMF陣も、相手のプレッシングが少ないからボールを自在に動かせた。しかしこれはまた強い相手で経験すればよいことだ。アジアにだって、日本を相手にするのは中盤のプレスを強めるのがいい――と思っているところもあるしネ。
 前から代表に加わって当然と言われていた岩政が、CDFとしてもやってゆけることを示したが、DF、MFのユーティリティたちが10月シリーズでしっかり働いたのもよかったのじゃない。

――今度はJリーグでクラブでの練習ですね。

賀川:選手たちの、うまくなりたい、体をもっと鍛えたいという願いにクラブの指導者もJFAの技術委員と一緒に考えて練習を積んでいってほしいネ。


【了】

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